幸福の黄色いハンカチ
幾寅駅から「かなやま湖」を経由して夕張市の「幸福の黄色いハンカチ想い出ひろば」へ向かいます。かなやま湖周辺は桜の名所なんだと、幌舞駅の婦人会長さんが教えてくださいました。桜の季節は過ぎていますが、晴れていればかなやまダム展望台からの眺望も楽しめたのでしょう。残念ながら霧雨が立ち込めて視界不良でした。さて、かなやまダム展望台から約100km、南富良野町から夕張市に向かいます。途中、8年振りに占冠村を通過しました。8年前に立ち寄った道の駅を再び訪れても良かったんですが、天気のこともあり先を急いでしまいました。
「幸福の黄色いハンカチ想い出ひろば」に到着した時は雨脚は一層強くなり土砂降りでした。映画「幸福の黄色いハンカチ」のロケ地で感動的なクライマックスシーンが演じられ撮影された場所です。今も当時使用された炭坑長屋のセットや古民家(旧浜松理容店)、そしてモニュメントとしてワイヤーに括り付けられた黄色いハンカチが残されています。
駐車場から下りて左手に見える建物が「古民家(浜松理容店)」で、現在は「HAMAMATSU CAFE」として入場券の販売所を兼ねています。土砂降りの中、とりあえずここで一息つきます。係のおじさんに熱いコーヒー(200円)を淹れてもらい、おじさんの話に耳を傾けます。
人口が最も多かった1961年頃には11万人がいた夕張市ですが、この映画が公開された頃には既に約5万人に減り、今では約8千人しかいないのだとか。どうしたらそこまで減るのだろうと思ったが、繁栄を支えてきた炭田が縮小し、その後閉鎖してしまっては致し方ないのでしょう。現在は夕張メロンが有名ですが、メロン栽培農家も高齢化が顕著でピーク時からは半減しているということです。ふるさと納税などを活用して地域に活気が戻ると良いですね。
撮影スタッフが黄色いハンカチを揺らす風が吹くのを待ったように、自分は小雨になるのを期待していましたが、コーヒーを飲み終えたところで入場料500円(シニア料金です)を支払い、いよいよ炭坑長屋に向かいます。折りたたみの小さな傘しか持ち合わせていなかったんですが、HAMAMATSU CAFEで大きめのビニール傘を借りることが出来ました。どこでの行いが悪かったのか、とにかく土砂降りです。
実は前日、花畑牧場を訪ねた後、帯広市の幸福駅にも立ち寄っていました。駅舎の中に隙間なく張り詰められたピンクのメッセージカードに圧倒されたのですが、ここでは黄色いメッセージカードが部屋いっぱいに貼られています。それぞれ色んな願いが込められているのでしょうね、自分は書きませんでしたけど。
その奥に「あったあった赤いファミリア」。覚えていますよ、カウボーイハットを被った武田鉄矢が桃井かおりを横に乗せて、高倉健は後ろの座席から二人の間に顔を覗かせて、そんなシーンを思い出しました。残念なのがナンバープレートを始め落書きが目立ち、フェンダーミラーに至っては左側が折れてしまっていました。いずれマツダによってレストアされることを願っております(これを黄色いメッセージカードに書くべきだったかな)。
一番奥には炭坑長屋の島家でしょうか、茶の間のセットが復元され、山田洋二監督のインタビュー映像が流れていました。黄色いハンカチが風になびくこの地に、いつかは行きたいと思っていましたがようやく来ることが出来満足しました。土砂降りの雨は残念でしたがそれはそれで想い出になります。
北海道という広大なエリアを自らが運転する車で移動していると、昼食を摂れる場所・タイミングが一致せず、三日目のこの日は夕張市のセブンイレブンでサンドイッチと熱い缶コーヒーで済ませました。空港に到着して有珠山に向かった初日もこんな感じでした。お昼こそ地域の産物を頂けると良いのですが…。その代わり晩餐はそれなりに楽しみましたがそのレポートはいずれまた。
旅行日:2022年6月11日
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