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親との関係がうまくいかない人はMBTIをやった方がいいかもな話

親との関係が上手くいかない人、親と話が通じない人。noteを見ていると案外と多い印象を受けますが、それはいったいなぜなのか。


1.親との関係が上手くいっていない人

 筆者がnoteを始めて大体8か月経つ。普段はMBTIネタを書くことが多いのだが、印象に思ったのは、親との関係があまりうまくいっていない人が多いということだ。特に女性ユーザーに多く見られるかもしれない。

筆者は(父:ESTP、母ISFP、妹:ESFP、筆者:INFJ)という家族構成で、筆者だけが浮いているというパターンだったのだが、普通に仲のいい家族だった。だからその意味ではハードモードではないかもしれない。

ただ、相互理解という面は諦めたところがあったのは否定できない。SP型の人の話を聞けない性質、INFJの動作が鈍い性質がどうにも噛み合わず、進路や人間関係の相談をすると最終的にケンカになってしまうので、悩みを打ち明けたり、本音でぶつかることは避けてきた(相談できなかった)

その父が2年前に突然他界してしまい、分かり合えないながらもう少しうまくやれなかったのかと悔やまれるばかりなのだが、今回はMBTIと親との不仲の関係性について述べてみたいと思う。


2.子どもがハードモードになりやすい例

①親がS型で、子がN型の場合

 親がS型で子どもがN型の場合は、子どもはMBTIをやった方がよい。親子間で認知特性が一致しないからだ。そして子どもの方が社会適応力が低いにもかかわらず、親が子の特性を十分に理解しなかったり、必要な教育や情報提供を十分に行わないパターンがしばしば見られる。

S型は力業で人生なんとかなることが多い。たとえばSP型なら動作性IQ(流動性知能)が優位なので、スポーツやアルバイトは要領よくこなせることが多い。その流れで適職も選ばず務まるし、恋愛も持ち前の行動力と自己肯定感でうまくいってしまうという具合だ。

SJ型は集団生活適性が高いため学校は得意だ。新卒就職も強いので大企業や官公庁といった待遇のいい会社に内定をもらいやすい。そして良い会社は離職率が低く、SJ型自身の会社員適性も高いので会社の力で社会的地位と経済力は伸びていく。恋愛もその地位と経済力に紐づいているのだろう。

N型はこうした社会適応力を前面に出したゴリ押し戦法が使えない。そしてS型の親にアドバイスを求めても、それは「感覚」で何となくできたことなので子にとって有効な回答は帰ってこない。親が参考にならないので、子どもは人生の早期に自力でメタ認知する必要があり、MBTIはその参考になる。

②親がTeユーザーの場合

 親がTeユーザーの場合もおそらく辛くなるだろう。結果主義になってしまい、子どもは強いプレッシャーを受けるためだ。良し悪しの判断が成績や偏差値といった数字や実績に基づくため、競争で勝つことが正しいとされ、価値観が一元的になりやすい。

Teユーザー特有の思考に「負けず嫌い」がある。何事も努力すれば乗り越えられる(=できないのは本人の努力不足)と思っている節があり、その価値観を子供にも強制しがちなところがある。たとえるなら勝利至上主義の部活とか、ノルマ至上主義の営業のノリだろうか。

それは間違っていないが実際には向き不向きがある。向いていない人が物凄く努力を行っても人並みかそれ以下にしかならない。どちらかというと個性を伸ばす方が大事で、長所を存分に生かせる一方で短所が目立たない場所・環境を探した方が人生は好転することが多い。

またTeユーザーは警察的なところがあり子どもを自身の管理下に置きたがる。門限が厳しかったり、宿題や提出物にうるさかったり、目標・期限を設けたり、ダメな場合は改善策・ペナルティを課したりするので、それが過度な場合は子どもは委縮してしまい、主体性を失ってしまうかもしれない。


3.親子の相性がよくない例

①親がSP型×子がNJ型の場合

 親がSP型で子がNJ型の場合、外向的感覚Se・内向的直観Niの開きが大きくなる組み合わせとなる。SP型の親はアドリブとマルチタスク、勘と経験による職人技で手際よくこなすが、子のNJ型は同じようにこなすことおそらく難しい。外向的感覚Seによるパワープレイができないためだ。

NJ型の子に向いているのは、法則性やパターン認知による洞察力・体系的思考であるが、これには知識の集積と長考を必要とする。親がSP型だと放任主義の傾向が強く、本来必要とする教育や情報提供を行わないことがあるため、NJ型の子は必要な情報やロールを獲得できず伸び悩む。

