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キャンピングカーに乗って~旅は合宿 世は情け~
季節はもう春なのに、二か月前のキャンプ合宿の記録をしていく。
東北の冬は寒い。
キャンプ場は沢山の木々で囲まれたプライベート空間。
広く閑散としていて、時々ちゅんちゅんと鳥の鳴く音がする。
さて、今回は人生初のキャンピングカーをレンタルし、テントやタープを張らずに楽してキャンプしよう!大作戦。
荷物は最小限。カトラリー等の細々したものもセットでついてきたので、本当に身軽。
キャンピングカーのあらゆる機能を把握するのに、その都度調べたり、試行錯誤していたので、当たり前だけど時間が取られてしまった。
けれどテントやタープを張らずだったので、すぐにBBQに取り掛かることが出来、
テントを張るはずだったスペースでマラソンもすることが出来た。
夜ごはんはキッチンカー内のガスコンロを使って調理。
そういえば、今回は旅のテーマはBaliというコンセプトだったので、なんとなくのエスニックサラダと、なんとなくのBaliの焼き鳥サテを作った。途中の市場で買ったメヒカリは唐揚げにして、なんとなくお刺身も食卓へ並べる。
ここで余談。いつもなのだけど、2人分なのに、なぜか合宿の時は4~5人前の材料を買ってしまう。誰かがどこかで操作して、相撲部屋のちゃんこにしようとしているのかしら。
外はとてもとても寒かった。
いつもキャンプ(=合宿と呼んでいる)の度に、今回の合宿は~!とだいぶ意気込んで臨むけれど、人は楽したい生き物であるというのは本当で、自然とあたたかい車内へ誘われてしまった。
人間なのだから、仕方ないんだ。合宿といえど、日常で疲れた心と体を癒すことが何より大切なのだから。
でも、焚火をせずにはこの合宿は終われないので、寒空の下、
暖かい毛布にくるまりながら焚火に当たっていたら、毛布が焼き焦げるという惨事……やはり、何事もなくは終われない。。
私は、緊急事態時に悲鳴は出ない。
言葉を失くすタイプ、だ。だから、対処しようとして一人で焦り、何も出来ないこともある。
この間も、ご飯を食べているパートナーがなぜか料理の乗った皿の裏面を見ようとして皿を持ち上げたら、料理の汁が零れ落ちそうになって
う、あ、あ、あ、みたいな言葉にならない声だけ出していて、指摘されて気が付いて、とても驚いた。
この調子では、もし、人生で自分の身に、大切な人の身に何か起きたときに、助けるのが遅くなってしまう。救命処置中だとしたら、一命をとりとめられないかもしれないと、深刻に考えてしまった。
朝はなんと、うっすら雪が積もっていた。
一気に幻想的な空間に。吐息が白い。
なんとなくのBali風朝ご飯。
旅は時に、試練を乗り越え訓練をする合宿のようなもので、
世の中を渡るのには、お互いが思いやりをもって助けあっていくことが大切である。
しなやかに、謙虚に、芯を持って。
おしまい。