挫・人間を見た日と手のひらを切った日
下川くんがどうの、挫・人間がどうの、とTwitterや Instagramで超騒ぎ立てているが、挫・人間を好きになったのは本当につい最近、去年のpsychic fesの日だった。それまでの私の中で挫・人間は完全にふざけたイロモノバンド、下川リヲはキモ男のイメージだった。まともに見たことも聴いたこともなかったが、Twitterでよく見かける人。セルアウト禅問答や下川最強伝説のPVの下川くんのキモ挙動、あのイメージそのままであった。psychic fesの日、小林私を見たくて前列の方にいた新宿blazeにて、たまたま出順が一つ前だった挫・人間に完全に一目惚れしてしまったのだ!!!下川リヲ、なんてチャーミングなひとなんだろう!!!と思った。表情がコロコロ変わって色んな気持ちがくるくる見えて、すごかった。すごかった、なんて小学生並みの感想、まさに小並感であるが、すごかったのだ。えげつないエネルギーに圧倒されて目が離せず、花柄のパジャマを着たボブの下川くんを見て、何がかはわからないけど、どうしよう!?!?!?と思った。あの日どんなセトリだったんだろう…と思って調べたら、
1.ソモサン・セッパ
2.セイント・ギロチン
3.人類
4.セルアウト禅問答
5.ゲームボーイズメモリー
6.絶望シネマで臨死
だった。そりゃあ、どうしよう!?となるのも納得である。何か思うことがあっても怒れない。喜怒哀楽の中で怒りを感じるのが下手で負の感情が全部哀しいに集中してしまう上に感情を表現するのが下手な私は、ステージ上でギャーーー!!!!!!となっている下川くんを見て、全てだ…とおもった。あの日は毎日聴いている大好きな小林私、PK shampoo、高校生の時にライブに行きまくっていた崎山蒼志、そのほかにもいくつか見たけれども、圧☆倒☆的に挫・人間が良かった。人生の半分挫・人間をやっているが故の説得力。
アルバムを発売し、ツアーが始まった。初日の新宿レッドクロスの日、忙しくて全然新譜を聴けていなかった。(忙しいというのは飲酒とか、ヤマトパンクスのラジオを聴くだとか、小林私の象形に裁つを聴くだとか、そういうことである…。)新譜、苦手なんだよね…。受け入れるまでにかなり時間がかかる。どんなに好きなアーティストでも、EPとかシングルだったらいいけど、アルバムとなると覚えるまでは聴くのが割とつらい。ライブってやっぱり曲知らないと楽しくない上に重度の出不精である私はその日かなり憂鬱になってしまっていた。雨だったし…。その日は延期になった。気楽な気持ちでトークショーを見た。渋谷のツアーファイナルの日までには頑張って聴いて曲を覚えて、覚えたらもうさいこ〜で、ぐるぐる聴いて、めちゃんこ楽しみな気持ちで当日を迎えられてよかった。
やばい、昨日の渋谷の挫・人間ライブのことと今日、手のひらを怪我したことを書こうと思っていたのに、まだ本題に入っていないのに、この時点で1200文字…。
渋谷の日、ソモサン・セッパの下川くんの語りが始まった時、ちょっと泣きそうになった。朝起きるとき、アラームが鳴ってから目が覚めるまでゴロゴロする虚無の時間に毎日ソモサン・セッパを聴いてるから、始まった時、あ、朝だ、と思ったけど、すぐさまいや、違うだろ、と思って自分の心や頭の動きに1人でウケてしまった。あんなに朝っぽくない歌もなかなかないのにソモサン・セッパを聴くと朝って感じがする。
ソモサン・セッパとかセイント・ギロチンとかピカデリーナ受精とか人類とか、だ〜いすこ。