NJ型の場合、自身と同じNJ型に出会える可能性が低く、学校や部活・アルバイトといった動作・技能適性も低いため、低い適応性を補うための予習(事前情報や予備知識を収集しての仕込み・傾向対策分析)が肝になるが、このロールは即興性を持ち味とするSP型の親には持ちえないものである。

そのためNJ型はサバイバル環境に置かれがちで、親や友人が参考にならないため、自分の生き方を自力で見つけなければならない。これに必要なのがメタ認知で、たとえばMBTIもその例のひとつになるが、NJ型の課題はこうしたヒントの存在を人生の早期(就職前)に気付けるかというところになる。

②親がSJ型×子がNP型の場合

 親がSJ型で子がNP型の場合も、内向感覚Si・外向直観Neの開きが大きくなる組み合わせとなる。SJ型の親は日常生活を規則正しく行い、注意力が働くためミスや忘れ物も少ないが、NP型の子は同じようにこなすことはおそらく難しいだろう。

SJ型の親は、子どもに対する躾(しつけ)や指導が細かくなりがちだ。朝起きる時間、歯磨きや入浴などの身だしなみ、門限や帰宅時間、提出物や宿題の管理、寝る時間など細かく管理してくるのだが、NP型の子どもはきっとそれがしんどくなってしまうと思う。

NP型の子は好奇心が高く空想しがちなところがあり、そこから閃きやアイデアを思いつくのが本来の持ち味なのだが、SJ型の親は細かく管理することでそうした想像の余地を埋めてしまいがちだ。そしてあれもダメ、これもダメと好奇心を否定されてしまうとNP型は傷ついてしまう。

そのためNP型はどこかで抜け道を探していて、細かい親の監視を潜り抜けてそこで好奇心を満たすことが多い。NP型の好奇心は無軌道で、金策や職業能力に結びつくものとそうでないものがあるが、いい先輩・恩師に出会えて有益な領域に興味関心が向かうといいのかもしれない。

③親がTJ型×子がFP型の場合

 これはSN軸ではないが、親がTJ型で子がFP型の場合も子供はハードモードになるだろう。外向的思考Te・内向的感情Fiの開きが大きくなる組み合わせで、前述の通りTJ型の親は合理的価値観に生きているが、FP型の子にはおよそなじまない可能性が高いからだ。

FP型は基本的には自分らしく生きたいというタイプで、自身の喜怒哀楽や好悪をはっきり出せて、自他共に個性が尊重される多元主義的価値観を好む。この点TJ型は順位・偏差値・就職先・職階といった一元主義的価値観に基づく競争原理で生きているため、これを強制されると辛くなってしまう。

FP型の子は豊かな感受性を用いて自己表現を行うのが本来の持ち味だが、画一的な価値観で塗り潰したり、結果を出せないことを詰めて抑圧したりすると委縮してしまいやすい。親に対する恐怖から自身で物を考えず、ただ言われたことを消極的に行う子になってしまう。

成績や順位や偏差値、売上や数値といったわかりやすく客観的な実績を追求したがるのがTJ型の価値観だが、ゆえに反論や言い訳を許さず、止めを刺す傾向があるのでこれを人に向けると危ない。子どもがこの価値観にそぐわない場合、サバイバル環境を強いられやすいかもしれない。

④INFJ・INFPの困難

 親がESTP×子がINFJの場合、親と話が通じないので相互理解関係が構築できず、教育や指導、事前情報が与えられないためロールモデルを獲得できない点で辛くなる。運が悪いと家庭内暴力を受けるリスクもあり得る。だが干渉やプレッシャーがない分まだマシだろう。

INFPがハードモードと言われているのは、先のSJ×NP軸とTJ軸×FP軸のダブルパンチになりやすい点だろう。親がESTJの場合、監視、干渉、詰めといったプレッシャーに晒されやすく、しかもS軸N軸の不一致故にやはり対話や相互理解は難しいためだ。こうした人には同情を禁じ得ない。

性別も影響する。女性の場合は家を出ると好転する可能性が高い。恋愛が有利でかつ非営業職に就くチャンスも多いからだ。自活が容易なため進学・就職・上京すると安定することが多く、結婚して夫の家庭に入ってしまえば逃げ切れる。IxFx型は女性的ロールの恩恵によって生き延びやすい。

男性は上記メリットは享受できないので、何かで生き延びるしかない。親元から去っても今度は仕事で潰されるリスクや、孤立・孤独のリスク、男性的ロールの不一致と戦っていくことになるだろう。逆説的に、INFJやINFPでまともな性格の男性、生き残っている男性は強者ということになる。


