うたのイワト 早川義夫ソロライヴ 線はのびて行くが点は爆発する。 スタジオイワト 2012.02.04.
先月に続いての早川義夫ライヴ。前回はトリオ編成だったけれど、今回はソロだ。しかもタイトルが " 線はのびて行くが点は爆発する。 " である。絶対に見逃せないではないか。
開場時間の30分ほど前にスタジオイワトに着く。するとスタッフの方が寒いからということだろうか、気をつかって頂いて、何と中で待っていてくださいと言う。お言葉に甘えて…と、会場に入って驚く。早川さんが目の前で歌っているのである!
リハーサル中だったわけだが、お店の方々も、そして早川さん本人も特に気にしている様子はない。僕はと言えば、いきなり興奮した。そりゃそうだ。まだ本番前なのに、「純愛」や「僕らはひとり」などが聴けたのである。リハは合計で20分くらいだっただろうか。ラッキーだったなぁ。
さて、本番は「サルビアの花」と「マリアンヌ」のメドレーでスタート。先月はここに「堕天使ロック」が加わっていて、非常に驚き盛り上がったオープニングだったが、たった1回のライヴ体験だとしても、人間、慣れというのはあるものだな。今回は冷静に聴くことができた…のだが、3曲目で吹っ飛ばされてしまった。
「屋上」。僕にとっては、もの悲しいそのイントロだけで俯いてしまう名曲。実は、早川さん本人とツイッターでやり取りした際に、「屋上」が歌われることを教えてもらっていたのだが、知っていてもダメだった。この曲を聴けただけでも、今日のライヴに来て良かったと思った。
早川さんは、自身のサイトにこのソロライヴに寄せてこんな文章を綴っていた。引用させて頂く。
演奏2時間のピアノ弾き語りは、久しぶりである。
最近は、佐久間正英さんとの共演が多く、僕の歌を2倍にも3倍にも高めてもらっていた。
急に独りぼっちになると、当然、音数は減り、心細くなる。
しかし、ソロはソロなりの良さもきっとあるはずだ。
音の隙間に、沈黙に、「音楽という情景」が見えてくるよう、
勇気を振り絞り、独りで歌おうと思っている。(早川義夫)
早川さんの唄も、ピアノも、そしてもちろん曲も素晴らしい。でも、それを聴いた僕自身が感じる何かや思う何かに、僕は助けられ、笑わせられ、励まされ、楽しまされ、救われている。その何かが、早川さんの言う " 音楽の情景 " なのかもしれない。
キレイと思う心がキレイなのさ
思えば、94年に発表された「この世で一番キレイなもの」での、この早川さんのフレーズの心強さったらなかった。おかげで感動できる自分、笑える自分、泣ける自分…。そんな自分を自分で " いいな " と思うことができたし、今もそれは変わらない。
何で音楽なんだろう? 去年の3月以降、ずっと胸の奥にあるこの思いの答えのひとつが、今、2012年の早川さんのライヴ…いや、早川義夫の音楽で出たような気がしている。<2012-02-04 記>
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