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0521 批評家さんたちへの言葉

昨日の記事の題名を見た後、何となく2023年のHONを見直していて、ぴったりの言葉を見つけたのだった。

開高健の本で、題名のメモがないから、読書記録を漁るしかないのだが、

ジャングルにひびく兵士の叫びは、一万マイル彼方の岸にとどくことがない。死体を見ない生者の無邪気な理想の声は、たけだけしく空にこだまする

開高健

句読点の位置もここじゃない気がする。
ただ、なんかぴったりだし、わざわざ書き写した当時、蛍光ペンでなぞっているから、相当心に残ったのだろう。そして今、もう一度目についたのだ。

これを読むと、火野葦平の「密林と兵隊」を思い出す。
生き残った者の本より、戦死したものの本を読みたいと思っているのだけれど、火野葦平はそれを書いてくれた気がする作家だ。

ミッドウェーの本も、本屋で見かけて手に取ったが、その厚みは戦死者の名を記述するのに項数が咲かれているということを知って、鳥肌が立った。戦争は命と物をどん欲に消費する。それでもなお、戦争が終わらないのは、人間が生きるために生み出した国家という仕組み、群れるという性質のせいなのだろうか。

おっと話がそれた。
まぁ、こんなことをまた書いているのも、相方氏からまた某飛行機事故を語られそうになって、お断りした結果なのだけれども。
人が聞きたくないというのに、話をしたい自分の気持ちを優先する、子どもなのか、グレーゾーンだからなのか、個性なのか。
今度話しだしたら、開高健の言葉を言ってみようかしら。

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