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0455 「絵姿」を描くだけの人たちを増やすということ

わが社は、横暴社長の大号令により「企画部門」の人員を大幅に増やしている。
だが、人口減の今、わが社のブラックさを口コミで聞くのか、ただでさえ少ない若者が、応募もしてくれない状態にある。
となると、外部への発注か、社内で寄せ集めるしかない。

ということで、現場から人間を引き上げ始めている。
(もちろん外部への発注もがつがつやっている。いいようにされているようで、目も当てられない)

さて、集められた企画部門の人々が、きれいなパワーポイント資料を作ったとして、ロードマップとやらと書いたとして、白々しいスローガンを作ったところで、実行部隊がいないのである。
少ない人数で現場を回し、仕事は増やされるのに、また今度人が減るようだ。
頭のいい人たちが考えたことを、実行するのは誰であろうか。

吉村昭の高熱隧道をそっと貸してあげたい。

お前たち、人夫の苦痛も考えろ。おれたちがいくら技術的な方針を立てても、彼らが作業をしてくれなければ、工事は進まないんだ

高熱隧道 吉村昭

なんかこういう状況を日本軍でも見たことがあるなー。
皆、失敗の本質を読むがいいさ。

でも日本人だから、無理なんだよね、と遠い目をしながら今日も私は現場で汗をかく。
隙間時間を作らないタイプで、止まっていることがないので、部下が積極的なサボタージュを展開してくる。
「明日で大丈夫ですから」
「そこで電話して、仕事を掘り起こさなくていいですから」
でも見えるんだ…将来禍根を残すことになる絵面が…!

兵隊は汗水たらしてなんぼ。
人員減をされても、やれることをやるしかないさ。

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