0107 聞きたい声を聞く日
大丈夫。
できてる。
誰か私にそう言ってくれないものか。
仕事が怖くてたまらなくなることがある。このままでいいのか、ほかの人はもっとやっているのに、私はさぼってるんじゃないか、もっとうまく立ち回っていかなきゃダメなんじゃないかとぐるぐる始まる。
部下や同僚から評価されるという仕組みが会社にある。
結構心に突き刺さる。凹む。
褒められたり悪口書かれたり。悪口の方が信じられるから、たまらない。
欲しいのは、誰の視界に入らない程度に普通で、誰の仕事の進行の邪魔もせず、淡々と生きているだけの、「大丈夫、できてる」という言葉だ。
それだけで許された気持ちになれるし、人間を頑張れる。
なのに、この年になると、いや、若いころからもう、誰もそんなことは言ってくれない。
何なら、生まれた時から言ってもらえないのだから、聞きたくて渇いている。
死ぬときくらいは、誰か枕元で言ってくれないものかな。
なんて、きっとない。
誰もいないなぁと思いながら死ぬ気がしている。
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