SOLITUDE DARKNESS FANTASY
パトルはふと目を覚ました。冷たい風が頬をかすめ、青空が広がる。辺りは草が一面に生い茂る広大な平原だった。なぜこんな場所にいるのか、全く思い出せない。自分の体を起こしながら、パトルは周囲を見回した。
「ここは…どこだ…?」
彼はつぶやいた。確かに昨日までは、自分の部屋のベッドにいたはずだ。だが今は見知らぬ場所に立ち尽くしている。目の前には、木々のない果てしなく広がる草原が続いていた。どこにも人の気配は感じられず、ただ風の音だけが耳をつく。
「これは…夢なのか?」
そう言いかけたとき、ふいに背後から声がした。
「夢でも現実でも、どちらでも構わないだろう」
驚いて振り向くと、黒いローブをまとった男が立っていた。その顔は影に隠れてよく見えないが、鋭い眼光がこちらを見据えている。
「お前は…誰だ?」
パトルが問いかけると、男はゆっくりと歩み寄り、静かに言った。
「お前をここに導いた者だ。…もっとも、お前に選択肢などはなかったがな」
「何の話だ?一体、どういうことなんだ!」
声を荒げるパトルに、男は薄笑いを浮かべた。
「これから知ることになるさ。お前は…選ばれたのだ。この世界の闇に挑む者としてな」
そう言うと、男の姿は淡い光と共に消えていった。パトルは混乱し、立ち尽くしていたが、ふと足元に目をやると、小さな剣が落ちているのに気づいた。
「これは…」
彼は剣を手に取り、その冷たい金属の感触を確かめた。何も分からないまま、ただ一つ確かなのは、この見知らぬ地で何かが始まろうとしているということだった。
「…俺に、挑めというのか」
パトルは決意を固め、草原の向こうへと歩みを進めた。