【映画監督】Spike Lee /Creative Sources
ブルックリン美術館へ。
映画監督でもあり、NBAのニックス狂でも知られるスパイク・リーの展示を観てきた。
以下は、特に印象的だったものを幾つか。
1.Black History & Culture
最初に出てくるのは、ブラック・ヒストリー、ブラック・カルチャーのコーナー。
前者には今も続く闘いの歴史が、後者には先人や同胞へのリスペクトが、多くの視覚に訴えかける資料にて展示される。
2.Family
家族との関係。
自分とその周りの物語、ナラティブを自分の作品で表現していく。
こうした家族の愛情とバックグラウンドがあってのスパイク・リーなのだと気付かされる。
展示はそのまま、ブルックリンのコーナーへ続く。
3.Brooklyn
日本で生まれた自分にとっては、今でこそブルックリンは流行の先端で、インテリアに代表されるようにオシャレなイメージが先行している。
ただ歴史的には、今のように脚光が当たるようになるまでは、様々な要因があるようで、こちらについては以下の記事が分かりやすく、勉強になりました。
4.Photography
次は、写真。
こちらも魅力的なコレクションが幾つもあったのだけど、この辺りで一緒に観に行った子供達も我慢の限界(そりゃそうだ)で、ゆっくり鑑賞出来ず。
5.Cinema History
続いては、映画のコーナー。
ただ彼自身のものではなく、彼が影響を受けた作品や監督がメイン。
6.Music
いよいよ終盤。次は音楽。
7.Sports
最後はスポーツ。
ただ、そこに辿り着く前に、テーマの3、4、7が交差する部分がやや開けた空間になっていて、そこにはNew York Knicksを中心としたバスケットボール愛に溢れた展示になっている。
8.感想
展示の途中には、BlacKkKlansmanの最後に描かれるあの事件、ショッキングで暴力的なシーンもスクリーンに映し出される。
同様の演出は、デビッド・バーンのアメリカンユートピアでも挿入される。
決して虚構の世界ではなくて、現実と地続きなんだと思い知らされる。
思えば、Do The Right Thingだってそうで、公開から何年も経った今も同じ事が繰り返されている。
2019年のオスカーの授章式では、彼はBlacKkKlansmanで脚色賞を受賞し、前掲の祖母についても語っていた。
その年はプリンスをオマージュしたパープルのスーツ姿で、2020年に来たる大統領選に向けたスピーチをしていた。
それから5年が経った今年も大統領選。
残念ながら、その後のパンデミックを経てもなお、分断の震源が変わったようにしか思えない。
いつの時代もDo The Right Thing。
じゃあ何が出来るといったら、出来る事も正直限られるけど、連帯する事は出来るはず。
そんな事を考えていた際に、以下のnoteを読んで、昨年10月頃から続く無力感から少し解放されたのだ。
自分と自分達を、何層にもレイヤリングされた社会構造の中でどこにいるのか、どことなら繋がりを保てるかぐらいの想像力は働かせられる。そうでないと、余りにも粗暴な世の中になってしまう。そして、それは現在の世界(ヨコ)との繋がりだけじゃなく、未来と過去(タテ)も一緒だと思う。
最後に。
展示全体を通して、ジャンルがクロスオーバーしているけど、根っこは繋がっている感じ自分の好きなものには正直でいいし、欲張っていいよと背中を押された気がする。
多様性とエネルギー。
自然の中だけでなく、目を向ければきっと街の中にもある。
その美しさを知る。
それ自体が自分にとっての(特にニューヨークという街に感じる)魅力なんだと再確認するような展示でした。
展示は2/11(日)まで。
ちょうど今月はBLACK HISTORY MONTHです。