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I❤️COFFEE 人類が産んだ最強の飲み物、コーヒーのポテンシャルを味わおう!


オーストラリアで自然療法のクリニックを開業していたころ、相談に来る人に「毎日のコーヒーを減らすか、止める」よう提案することが多々ありました。オーストラリアでは、コーヒーは単なる飲み物ではなく、社交の中心です。カフェでコーヒーを片手に友達や家族と「キャッチアップ」(おしゃべり)を楽しむのが日常。週末はお気に入りのカフェで、その週の出来事を家族や友達とシェアする習慣を、みんな大切にしているんです。

そんなカフェカルチャーがあるなか、「コーヒーをやめてみましょう」と提案しようものなら、こちらは完全に悪玉です。
「それだけはやめて!」「コーヒーだけは取り上げないでくれ〜!」
という反応を、「ちゃんとステップを踏んで、コーヒーに頼らず頭がスッキリできるようにしてゆきましょう!できる、あなたなら!」と励ますわけです。

実はコーヒーは上手に楽しめば、地球上最強(のうちのひとつ)のメディカルハーブを味方につけることができます!
ストレスを軽減する力もあって、素晴らしい飲み物でもあります。

この記事では、そんなコーヒーを「健康的に楽しむ方法」についてお話しします。基本、コーヒーは飲みたい時は飲むもので、健康のために頑張る何かではありません。健康のために頑張るって、なんとも味気ないではないですか。
今回は罪悪感なく最後の一滴まで楽しむことが、なによりなんだけれども、こんなことも知っておいたら損はないよという、トピックをまとめています。

この記事が参考になりましたら、いいね!で知らせていただけたら嬉しいです。ではどうぞ!



ハーバルメディスンとしてのコーヒー:美味しさ以上のポテンシャル

薬草というものは毒にも薬にもなるので、要は使いよう。
これまでコーヒーはめちゃくちゃ研究されていて、結果は混迷を極めるのですが、飲む量とタイミング次第で、自分にとってプラスに寄せていくことができます。

参考文献サイト:Coffee consumption and health: umbrella review of meta-analyses of multiple health outcomes BMJ 2017; 359 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.j5024 (Published 22 November 2017)

コーヒーは、現在まで世界中でめちゃくちゃ研究されていて、リサーチするとものすごい量の文献が出てきます。読んでいるとなかなか面白くて、私も初めて知ったのですが、コーヒー1杯に多様な化合物が1000種類ぐらい含まれているんだそうですよ。

現在まで確認されている健康にプラスな作用

1日のカフェイン摂取上限は3、4杯までとしたばあい、このような作用が期待できるかもしれません。

  • アルツハイマー病リスクの軽減

  • パーキンソン病リスクの低下

  • 肝疾患の予防と肝臓がんリスクの軽減

  • 2型糖尿病の発症リスク低下

  • 心臓病と脳卒中リスクの減少

  • 炎症を抑える抗炎症作用

  • 特定のがん予防(大腸がん、子宮内膜がんなど)

  • 腸内環境の改善と善玉菌の増加

  • 抑うつ症状の軽減

  • 抗酸化作用による老化防止効果

【注意】上記のプラス作用に関わらず、妊娠中と骨折リスクの高い方はカフェイン摂取は控えるのがベストです。


カフェイン飲料の含有量比較

参考文献サイト:https://www.cspinet.org/caffeine-chart

カフェインが効くしくみ:エネルギーの前借り

私たちの身体には、疲労のサインを送る役目を持つ、「アデノシン」という物質があります。ところがカフェインは、アデノシンが身体に「疲れた」と教えるスイッチを邪魔するんです。アデノシンがスイッチを押せなくなると、疲れた感じは消えるので、目が覚めて元気が出たような気がします。
でも、体内のアデノシンはたまり続けるので、カフェインの効果が切れると、一気に疲れを感じることがあります。
つまり、コーヒーで元気になるのは一時的なもの。
だから、ストレスが多い人や、すでに心身ともに疲労が溜まっている人には、ノンカフェインドリンクを勧めるわけなんです。


目的別おすすめの飲み方

1. 体内時計を整えたい場合、どうしたらいいのか?

