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【森高千里】レッツ・ゴォーゴォーツアー 名古屋初日 異人さんのファンの話

世界はあいも変わらず不穏だ。ていうか、不穏の度合いを日々増しているみたいだ。モリタカチサトだけが心の支えだ。正気を保つ理想のドラッグ。

10月28日。名古屋の初日に行ってきた。午前中は横浜で仕事して、いったん帰宅して着替えて、東京駅に出て例によって構内の寿司屋でガソリンを入れて(ここは本当においしい。この日はシシャモの刺身が抜群にうまかった)、のぞみに乗って開演予定時刻20分前にZeppNagoyaにたどり着く。機材車(ツアトレって最近はいうのかな)が無造作に停めてあって、ナンバーが55だった。ホールツアーだと駐車場の奥の方に停めてあることも多くて、近づくとイベンターのスタッフにシッシッってされることもあるので、拍子抜けするくらい歩道のすぐ横に停めてあった名古屋はホント拍子抜け(同語反復)。

ZeppNagoyaは私にとって初めての会場だ。森高千里の名古屋のライブは愛知県芸術劇場大ホール(2480席)ばっかりで、2019年に、生まれて初めてモリタカライブを観て(控えめに言って)衝撃を受けたのも、その後何回も通ったのもぜんぶ芸術劇場。対するZeppはスタンディングだと1800人くらい入るようだけど、今回はオール椅子席で741人。こないだの札幌よりもさらにファミリアな感じ。それが良かったわけだ。

今回の「レッツ・ゴォーゴォーツアー」は横浜、札幌、名古屋、福岡、東京(お台場)、大阪なんば、の6都市で各都市2公演ずつ計12公演というライブハウスツアーだ。その街で初日と楽日を繰り返すみたいな感じで、それぞれ良さはあるけど、横浜、札幌は2日目の方がホットだったと思う。横浜はまあ隣の県だし、札幌は遅い夏休みにかこつけて行ったので両日観ることができたけれど、今回の名古屋は日帰り、滞名4時間強なので初日一本勝負だ。その初日の盛り上がりが半端じゃなかった。ちょっと緊張感をはらんでいた横浜、札幌の初日とは全然違った。

DJP(ファンクラブ)から与えられた席は15列目の上手(かみて)なので、まあこれはステージはほとんど見えない。もう一列下がると段差があって見やすそうだったんだけど、こればっかりはね。ライブハウスは平たいので、ベースボールキャップとかツンツンヘアの人が前にいるとそれだけで視認性は下がる。なんだけど、そんなこと関係ないくらいすっごい熱量のライブだったのよ。

いやもう、ひっさしぶりにライブハウスの快感を体感させてもらった。椅子席だけど最初から最期まで立ちっぱなので、椅子がある意味は実はない。荷物置き場としてはあれだけど、Zeppはコインロッカーが充実してるので、次はいっぺんオールスタンディングでやってみたらいいんじゃないかと。某ベテランバンドが年末のツアーでそれを試してるけど、はてさてオーディエンスは平均年齢何歳までベニューのフルスタに耐えられるのか。これは社会実験ではある。

名古屋が初日から熱かったのは、県民性によるところが大きいのではないかと思う。私はだれかアーティストを追いかけて首都圏以外に出かける(いわゆる追っかけ)のはモリタカが最初(でたぶん最後)なんだけど、漏れ伝え聞くところによるとそんなに楽勝な街ではないと思っていた。うちの両親の出身の街なのだけど。サンデーフォークプロモーション(イベンター)の教化施策の効果なのかなあ。河村たかし的なイケイケ感がそもそもあるのか。そこはよく分からない。

とにかく最初から何かが違った。全都市行く熱心なファンも多いので、5回目のこの日は練度が増してたのかもしれない。それは次の福岡で判明するのかも(行けないけど)。でも、それだけ(古参・アンド・ディープなファンの練度)ではないマジックが名古屋にはあったと思う。

たしかに特殊発声ファンの力もあったのだろう( なんだっけ「絶対おいしい」?)。声がよく通る2階席の女子も拾われてたよね。でもそういう特殊要因だけでなく、なんつうか、名古屋のファン全体が熱いのよ。わたしはその空気に飲まれて、なんだかもうよくわからん感じになってしまった。ライブが終わって最終の東京行きのぞみを待つ間、駅構内の山本屋で味噌煮込みうどんを食べながら、なんかポストしようと思ってたんだけど、ぼーっとしてしまってほとんど何も書けなかった。それくらいすごいライブだった。正気に戻ったのは、きょうかなあ。

きのうの2日目を受けたポストをみると、初日に輪をかけてすごかったみたいだ。坂本教授がそう言ってる。そこに臨場できなかったのはホント痛恨の極みなんだけど、そんなに全部は行けないよねえ。でも最近のTwitter見てると、だいぶしばらくの間離れていた古いファンが続々と前線復帰しているような感じ。そこに私のような全くのポッと出が加わるのだから、今後はDJPでもチケットがすごく取りにくくなる予感がある、、、アリーナとか大きい会場でではなくて、ホールやベニューで「回数を増やして」ライブを継続してほしいと思った。「この街」に出てくるような街で文化の灯をつなぐのは、森高千里をおいて他にいないと思うんだよね。

そんなこんなな名古屋初日。数列前に知った顔がいたような気がする。間違いでなければ前回の「今度はモアベターよ」ツアーの千葉・市原(とにかくチャーハン!)公演にも来ていた外人さん。たぶん間違いないんじゃないかな、違うかな。市原でも終演後、シャトルバスに乗ってひとりJR駅まで揺られていたあの人。仮に千葉にいて、今回名古屋にも、ということなら、ジャパニーズ顔負けのモリタカファンだということになる。あ、いま思うと大阪でも見かけたような。

初日は「19歳」が注目されていた。1人で来たそうで、クルマのオーディオに入ってたのを聴いてファンになったとか。森高さんは「親に連れられてきたの?」って尋ねてたけれど、その気持ちはよく分かる。私も19歳の息子と一緒に「モアベター」ツアーの熊本公演に行ったので。前から2列目上手で、カコイチ近かった。なんか鱗粉みたいなのがキラキラ待ってるような気がしたよなあ。

10代とか、異国人との人とか、がいったい、どんなきっかけでもってモリタカ沼にハマるのか。それをすごく知りたいような気がする。それはけっこう、2019年に突如ハマった自分の経験に、ニアリーイコールなのかもしれないと思ったりする。それって、森高千里が発信する音楽が、そもそも音楽としてまったき現役だっていうことの何よりの証なのだと確信しているのです。

2024/10/30

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