ストレスで炭水化物に手が伸びるあなたへ:ナチュロパシー的デトックスハーブブレンドのご提案
ストレスが過剰になると、つい炭水化物に手が伸びてしまう――そんな悩みを抱えている方に向けて、今回はナチュロパシーの視点から、自分なりのデトックスハーブブレンドをご紹介します。これは私のインスタグラムをフォローしてくださっているFさんからの、DMリクエストをもとにした内容です。
ウェスタンハーバルメディスン(西洋薬草療法)とは?
ハーバルメディスンでは、個々の体質や健康状態を詳しく診断し、その上で最適なハーブブレンドを作ります。処方薬とは異なり、一つの植物であってもさまざまな作用を持つため、どの作用を引き出すかを考えるには、ハーブ同士の相性や個人の体質との関連を慎重に検討する必要があります。そのため、背後にある情報を十分に理解した上で、ブレンドを決定することが重要です。
デトックスに役立つハーブ
先に書いた通り、ハーブは種々の天然物の混合でひとつの植物がたくさんの効能を持つという性質上、特定の状態特化した作用を持つハーブというのは限られています。ただ、「Alteratives(代謝改善作用)」と「Depuratives(浄化作用)」というカテゴリーのハーブがあり、体内の毒素を排出を促す作用があるので、全体的な健康をサポートするのに役立ちます。ハーバリストは、このふたつのカテゴリーの中から適したハーブを選び、そこに肝臓や腎臓の機能をサポートするハーブなどと合わせて使うことで、相乗効果でディトックスに焦点を当てたブレンドを作り上げます。
ただし、これらのハーブの中には強めの作用を持つものもあり、初めてで不安という方は、ハーブショップでスタッフさんに選んでもらうのがいちばんいいと思います。お店で販売されているデトックス用のプレミックスハーブティーも、穏やかにデトックスを促進するように設計されており、初心者でも安心して使用できるはずです。
Fさんのためのナチュロパシートリートメントプラン
1. プレデトックスミックス(最初の1週間で心身ともにディトックスの準備をする)
デトックスの前に、まずは体を準備することが大切です。この段階では、ストレスからくる神経疲労を鎮めて睡眠の質を高め免疫系全体を整えてくれるウィサニア Withania somniferaをコアに据え、神経と消化器に良いカモミール Chamomilla recutitaやマイルドにリンパ系に働きかけてくれるネトル Ultica dioita foliaなどのマイルドなサテライトハーブを組み合わせます。
さらに、ジンジャーかシナモンを少量加え、血液循環を高めハーブのめぐりをよくします。Fさんの場合はインスリン感受性を高めてくれるシナモンの方が向いているかもですね。
ハーブを飲みながら、睡眠と血糖値を安定させる食事を徹底し、必要に応じてサプリメントを追加します。
2. デトックスミックス(2~3週間で体内の毒素を排出する)
デトックスのメイン期間では、コアハーブはダンデライオンTaraxacum officinalisをルート radixとリーフ foliaの1:1の割合で使用します。
ダンデライオンはディトックス初心者に最適ですし、ルートは腸に、リーフは腎臓にマイルドに働きかけてくれます。
そこにAlterativeのハーブをひとつかふたつ追加しますが、この段階でのFさんの状態を見て最終的なブレンドは決定します。
クルクミンC3のカプセルやミルクシスルの錠剤を追加の可能性もありですが、身体の反応を見ながら無理なく進め、必要に応じてブレンドの中身は変更します。毎週体調をモニターし、ブレンドを調整していきます。
食事とライフスタイルも、もちろんFさんの身体にあったディトックスに適した内容で続行します。
3. リトックスミックス(最後の1週間でディトックス後の身体をサポートする)
最後の仕上げとして、デトックスで働きかけた部分を補強し、身体全体の流れを良くするためのハーブを選びます。この段階では、再びウィサニアをコアに戻してもいいでしょう。
Fさんにはウィサニアと相性良さそうな印象を感じています。
全ての期間にフラワーエッセンスを利用するのも良さそうです。
私はハーブに混ぜて使います。
ディトックスが完全に終わったら、軽くなった身体と新しい気持ちで素敵な毎日を送れますように!
自分のアプローチ
今回はFさんのコンサルティングをしたわけではないので、いただいた情報からイメージして、安全に使えるハーブをメインに選んでいます。
ハーバリストの方なら、あのハーブは入れないの?とか思われるところもあったかもしれないですが、ナチュロパシーはあくまでも個人に対する完全カスタマイズトリートメントが前提なので、万人向けにいいという提案はしませんでした。
自分は強く濃縮されたハーブをずっと使ってきた人間で、ハーブの出し方はかなり慎重な方だと思います。First, Do No Halm は厳守と自分に言い聞かせています。
しっかりコンサルティングしてなお、ハーブの作用が狙えるラインまで攻めるには技術が必要で、万人には当てはまるブレンドはそうそうないです。それぐらい私たちの身体はひとりひとりみんな違うし、ユニークなんだなあとよく思います。誰かに作ったハーブの処方は世界に一つだけです。その人だけの特別なポーションですが、難しいけれど同時に思い入れは持たないようにしています。
過去のクライアントさんの中にはハーブが使えない人もたくさんいました。そんなときは食事とヨガだけとか、あるいはホメオパシーと栄養療法でディトックスを進めていました。いろんな療法を折衷して使う、ナチュロパシーならではの組み合わせだと思います。
Fさんと、読んでくださった方の参考になりましたら幸いです。