たとえば夜勤のある仕事は、通常のサーカディアンリズムを逆転させる必要があるので工夫が必要です。夜間運転をする場合は眠気との闘いが大きな課題ですよね。コーヒーのカフェイン効果は摂取後15〜30分で現れ、約4〜6時間持続します。
この作用を利用した覚醒の維持に効果的な二つの方法をご紹介します。

  • 「カフェインナップ効果」: 運転中などで眠気を感じたら、200ml程度のブラックコーヒーを飲んだ後に15〜20分の短い仮眠を取ります。これにより、カフェインが作用し始めるタイミングでスッキリ目覚められる「カフェインナップ効果」が得られます。

  • 分散摂取: 一度に大量のコーヒーを摂取するよりも、100mlずつ2〜3時間おきに飲んだほうが、安定した覚醒効果を得られます。

仕事時間以外にカフェインを取ると、夜間の効果が薄れるので注意。シフト終わりから家に到着する時間も考慮して、逆算して最後にカフェインを飲む時間を割り出し、それ以後は控えること。


2. リラックス状態を保ちながら集中力を高めるには?

  • 「カフェイン・ナッジング」: 集中力を高めたいときは、カフェインを小分けにして摂取する「カフェイン・ナッジング」がおすすめ。例えば、午前中はタスクごとに10分休憩を入れ、100〜150mlのコーヒーを2、3回に分けて飲むことで、急激なカフェイン効果の高まりを抑えつつ安定した集中力を保てます。

  • ミルクの代わりにMCTオイル: コーヒーにMCTオイルを加えると、リラックスしながらもエネルギーが持続します。ナチュラル派はバターやココナツオイルもあり。


3. コーヒーでお腹の調子を整えることはできるの?

答え:できます。
ただし過剰摂取でこの効果は消えるので量が重要。
コーヒーにはプレバイオティクスのように働く成分(ポリフェノールやクロロゲン酸といった抗酸化成分)が含まれており、腸内の善玉菌(特にビフィズス菌)の増加を助け便通を促す働きもあることが研究で示されています。

食後のコーヒー:コーヒーに含まれるタンニンが、鉄や亜鉛などのミネラルと吸収前に結合してしまい、身体が受け取れなくなります。食後のコーヒーは少し時間を空けてから飲むこと。

ペーパーフィルター:コーヒーにはカフェストールやカウェオールという化合物がコーヒーオイルの中に含まれており、これらは悪玉コレステロール(LDL)を増加させる可能性があります。ペーパーフィルターを使用するとこれらの化合物も軽減できます。ただし、コーヒーオイルは、私たちが大好きなコーヒーの香りのもとなので、ペーパーフィルターを使うと風味も減少はします。

低酸性コーヒー(low-acid coffee):酸味を抑えた焙煎プロセスや特定の豆を使用した製品です。胃腸に優しく、逆流性食道炎や胃の不快感を持つ人に向いています。通常、飲む時のコーヒーは弱アルカリ性ですが、代謝過程で酸性代謝産物を生成するため、血液は酸性化します。
コーヒーの飲み過ぎは血液がドロドロになるので注意。


4. ストレスや自律神経失調のある人は、結局コーヒーを飲まないほうがいいの?

