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【MBTI】INFJから見たNJ型の人たち (ENTJ・ENFJ・INTJ・INFJ)

 今回はNJ型の人達(ENTJ・ENFJ・INTJ・INFJ)についての記事。いきなり尖っているような気もするが、筆者にとってはこれが一番わかりみが深く、実際書きやすいのだからしょうがない。

順序的にはアレだが、書き上がった記事を出し惜しみにしてもしょうがないのでさっさと上げることにする。


共通項:Ni優勢・Se劣勢

 NJ型はNi(内向直観)によるパターン把握や法則性の理解を重んじる。そこから大局の俯瞰、長期的目線、体系的理解、網羅的検索を用いて、全体を理解し、コントロールしたがるという習性を持っている人種だ。このためNJ型は組織環境の構築力に優れている人が多い。

NJ型のコアにあるのはビジョン(思想・信条・信念などに基づいた理想の在り方)で、それを実現させるための自己決定権を振るい、自身が全体を把握できかつ影響力を行使できるテリトリーである「箱庭」を築こうとする。

 その箱庭が、ENTJなら支配領域、ENFJなら理想郷、INTJなら戦略、INFJなら相互理解となる。だから彼らは未来志向が強い。向上心に余念がなく、貯蓄もサボらず、大胆な投資も行い、リスクや覚悟も辞さない。

その一方でSe(外向的感覚)に意識が向かいづらいため、即興性・即応性に劣る。明確なパターンや法則性が見い出せず、組織環境が構築できない状況下では実力を十分に発揮することができない。また未来志向が裏目に出ると、今目の前にある幸せや大事なものに目をくれず、時に投げ捨ててしまうことすらある。「今を楽しめない」のはNJ型の弱点と言えるだろう。

ENTJ(指揮官:Te-Ni-Se-Fi)

 ENTJは渾名は指揮官とされる。実際の前線指揮官や中間管理職ムーブはESTJの方が似合う感じがあるので、筆者的には将軍といったイメージがある。

自己決定権がNJ型の中でも一際強く、自身の手でやり遂げる、実現するという意思力が大きいため、目標達成意識が強く出世しやすいタイプとされている。その一方でシビアで熾烈なところがあり、精神が疲弊したり、周りから恐れられやすい一面があるようだ。

長所:目標達成意識

 ENTJはNJ型の中でも一際目標達成意欲が高い。主機能Te+補助機能Niという組み合わせから、パターン認識から得たビジョンや大局観を手段として、目の前にある目標を達成しながら実績をアピールして権利主張を行い、領地や支配権を獲得していくという思考様式になるためだ。

ポイントは代替機能Seで、よく訓練されたENTJは営業や前線といった現場レベルまで降りてきて、自ら指示を飛ばしたり、一戦力として従事することも辞さない。そしてそれが務まってしまうのでカリスマ化しやすい。たとえばドラゴンボールのフリーザなどで、部下に的確かつスピーディに指示を出す一方で、部下任せにせず自分で仕事をするシーンも結構ある。

これは現場の人間からすると物凄く頼もしいため、部下の士気が物凄く上がる。将軍自らが前線に出てきて、しかも剣や矛を手に取って戦うなどキングダムでもなければ普通はないのだが、サラリーマン世界では割とありえることで、ENTJは普通にこれをやる。

短所:熾烈すぎる

 目的達成意欲の強いENTJだが、その反面思考がシビアになりやすい。そしてE型ゆえに、そのシビアさは他者に対しても及ぶため熾烈な印象を与えやすい。ENTJの劣勢機能はFi(内向感情)であり、情緒性や良心性、個性の尊重といったものを置き去りにしてしまうためだ。

ENTJは往々にして怒りをモチベーションに変えて仕事をすることがある。あるいは有言実行により退路を断って取り掛かることもある。そうやって自ら追い込むことで目的達成力にバフをかけるのだが、知らず知らずのうちに疲弊してしまうことがある。

 そしてFi劣勢ゆえに精神的疲弊(不快感)が何なのかを把握しづらい。そのため自らの思い通りにならないと周囲に対して機嫌の悪さを示したり、強硬的態度で接したりするため、それが熾烈さのイメージになっているのかもしれない。この攻撃性に勝てるのはスイッチの入ったESFPくらいだろう。

またENTJはESTJと違って組織に対しては然程従順ではなく、何なら反抗的まである。Niユーザーゆえに地位や権威に懐疑的で上司に媚びないためだ。I INTJとENTJは反骨精神が結構強い。それゆえ組織に不満があったり、自身の能力が評価されない(≒出世しない)とわかると、早々に辞めてしまうこともある。この見切りの速さもNiならではだろう。

