私以外の誰かの言葉が、私の口から滑り出る

考えてみると、本当はそんなこと思ってもいないのに、ということが、口をついてスルスルと出ていってしまう。
どこから生まれた言葉なのだろう?
私の心からではないのに。
きっと、誰かから聞いた言葉。
こんな時こうやって言うものなのだろう、と想像して、頭の片隅に張り付いていた言葉。
本当はそんな、ちっぽけな言葉で私の感情は言い表せないのに、誰かと話していると、その会話の速度に合わせて、しゅるりん、と出てきてしまう。
これは、相手が自分とは違う星の人の時によく起こる。
相手の星がとっても遠いから、そこに向かっていくための、特急新幹線のスピードで風が吹くから、私の頭の端にこびりついたその言葉が、風圧で剥がれてしまうのかもしれない。

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