その通りです!なるべくノンカフェインドリンクに移行するのを、私ならお勧めします。ただ、香りでリラックスできるというのもあるので、コーヒーを深く楽しみ、嬉しく感謝しつつ味わうとリラックス効果は倍増しますよね。どうせ飲むのなら罪悪感は捨てて、120%味わうのが吉。後悔なんかやめましょう。
まずはノンカフェインドリンクにもトライして、相対的に量を下げつつゼロヘ移行するのが現実的だと思います。


カフェインの動きと個人差

カフェインに身体がどう反応するのかは、人によって少しずつ違います。
そのひとつにカフェインの分解速度があり、生まれつきの身体のしくみや遺伝、普段の生活の仕方、年齢や状態でも変わります。

分解が早い人:カフェインがすぐに体から出ていくので、夜にコーヒーを飲んでも眠れなくなることが少ないです。

分解が遅い人:カフェインが体に長く残ります。たとえば、朝にコーヒーを飲んだだけでも、夜までその影響を受けることがあります。

妊娠中: カフェイン量を1日200mg以下に制限する。ハーブティーやデカフェコーヒーに切り替えるのも良い選択肢です。自分のクライアントさんには完全にオフにしてもらっていました。

骨の健康が心配な人: ミネラルとビタミンDをしっかり摂取し、1日2杯を超えないように注意するといいです。


ハーバルコーヒーブレンドのレシピ

材料(約5~6杯分のブレンド)

  • ローストした、たんぽぽの根:大さじ2

  • ローストしたチコリの根:大さじ2

  • キャロブパウダー(いなご豆の粉):小さじ2

  • シナモンパウダー:小さじ1/2(お好みで調整)

  • バニラビーンズパウダー:ひとつまみ(お好みで)


作り方

  1. 材料の準備

    • ローストダンディライオンとチコリ、カカオニブをミルで好みの挽き肩で挽いておく。

    • キャロブパウダー、シナモンパウダー、バニラビーンズパウダーを混ぜておく

  2. ブレンドを作る

    • 挽いたダンディライオン、チコリ、カカオニブをボウルに入れ、キャロブパウダーやシナモンパウダーを加え、空気を含ませるようにふんわり混ぜる

  3. 抽出する

    • コーヒーフィルターを使う場合:大さじ1.5~2杯程度のブレンドをフィルターに入れ、200mlのお湯を注ぐ

    • ティーポットを使う場合:ブレンド大さじ2をティーポットに入れ、熱湯300mlを注ぎ、5分ほど蒸らしてから濾す

  4. 保存方法:密閉容器の冷暗所で保存。1~2週間で使い切る。


ノンカフェインのハーバルチャイのレシピ

材料(2人分)

  • 乾燥生姜スライス:小さじ1

  • シナモンスティック:1本

  • カルダモンポッド(ホール):3粒(軽くつぶす)

  • クローブ(ホール):2~3粒

  • スターアニス(八角):1個

  • フェンネルシード:小さじ1

  • レモングラス(乾燥またはフレッシュ):小さじ2

  • カモミール(乾燥):小さじ1(お好みで調整)

  • :400ml

  • お好みのミルク:100ml

  • 蜂蜜またはメープルシロップ:お好みで適量


作り方

  1. スパイスを煮出す
    鍋に水、乾燥生姜、シナモンスティック、カルダモン、クローブ、スターアニス、フェンネルシードを入れて火にかけ、弱火で10分ほどじっくり煮出して、香りを引き出す。

  2. ハーブを追加
    いったん火を止め、レモングラスとカモミールを加えます。フタをして5分間蒸らす。

  3. ミルクを加える
    茶こしでスパイスとハーブを濾して液体だけ鍋に戻し、ミルクを加えて温める。


このnoteでは、どなたにも日々役立てていただける食と健康に関する情報を提供していますが、医療専門家のアドバイスに代わるものではないことをご確認ください。効果や結果は個人差があるため、特定の健康問題については医師や専門家にご相談ください。情報は最新を心がけていますが、変更される場合もありますので、自己責任でご利用ください。

また、私のブログ記事を参考にしていただく際は、ぜひ出典を明記していただき、内容はそのまま正確にご使用ください。転載や複製をご希望の場合はご一報ください。どうぞよろしくお願いします。

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