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抗炎症ダイエットで心と身体を健やかに:8つの実践ポイント

炎症は、体が外部の刺激や損傷に反応して行う自然な防御反応です。しかし、この状態が長期間続くと、心疾患や糖尿病、関節炎など、さまざまな慢性疾患の原因となることがわかっています。ナチュロパシーでは、日々の食生活に少し工夫を加えることで、慢性的な炎症を和らげるサポートを行います。ここでは、抗炎症ダイエットの8つの基本ポイントをまとめてみました。

1. 野菜と果物の摂取を増やす

緑色野菜やカラフルな果物には、抗酸化物質やビタミンC、カロテノイドが豊富に含まれています。これらの成分は、体内での炎症を和らげるのに役立つとされています。研究によると、野菜や果物の摂取量が多いほど、炎症の指標であるC反応性タンパク質(CRP)が低いことが示唆されています【1】。

野菜と果物の栄養を最大限に引き出す簡単調理法

野菜や果物の栄養素は、調理法や温度管理によって大きく変わります。特別な調理器具がなくても、栄養を損なわずに摂取する方法はありますし、手間をかけなくても栄養素はちゃんと取れます。逆に180度のオーブンで丁寧にローストした野菜も、栄養は凝縮されますので、お好きなやり方で野菜をたくさん取り入れましょう!

  • 蒸す: ビタミンやミネラルを逃がさないようにするには、野菜を軽く蒸すのが効果的です。ブロッコリーやほうれん草を蒸し、オリーブオイルとレモン汁をかけてお召し上がりください【7】。

  • さっと茹でる: 野菜をさっと茹でることで、シャキシャキとした食感を楽しめます。茹でたニンジンやキャベツにオリーブオイルとレモン汁をかけるだけで、簡単で栄養豊富なサラダができます【8】。

  • 軽いソテー: 低温で短時間のソテーは、野菜の旨味を引き出しつつ、栄養をしっかりと保ちます。オリーブオイルでサッとソテーしたズッキーニやパプリカは、簡単で美味しい一品になります【9】。

  • サラダとして生で食べる: 新鮮な野菜や果物をサラダにして、そのままの栄養を楽しむのも良い方法です。カラフルな野菜を組み合わせ、シンプルなドレッシングでいただきましょう【9】。


2. オメガ3脂肪酸を含む食品を取り入れる

サーモンやマグロなどの魚類や、チアシードやフラックスシードには、オメガ3脂肪酸が豊富に含まれています。オメガ3脂肪酸は、炎症を和らげる効果が期待されており、多くの研究でその有効性が報告されています。特に、EPAやDHAが炎症性サイトカインを低減するのに寄与しているとされています【2】。

オメガ3脂肪酸の栄養を損なわないために

オメガ3脂肪酸は、加熱すると壊れやすい栄養素です。できるだけ冷たい状態で摂取するのが理想的です。特に亜麻仁オイルは冷蔵保存が必要で、その独特な風味が気になる方でも楽しめるように、美味しいドレッシングを作ってもいいし、ヨーグルトやスムージーに混ぜてもいいと思います。

3. 全粒穀物を選ぶ

全粒小麦や玄米、キヌアなどの全粒穀物には、食物繊維が豊富に含まれており、血糖値を安定させることで炎症を抑える効果が期待されます。研究によると、全粒穀物を多く摂取する人は、CRP値が低くなる傾向があることが示されています【3】。


グルテン不耐症の方におすすめの穀物

全粒穀物は栄養豊富ですが、グルテン不耐症の方にとっては注意が必要です。以下の症状が見られる場合は、グルテンフリーの全粒穀物を選んでみましょう。また、場合によっては医師など専門家の意見も聞くようになさってください。

グルテン不耐症の主な症状:

  1. 腹痛や下痢

  2. 慢性的な疲労感

  3. 頭痛や偏頭痛

  4. 皮膚のかゆみや発疹

  5. 関節や筋肉の痛み

グルテンフリーの全粒穀物の例としては、以下のものがあります。

  • キヌア

  • アマランサス

  • アワ

  • ヒエ

  • キビ

これらの穀物は、グルテン不耐症の方でも摂取できる、栄養豊富な選択肢です【6】。個人のアレルギーの有る無しなども考えながら選ぶといいですね。


4. 健康的な脂肪を摂取する

トランス脂肪酸は、炎症を引き起こし、健康に悪影響を与える可能性があります。これに対し、オリーブオイルやアボカド、一価不飽和脂肪酸を含むナッツ類は、炎症を和らげる効果が期待されています。特に、地中海式ダイエットにおけるオリーブオイルの使用は、炎症の低減に寄与しているとされています【4】。

トランス脂肪酸を避けるには、原料表記をチェックすることと、出どころ不明の曖昧表記オイルは問答無用で排除するのが確実かなと思います。

5. 砂糖や加工食品を避ける

加工食品や精製された砂糖には、ブドウ糖果糖液糖が含まれていることが多く、これは体内で炎症を引き起こすリスクが高いとされています。特に、清涼飲料水にはこの成分が多く含まれ、血糖値の急上昇やインスリン抵抗性を引き起こす可能性があるため、できるだけ控えることが推奨されます【9】。

