一周忌法要が終わりました
去年の夏、親父が闘病を終えた。
前日の夜、おやすみ前にお顔拭きましょうかーって看護師さんが部屋に入ってきて、お嬢さんやってみます?って言われるので、ああ、じゃあ…といって熱いおしぼりを受け取ってふぁさふぁさ振って冷まして、その一挙一動を目で追う親父の顔にニヤリとしながらバフっとした。
少し軽めに頰に暖かさを伝えて、おでこや頬を押さえるように拭いていたら、向かいに座ってた兄が突然笑う。
お父さん、何笑ってんの?
局所しか見てない自分は、親父が笑ってるなんて気がつかなかった。
なに?
と聞けば、おしぼりをよこせ、と言うジェスチャー。
何?自分でやりたいの?
とおしぼりを渡せば、
笑っちゃうくらい強めに自分の顔をゴシゴシし始めた。
看護師さんも兄も自分も大爆笑。
拭き方が優しすぎたのね。ゴシゴシ拭きたかったのね。はいはい(笑)
もう言葉は出なくなっていた親父だけど、左手はもうあんまりうまく使えなくなっていたけど、右手でおしぼりを掴んで、自分の頰をゴシゴシ拭いた。
バイタルが落ち着いてたから、眠りに落ちるのを確認して、看護師さんに一回帰っても大丈夫そうですかね?と確認とって、病室を後にした。
翌朝6時前に携帯が鳴り、どうやって駆けつけたかも記憶なく、朝10時、眠るように親父は亡き母に会いに出かけた。
そんな親父の一周忌が昨日終わりました。
1年間の記憶があまりありません。
油断するとまだ涙は出るし、実家の整理も全く捗らないし、両親揃って夢にさえ出てきやしないし、世の中の人たちはどうやって両親の不在を乗り越えていくんだろう、って毎日まだ思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?