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【ドラマ】俺の家の話

【はじめに】

現在放送中のクドカンのドラマ「不適切にもほどがある」を毎週楽しみに観ている。

2021年に放送されていた「俺の家の話」もリアルタイムで視聴していて、その時の感想を他の場所に書いていたから、今更ながら再掲。

【感想】

(2021/3/27投稿)

高校にあまり馴染めなかった時期に観ていた「タイガー&ドラゴン」。
手持ち無沙汰で、地元の友人と遊んでいてばかりいた時に、レンタルで繰り返し観ていた「木更津キャッツアイ」。
震災後、就職で東北から上京して程なくして始まった「あまちゃん」。

しんどい時には、クドカンのドラマに助けられてる。

小ネタも、感動しそうになる時に、はさみこまれるしょうもなさとのバランスも、展開の小気味良さも自分には心地よい。

ありきたりの言葉なのに、グッとくるパンチラインの説得力。
そして、これを長瀬智也が言うから圧倒的に強い。
あまちゃんで、アキがユイに向かって放ったセリフ、
「ダサいくらい何だよ、我慢しろよ!」の切れ味も凄かった。
登場人物をしっかり描き切っているからなのだろう。

リアルタイムで視聴した後、Paraviで「池袋ウエストゲートパーク」を見て、飛び飛びだったから、改めて「俺の家の話」を観た。
長瀬智也は全く変わってなかった。
役者そのものの魅力というか、素材が良すぎるし、もう見れなくなるのは只々さみしい。
いつかこのドラマのように帰ってくるのを期待したい。

父親役の西田敏行も素晴らしかった。

それと、家族が収まるべきところに収まるってのは自分の経験上もよくわかる。
それが、誰かの命がきっかけになることも。

作中で、たしか江口のりこからもあったように、介護でもなんでも、しんどい時はしんどいって言い合いたいものだ。
変に優等生ぶらずに、こうあるのが望ましい的な忖度をせずに、率直な言葉と、真剣な表情で、乗り越えていきたいな。

忙しくて、人情も無い会社の人間関係に荒んでいた時期だったのもあり、心が洗われた。
そして思い至ったのは、これは現代版の家族の距離感と、介護や相続をテーマに描いた「男はつらいよ」だったのでは無いかということ。そうなると、長瀬智也が演じていたのは寅さんなのかもしれない。

いだてんの物語の壮大さにも感嘆したが、クドカンの脚本は、今後どこまでいくのだろうか。

特に最終回。
能独特の緊張感と、生と死の狭間が相まって、何とも不思議な感覚を覚えた。シックス・センスは分かるけど、観ながらこの既視感は何だろうと考えてたけど、大林宣彦の映画なのかもしれないと思った。

自分と親。
自分と子供。
の別れのタイミングにも想いを馳せた。

この記事を書いている今日は、自分の母親の誕生日。
妻のお腹の赤ちゃんも7ヶ月になった。
早く会いたいなと思った。


【蛇足】

イクメン夫に対する、桜の反応(無理、世の中的にはいいだろうけど、自分の夫は無理、的な)は救われるというか、一周回って偏った、イクメン男子こそが正義的な見方へのカウンターとして貴重なシーンだった。

実は、その前に見た「逃げ恥」は、自分の現実とのギャップが相当あって、正直あまり刺さらなかったのもあり尚更。
皆が皆、育休を取得出来る環境にあるわけじゃないし。
それぞれの境遇や価値観で、家族として求められることは違うし、正解は1つでは無いんじゃないかなと思った。

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