糖分の質を変えるとメンタルも肌も人生も変わります。

6. ハーブ&スパイスの活用

ターメリック、ジンジャー、ガーリックなどのハーブやスパイスには、抗炎症作用だけでなく、強力な抗酸化作用もあります。これにより、体内のフリーラジカルを減少させ、細胞の健康を守る手助けをします。例えば、ターメリックに含まれるクルクミンは、CRPなどの炎症マーカーを低下させる効果が期待されています【10】。

ハーブやスパイスは、料理に少し加えるだけで、健康的なメリットをプラスできます。また、フレッシュハーブウォーターは、暑い日でも体をリフレッシュしながら、炎症を和らげるサポートをしてくれます。


7. 緑茶やハーブティーの摂取

緑茶やカモミールティーは、抗酸化物質を多く含み、炎症を抑える効果が期待されます。研究によると、緑茶に含まれるカテキンがCRPを含む炎症マーカーを有意に低下させることが示されています【6】。

8. 適度なカロリー摂取

過剰なカロリー摂取は、肥満を引き起こし、それに伴って炎症が悪化する可能性があります。バランスの取れた食事を心がけ、適度なカロリー摂取を維持することが重要です。

夜間の空腹時間と若返りの可能性

消化器官は、夜間の空腹時間に休息を取り、体の修復に集中します。この空腹時間を長めに取ることは、消化器官の休養だけでなく、体が自然に若返りを促す手助けになる可能性があります。特に、14時間以上の空腹時間(インターミッテントファスティング)は、細胞の修復や再生を促し、体の若々しさを保つのに役立つと言われています【12】。

まとめ

抗炎症ダイエットは、あなたの心と体の健康を守り、ウェルビーイングを支える力強い味方になると思います。少しずつでも日常に取り入れて、毎日を軽やかに、体が喜ぶ変化を感じてみて。

無理なく続けられる工夫を考えて取り入れて、ナチュロパシーで炎症に対処する力を養いましょう。


あとがき

8つもあるのかと感じる方も、それしかないのと思われる方もおられるとは思うのですが、まずはハードルを低く、できることから一歩ずつ進める内容にしてみました。

腸内細菌叢を健やかにすることも、トピックに入れようかなと考えたのですが、まず炎症メーカーを体内に侵入させないことを優先に考えています。

どなたかのご参考になれば嬉しく思いますし、ご意見ご感想、評価いただけましたら幸いです。

このアカウントでは、どなたにも日々役立てていただける食と健康に関する情報を提供していますが、医療専門家のアドバイスに代わるものではないことをご確認ください。効果や結果は個人差があるため、特定の健康問題については医師や専門家にご相談ください。情報は最新を心がけていますが、変更される場合もありますので、自己責任でご利用ください。

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参考文献

  1. Esmaillzadeh A, Kimiagar M, Mehrabi Y, et al. "Fruit and vegetable intakes, C-reactive protein, and the metabolic syndrome." Am J Clin Nutr. 2006;84(6):1489-1497.

  2. Calder PC. "Omega-3 polyunsaturated fatty acids and inflammatory processes: nutrition or pharmacology?" Br J Clin Pharmacol. 2013;75(3):645-662.

  3. Jensen MK, Chiuve SE, Rimm EB, et al. "Whole grains, bran, and germ in relation to homocysteine and markers of glycemic control, lipids, and inflammation." Am J Clin Nutr. 2006;83(2):275-283.

  4. Estruch R, Ros E, Salas-Salvadó J, et al. "Primary prevention of cardiovascular disease with a Mediterranean diet." N Engl J Med. 2013;368(14):1279-1290.

  5. Thielecke F, Boschmann M. "The potential role of green tea catechins in the prevention of the metabolic syndrome – a review." Phytochemistry. 2009;70(1):11-24.

  6. Miglio, C., Chiavaro, E., Visconti, A., Fogliano, V., & Pellegrini, N. (2008). Effects of different cooking methods on nutritional and physicochemical characteristics of selected vegetables. Journal of Agricultural and Food Chemistry, 56(1), 139-147.

  7. Mozaffarian D, Pischon T, Hankinson SE, et al. "Dietary intake of trans fatty acids and systemic inflammation in women." Am J Clin Nutr. 2004;79(4):606-612.

  8. Salmerón J, Hu FB, Manson JE, et al. "Dietary fat intake and risk of type 2 diabetes in women." Am J Clin Nutr. 2001;73(6):1019-1026.

  9. Jurenka JS. "Anti-inflammatory properties of curcumin, a major constituent of Curcuma longa: a review of preclinical and clinical research." Altern Med Rev. 2009;14(2):141-153.

  10. Thielecke F, Boschmann M. "The potential role of green tea catechins in the prevention of the metabolic syndrome – a review." Phytochemistry. 2009;70(1):11-24.

  11. Calder PC. "Omega-3 polyunsaturated fatty acids and inflammatory processes: nutrition or pharmacology?" Br J Clin Pharmacol. 2013;75(3):645-662.

  12. Mattson MP, Allison DB, Fontana L, et al. "Meal frequency and timing in health and disease." Proceedings of the National Academy of Sciences, 2014;111(47):16647-16653.


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