ENTJの箱庭「支配領域」

 よくENTJは最強だとか、高収入になりやすいとか言われているが、出世ムーブメント≒ENTJの素の行動様式であるため、ビジネスシーンにおいて素のムーブ面を全面に押し出せるため、自己矛盾が少ないのかもしれない。そのためか、業務内容や環境がハマると結果的に出世してしまう。

そうやってENTJ出世を重ねて領地拡大していく目的なのだが、おそらく自身が影響力を行使できる支配領域の獲得なのではないかと思う。一方で、自身に出世の目がなかったり、組織に不満があったりするとENTJはアッサリ会社を辞めたり組織を脱退してしまう。テリトリーが構築できず、支配権が確立できないからだ。

NJ型は自らが直接、全体像を把握・管理することができる「箱庭」を好むのだが、ENTJはT型ゆえに前述の自己決定権に従って、自ら実力を示してこの「箱庭」を作りたがる。そしてE型なのでそれは自らの内面ではなく、自身の外の世界に構築するというイメージだ。それゆえ自身の支配権が及ぶ領域・範囲が彼らの「箱庭」となる。

ENFJ(Fe-Ni-Se-Fi)

 ENFJの渾名は主人公だ。実際に少年ジャンプ漫画の主人公のようなムーブメントが目立つが、最近は主人公も多様化しているので個人的にはファンタジー世界の勇者というイメージだ。

このタイプの特徴は垣根の無さによる博愛精神だろう。ISFJが母性なら、ENFJは父性を体現した性格タイプといえるのかもしれない。欠点としては垣根がないため人を拒絶できず、たくさんの人の思いを抱え込んでしまうため、責任感が過剰になる点、コミュニティが最終的に分裂しやすい点だろうか。

長所:博愛精神

 ENFJの最大の特徴は「来るもの拒まず」という博愛精神だ。補助機能Niによる洞察力を手段として主機能Feによる利他性を追及するため、人間関係における垣根というものがない。

ENFJの前には敵も味方も、内輪も外輪も、身分の差も、公私の別も存在しない。みな平等で等しく人物本位で接しようとする。立場上分けてはいるものの、それはあくまで立場上であって個人はまた別であると当然に考えるのだ。ENFJはクラスの三軍を差別せず、敵ですら手を差しのべようとする。この特徴はINFJにも見られるが、ENFJはその上で外向型なので、人間関係の構築範囲が異常に広くなりやすい。

ポイントはやはり代替機能Seで、ENFJも自ら現場要員として降りてくることが多い。一軍メンバーに囲まれながら遥か遠いステージにいるリーダーではなく、実際に現場まで降りてきて共に働き、共に語らうために人心掌握に長けていて、カリスマ化しやすい一面がある。

短所:人間関係の区別が困難

 ENFJは前述の通り人間関係に垣根を設けない。皆平等に接しようとするのだが人間は体がひとつしかないし、対話を行う時間も限られるため現実的にそれは難しい。

そしてENFJ自身は垣根を設けないが、しかしENFJの元に集まった人間がそうだとは限らない。なので垣根はあるし好き嫌いもある。利害の不一致や方向性の総意もあるだろう。よって小競り合いやいざこざはどうしても発生してしまう。

 ENFJは争いを嫌うのでなんとか収めようとするのだが、コミュニティが大きくなってしまうと1人では到底無理で、理想と現実のギャップ、あるいは責任感の強さゆえに心を痛めることになる。他人の感情に沿う余り自分自身の考えというものが薄く、人情派であるがゆえ論理的整合性を用いた考え方を苦手とする。MBTIでいえば劣勢Tiとなる。

結果としてENFJはグループを分裂・解散、あるいは譲渡するなどして、再び同士や賛同者を集めて小集団からやり直していくことになる。そして再び成長して大きくなり、大きすぎて制御できなくなると分裂・解散する。それの繰り返しだ。このためENFJはそのカリスマ性に反して組織人としては意外と微妙で、どちらかというと小組織のスタートアップに向いている。

ENFJの箱庭「理想郷」

 ENFJの度量の広さはかなりのもので、あらゆる人を受け入れる。学校などでは陽キャグループにいるものの、ENFJについては裏表がなく、多少暑苦しいがガチのいいヤツであることが多い。竈門炭治郎とか上条当麻のイメージだ。オッサンなら白ひげのような義侠心のあるキャラになる。

彼らのビジョンは、誰かを除け者にしたり犠牲にすることなく、誰も見捨てられることのないユートピア(理想郷)を理想としている。具体的にはファミリー(血の繋がりのないが家族同然の付き合いをする集団)というイメージで、それが彼らの「箱庭」なのだろう。

