ヘルタースケルター (蜷川実花 岡崎京子 沢尻エリカ 映画)
2012年公開、蜷川実花監督・岡崎京子原作・沢尻エリカ主演の映画。
芸能界の頂点に君臨するトップスターりりこ。
彼女には秘密があった。それは、全身整形だということ。手術の後遺症がりりこの身体を蝕み始める。恋人の御曹司は別の女と婚約し、生まれながらに美しい後輩モデルも登場。美の崩壊と、頂点から転落する恐怖に追い詰められ、現実と悪夢の狭間をさまようりりこ。それは世の中を騒然とさせる事件へと繋がっていく・・・。
(Amazonプライムあらすじより引用)
公開から10年以上経った。
当時、劇場でひとりで観て、魂が抜けたような感じになって、帰り道のことをよく覚えていない。
10年前すでに自分自身が(半ば無自覚ながら)精神を病んでいたのもあるが、笑いと叫びに脳を内側からぶん殴られてしまったのだと思う。
一番最初の台詞が観てからずっと心に残っている。
「最初に一言、笑いと叫びはよく似ている。」
自分は配偶者から、「心のエネルギーのメーターがゼロになってまでヘラヘラ笑うなよ」とよく言われる。
それをやめるのを、ああでもないこうでもない、と密かに練習している。
子供の頃からそうだったけど、理由が元々よく分からなくて。多分、叫びたいけど出来ないから笑うんだ。
そこまでして守りたいものって何だったっけ?
全部捨てたい、承認欲求と不安が邪魔して出来ない。
出来ないから笑う。
公開から2023年の今日までに、主演の彼女にはいろいろあった。不謹慎なのは承知だが、彼女が壊れていく演技の完成度の高さが腑に落ちるかもしれない。
欲望と欲望のぶつかり合い、承認欲求、執着心…
他人と生きていれば必ず直面する場面のデフォルメ。
決して綺麗じゃない世界観が綺麗で、大好きな映画。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?