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2018/12/20
今日は或る任意の原稿の締め切りだったが、時間がなくて諦めることになった。草稿は草稿のまま抽斗の中にしまわれた。
路地の向こうから四人ほどの男女が歩いてきて、その後を一人のお婆さんが早足で歩いていた。道の右側には地面に置かれたライトを兼ねた看板のみの小さな居酒屋と、何か由緒の書かれた立て札が門の傍らにある邸宅があった。左側には工事中の駐車場や新しいデザイナーズマンションがあった。奥にある運営されているほうの駐車場はこの辺りにしては安い値段だった。
後ろから歩いてくる男の影が足元に伸びてきているが、追い越される気配はない。道を折れると、ガードレールの影は銀杏のかたちをしていた。男も同じ道を来たので、居心地の悪さを覚えながら、靴の裏でアスファルトの固さを感じていた。