INTJ(Ni-Te-Fi-Se)

 INTJの渾名は建築家だ。建築家は実際には空間把握能力は段取り力、コミュニケーション能力を必要とするので、筆者的には軍師の方がしっくりくるかな。

NJ型の中でも一際合理主義的性格が強いタイプで、リアル・フィクション共に頭脳キャラとして扱われることが多い。実際のINTJは当然ピンキリではあるのだが、その思考様式は概ね賢いように思う。一方でエゴイスト的だったり、Se劣勢で鈍臭かったりと弱点も目立つキャラで、Fiの妙なこだわりや美学もあり、とっつきにくいようで実はなかなか愛嬌があるタイプだ。

長所:戦略的思考

 戦略的思考はINTJの長所にしてアイデンティティにもなっている。大量の知識や情報を蓄え、それを自在に組み合わせて解釈を行い、自分なりの要約を踏まえて結論を下し、自ら下したその結論が今後どのような影響や変化をもたらすのか、という予想分析にかけてはピカイチの適性を持っている。感情というノイズがない分INFJよりも鋭く冷たい。

これは補助機能Teの客観的根拠・正論性を手段として主機能Niによるパターン構築能力を振るうというもので、言ってみれば精度の高い妄想という感じだ。しかし進捗状況によってリアルタイムで情報置換や軌道修正しながら着地点へ追い込んでいくため、結果的にはINTJの言った通りか、それに近い状況になることが多い。

その特徴から座学の勉強は割と得意とするようで高学歴者に多いらしい。またキャリア官僚とか戦略コンサルタントといった軍師系の仕事に多く見られるタイプという。イメージ的にはソレっぽいが実際どうなのだろうか。

短所:ひねくれもの

 この頭脳明晰なINTJだが、頭脳全振りの特化型故に弱点がとても多い。まず劣勢機能Seで現場労働は基本的には不得手となる。INTJは「ハイ陛下、肉体労働は苦手です」と臆面もなく言ってくるが、実際に肉体労働をさせるとの清々しい程の無能っぷりを晒すことになる。そのため組織の下っ端で現場労働に甘んじていると本領がなかなか発揮できない辛さがある。

また代替機能Fiがなかなかトリッキーで、INTJの高度な戦略的思考の核となっている根源は実はこのFiである。彼らは個人的好き嫌いこだわりであの軍師ムーブをやっているのである。

 そのためFiが無自覚だったり十分に育っていなかったりすると、身勝手わがままなエゴイスト的側面が強くなり、ひねくれた印象を与えてしまう。INTJ自身も保身に無頓着で、根回しや相互理解を試みないため、立場を追われたり途中で放り出してしまうことも少なくない。

一方でFiが育ち自分のキャラをメタ認知できるようになると、程々のユーモアや根回しを覚え、こだわりの部分が独特の美学や茶目っ気として認識されるようになるため、周りから「実は愛嬌のある人」として周りから受け入れられやすくなる。

INTJの箱庭「戦略」

 INTJは内向型であるため、自らのテリトリーである「箱庭」は自身の内心に育てる。それがINTJの持つ膨大な知識量に裏打ちされた広範な戦略的思考であり、それを振るった実績である。

そのゆえINTJは自身の内にある知識の泉を育てることに余念がない。たとえ生まれが貧しくても、古い時代からタイムスリップしてきたとしても、それまでのブランクをすべて勉強・学習・要約で埋めて周りに追い付き、さらには追い越してしまうのがINTJだ。

こうしてINTJは自らの戦略的思考に絶対の自信を持っていることが多い。そのためこれが揺らぐと不安定になって取り乱すし、頭ごなしに否定されると怒りを示す。

INFJ(Ni-Fe-Ti-Se)

 INFJの渾名は提唱者だ。予見可能性や将来における危機といった何かしらの電波を受信して、それを警鐘・啓蒙しているイメージから来ているのだろう。筆者的には預言者という表現が似合うのだが、宗教的な問題を避けるためにあえてずらした表現なのかもしれない。それが和訳されると提唱者、というわけだ。

INFJはなかなか説明が難しい性格なのだが、一言で言えばINTJの戦略性とISFJの利他性のハイブリッドといったところだ。Niによる高度な戦略性を用いて人々の役に立ったり、困った人を助けて回りたいタイプで、INTJより柔らかく、ISFJよりも頭脳肌といった感じの性格になる。

長所:対人洞察力

 INFJはINTJと同じく、Ni主機能によるパターンや法則性を用いた予想分析に強みがあるのだが、F型故に自身または他人の感情をノイズとして拾う。むしろそのノイズの方にピントが合っており、またINFJ自身の関心ごとにもなっている。