悲劇が観客の心に怖れと憐れみの感情を呼び起こすことで精神を浄化する効果、こと、カタルシス。まさにこれですね。映画とかドラマとかは長いけど、挫・人間は一曲、5分足らずでこれを感じることができる。脳内麻薬がダバダバ出る音が聴こえる。危険かもしれない。一方ギンガとか夏・天使みたいな曲もだ〜いすこ。全部好きで困る。胸がキュンといたくなる。恋?下川御大が生き延びるじゃなくて生きるをしましょうね、生き延びるというのは寝たり食べたりすることで、生きるというのは無駄なことをすることだというようなことと、挫・人間もおまいらも社会にとっては無駄な存在だけれども、ということを仰っていて、よかった。アンコールの時に、好かれたい!好きって言われるのは違う!!!ウワ〜〜〜〜!なんでだよオ〜〜〜と御託を並べていたのも良かった。これは褒めています。
渋谷CLUB QUATTRO、ぶち壊したかったなあ。下川くんがぶち壊しましょうね、って言ったのにぶち壊れなかったの、私の声が小さかったからである。みんなでさけぶ時、あまりにも大きい声の出し方がわからなくて戸惑った。私ってこんなに声出なかったんだ…。声が小さくて通らないの、コンプレックスかもしれない、という気づきの日だった。
長い。書くの疲れた。とにかく最高の日だった。今年一番楽しかった。ちなみに去年一番良かった日はpsychicの日だった。挫・人間が、いる。ここまでが昨日のツアーファイナルが最高だったという話。
ここからは最悪な今日の話。包丁で手をザックリ切った。先輩が包丁を持っていることに気づかなかった。昨日の挫・人間のことを考えて心ここに在らずだったのだ。頭の中では下川くんにであえてよかったの「シーモカーワ シーモカーワシーモカーワ シーモカーワ」コーラスだけが流れていた。そんな状態で仕事をするな、というお話である。まな板の前にいた私と、まな板に包丁を置こうとした先輩。タイミングが悪く手に包丁が当たってしまった。しっかり研いである柳刃だったので、あたった瞬間は何が起こったのかわからなかった。血が吹き出した。おまえはすでに死んでいる、もいいところであった。ぐっと握った手のひらからポタポタと血が垂れた。やばい、と思った。手をひらいて傷口を見たら、がっつり開いて断面が見えた。めまいがした。
とりあえず近くの皮膚科に駆け込んだが、外科か整形外科ですね、と言われてタクシーに乗って別の病院へ。「これは…縫いましょう。」と言われて結構絶望した。手を!縫うって!そんなグロいことがあるか!30分以上手を握りしめていたので、開くだけで激痛だった。震えていた。消毒、死ぬかと思った。麻酔の注射、悶えながら、泣いた…。大人になってこわくていたくて泣くことってあるんだ…。四針縫った。筋肉までは切ってないですねとの言。良かった〜!!!筋肉まで切ってなくて良かった〜!!!じゃあないんだよ。ずきんずきん、心臓の鼓動に合わせて痛い。包帯をしっかり巻かれた。料理をする仕事なので、こんなことになってしまったら仕事を休むしかない。今日の午後は休んでいいよ、と言われた。仕事、出来ればしたくないが、休むのもソワソワしてしまって落ち着かないものである。連休に入ってしまうので、明日の午前中また来てください。と言われた。仕事が…って言おうとしたけど、病院に行かなかったとしても仕事はできないな、と思って何も言わなかった。
完全に痛すぎて全く手を動かせない。片手しか使えないと、髪の毛を結ぶことさえできない。部屋に帰って下着を外すのも苦戦した。食べた食器を洗えない。今日はお風呂入らないでくださいね、と言われた。昨日ライブ行く前にシャワー浴びたから帰ってから入るか悩んだけど入っておいて本当に良かった。以上、今年一番最悪だった今日の話。
人生はプラスマイナスゼロ、みたいな言葉があるけれども、こんなにわかりやすくそんな目に合わなくちゃいけないか?と思う二日間だった。疲れた。
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