すずめの戸締り あえて厳しい話を。
新海誠監督の作品。すずめの戸締り。被災者としては、グッとくる部分もあり、日本神話の話も好きなのです。鹿島神宮には「要かなめ」がありますしね。
でも映画としてエンタメの出来は別です。
音楽と映像とプロットが全部良かったのは「君の名は」です。一方、「天気の子」では、厨二病が過ぎることと、プロットの納得感が薄れたことが懸念点でした。そしてその懸念が今回も的中してしまった。
新海監督は、最近2作品では、女の子が持つ、巫女の神秘の力。という部分にプロットが頼り過ぎ、甘え過ぎています。(君の名はでは成功してました)だから話に深みがなくなる。全部神秘の力で説明がつくとしたらなんでもできてしまい、話が中途半端になり、途中でだれてしまいます。話に深みがないのです。イスの話も必要だったのか。全然魅力的ではない。友人の扱いももっとなんとかなったはず。全部が中途半端。音楽もいいけど、これじゃなくてもいい。僕にとっては、君の名はで得られた納得感も感動もカタルシスもないのです。
厄災という部分に目を向けた斬新な切り口の3部作と言えなくもないです。自分自身、このうち2つ(大地震と洪水)を経験しました。でもだからこそ、天気の子とすずめの戸締りはイチ映画ファンとして、プロットに甘えが出ているようで、僕はダメでした。
「君の名は」であったようなプロットの作り込みを本当に次回作では期待します。
ここまで書いたけど、僕は新海監督のファンなのです。