このノイズは換言すると対人洞察力となる。人が判断を行うときにはわずかな感情のブレがあり、行動や発言を行う際には動機や役割が存在する。動機の裏にはその人が大切にしている価値観があり、そうした価値観を持つに至ったルーツや出来事・境遇があるだろう。

 INFJは事実情報、伝聞推定、セオリーや一般的知識、自身の仮説考察を用いて、できる限りの解釈を行って他者を理解しようとする。その情報の中には確実なもの、確度が低いもの、単なる勘や妄想に過ぎないモノまであるのだが、リアルタイムで情報置換や軌道修正しながら着地点へ追い込んでいくのはINTJと同じだ。

INFJは往々にして、MBTIに準じた類型論や人読みを独学で学習するか、もしくは自力で発明している。INFJにとってのMBTIは、たまたまもうこの世界に存在した「出来合いのひな型」にすぎない。自分も似たようなことを考えていたが、ただ少し昔に生まれた頭のいい人に、先を越されただけなのだ。

短所:闇落ちしやすい

 INFJも弱点が多い。まず主機能Ni+補助機能Feという組み合わせが、営業職や現業職といった現場労働に合っておらず、適職が限られやすい。筆者も例に漏れず、補助機能Feが打ち捨てられたまま抑圧されてため、代替機能Ti、劣勢機能Seばかりを使わざるを得なかったため、およそINFJらしからぬシニカルで理屈っぽい性格が表出してしまっている。

しかしINFJの最大の短所は闇落ちしやすいということだろう。具体的表現に置き換えるなら、自己否定・自己犠牲・希氏念慮・破滅願望といった冥い感情にとらわれてしまいやすい。INFJはきわめて不健全になりやすい性格タイプで、最早不健全状態がデフォといってもいいかもしれないくらいだ。そのせいか、noteのハッシュタグもINFJがぶっちぎりで多い。

 なんでそうなるのかを自分なり考えたのだが、おそらく相互理解に対する渇望と、それが叶わなかったときの絶望を、生きている限り絶えず交互に味わい続けるからなのかもしれない。決してかなうことのない望みに憑りつかれたINFJの人生は呪われている。

心理機能でいうならNi-Tiループの末のSeグリップという形で繰り返される理想と現実のギャップ、それに対する防衛機制や順応である諦観によってINFJは次第に虚無的になり、投げやりになっていくのだ。INFJの妙に達観した雰囲気はそういった面もあるのだろう。

INFJはSi主機能のISFJと違って「自身の身の安全」にあまり執着しない。健全なINFJも向こう見ずだが、闇落ちしたINFJは更に危険を顧みない。虚無だからだ。自分などどうなってもいいと思っている。心に真ん中にぽっかり穴の開いたINFJに、冥い感情は静かに優しく寄り添ってくる。

INFJの箱庭「相互理解」

 INFJは「相互理解」に命を懸けている。相手のことを正しく・本質から理解したいという欲求が強く、また自分も相手に開示したいという思いがある。そのためならリスクも恐れない。

INFJは自身の感情に疎いところがあるため、他人の感情を読み取って自身の感情とするところがある。だから人の支えになりたい、人の役に立ちたい願望が強い。そうやって他人に喜んでもらうことで、誰かの支えになることで、自身の在り方を自問自答し存在価値を確かめるのだ。

相手のことをきちんと理解して寄り添いたいという利他性、ひいては人の本質がなんなのかを探求したいという知的欲求から、INFJは他者理解に余念がない。彼らの内面にはとても緻密かつ深淵な精神世界が広がっていて、それが彼らの「箱庭」といえるだろう。

まとめ

 以上NJ型の4タイプについてINFJ目線で書いてみた。一般的なMBTI論では、SP型、SJ型、NT型、NF型という四類型になることが多い。

この点筆者は昔からここが物凄く解せなくて、「え、なんで? SP・SFならフツーに考えてそこはNP・NJじゃないのかよ」というなんともいえない気持ち悪さがあったため、ここは独自ルールで解釈している。

 すなわちSP、SJ、NP、NJという認知機能(JorP)に基づく分類と、ST、SF、NT、NFという判断機能(TorF)に基づく分類の2クラスタに分けて考えることが多い。そして自身はINFJなので、このNJ型の思考様式が一番解像度が高いというわけだ。

NJ型は分布率が小さく、またNiという心理機能は難解であるため、レアキャラかつミステリアスでよくわからないという人も多いだろう。あるいは自身がNJ型らしいのだが、実感がわかずイマイチピンとこないという人もいるかもしれない。

あくまで一個人としての目線で恐縮だが、参考になれば幸いだ。

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