4.N型の親×S型の子ども

 これはさっきのとは逆で、親がN型で子どもがS型だと問題が少ないと思われる。あっても適応力の高さ故に勝手に巣立っていくだろう。

親がN型の場合、知的好奇心・抽象化志向の高さから、子どもに対して様々な可能性を示したり、情報提供を行ってその世界観を広げようとする。また自身が苦労するので経験による知見も乗るし、教育論自体を理解・学習するので教育も熱心でかつ適切なものになる。

N型の親は多様性や寛容性が高く、自身とは異なる子どもの本質を理解するため、親としてはバランスが取れていることが多い。特に顕著なのはNF型で、NF型は経済的問題さえクリアすればよき親になれる可能性が高いだろう。

①教育の空振り

 ただしN型の親には2つ問題がある。ひとつは教育の「空振り」だ。S型の子はN型の親ほど知的好奇心や抽象化志向が高くないので、親から与えられた情報や世界観にさほど興味を持たない可能性がある。ともすればそれがストレスにもなり得る。年齢と好奇心はあまり関係がないのだ。

しかし親の教育指導を受け付けない、事前情報を必要としない一方で社会適応力が高いので、家庭の外で社会性を学んで友達や恋人を作ってうまくやっていくことができるし、就職を決めて仕事も卒なくこなしていきやすい。そのため教育が空振りになりやすい面はあるだろう。

たとえばNJ型の親×SP型の子の場合、子は親の言うことを聞かず反発するが、流動性知能が高いので人間関係や就職はつまづきにくい。NP型の親×SJ型の子の場合、親と違って子の好奇心は限られているが、その分常識人として社会適応しやすいといった具合だ。

だからN型の親×S型の子の組み合わせでは、親が必要以上に情報を与えすぎない方がいいだろう。たとえば習い事が多すぎるとか、親が熱心に相互理解を求めるとかだ。NT型の場合は子どもの能力を期待する面が高く、NF型は子どもの内面性の理解にこだわる面が高いので、ここは注意だろう。

②N型の少数性

 N型親の課題にはもうひとつあって、それはN型は少数派であり、そして社会適応力が低いということだ。これは「玉子が先か鶏が先か」というもので、少数だから社会適応できないのか、社会適応できないから少数なのかはわからないが、N型の親は絶対数が少ない。

良き親としては向いているが、実際に親になれる可能性が少ないのがN型といえる。とりわけNF型男性は良き親にはなれると思うが、経済的問題でそもそも親になれるか、という問題を抱えやすい。

だから「質」はともかくとして「数」の観点でいうとN型は親には向いていない。特にINFJの父親はかなりのレアケースだろう。絶対数が少なすぎる上に社会適応力の問題で結婚できる見込みも少ないからだ。

結婚して子どもを産むだけなら明らかにSP型の方が向いている。多産家族のほとんどはSP型だろう。恋愛巧者で絶対数も多いからだ。その家系で突然変異的にN型が生まれるとその子はきっとハードモードになる。筆者はこの例で、このパターンの人は割と多いのではないかと思う。


まとめ

 今回はMBTIと親との不仲について論じてみた。筆者は家族と相互理解関係こそ築けなかったが、表面的な仲はいいのでその意味ではかなりマシだ。人生が盛大にコケたのも結局自身の能力不足の問題なので、放任主義であれど家族に非があるわけでもない。まあよくあるフツーの一般家庭だ。

この点noteを見ると、毒親とか機能不全家族でサバイバルを強いられて育った感じのユーザーさんがちらほらいて、同情を禁じ得ない。筆者も両親から「女の腐ったような奴だ」と罵声を受けたり、殴る蹴るの暴力を受けた経験はこそあるが、SP型故の衝動的なものなのでさほど熾烈ではなかった。

親は味方ではあるが理解者ではない。それは常として、場合によっては味方ですらないという場合もあるかもしれない。筆者にはそうした当事者の心を知る術もないのだが、とても気の毒に思う。

 女性に関しては思春期の延長線上といった雰囲気があって、家を出て恋人と同棲すればひとまず改善はすると思う。それに対して男性の場合は就職や恋愛において現実的な困難を抱えやすく、その上で親と不仲だと社会的に孤立するパターンも多いので、とりあえず生きろと願っている。

特に失業・メンタル不調になった場合、実家に頼れないときついのだが、恋人・配偶者がいるとセーフティになるので助かる場合も多い。ネガティブにはなるが、年間自殺者数の男女差などはこれが影響している気はする。

ただ男女どちらの場合もしんどいことには変わらないだろう。その際MBTIは自己理解・他者理解を通して人間関係の不仲を探る・社会不適合の原因を考えるという使い方もできるので、生き延びるヒントにはなりえると思う。

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