【MBTI】営業職に向いている16タイプ【ESTP・ESTJ】
早いもので今年もお盆休みがやってきた。新卒学生や転職検討中のサラリーマンはエントリーシートや職務経歴書とにらめっこしている人も多いと思う。実は筆者もそうなのだが、ここでは営業職に向いている性格タイプを考察してみたいと思う。
忙しい人向けにタイトルに答えを書いておいたので読むの面倒な人は「スキ」押してくれたら帰っていいです(押したくない人は全部読んでください笑)
1.結論:ESTP最強
営業職に向いているMBTIのアルファベットはそれぞれ、E(外向型)S(感覚型)T(思考型)P(柔軟型)となるだろう。つまりESTP型を理想として、そこに近いタイプほど営業職適性が高いタイプということになるのだが、以下その特徴を述べてみる。
なおこの法則で言うと、INFJである筆者は営業職に最も向いていないタイプということなるのだが、この点からもリアルな話が書けたのではないかと思っている。ちなみに営業職から独立起業した筆者の親父殿はESTPだった。残念ながら去年なくなってしまったが。
E型(Extrovert:外向)
営業職は行動量の多さが大正義だ。この点においては外向型であるE形の優位性は揺るがないだろう。
外向型は他人を巻き込むのが上手い。お客様、自社、上司、同僚、協力会社……そういった人たちを躊躇なく巻き込んで、自分が渦の中心となってグルグルかき回せるタフさがある人は営業向きだ。
外向型は他人に対して干渉や提案を行うときの気後れ感や申し訳なさを感じにくいため、迷惑がられた時、断られた時の精神的ダメージも内向型よりも小さくて済み、必然的に提案数が多くなる。悩んだりストレスを感じた時も、内省ではなく人と会うことで解消する傾向があるため、人脈形成面でも有利だ。
もうひとつのポイントとしてはレスポンスの速さだ。外向型はメールや電話、SNSの関心度が高く、連絡がないか常にチェックしているためレスポンスが早い。これは営業職としての必須特性だ。
筆者(INFJ)は手持ち無沙汰になると頭の中で空想したり、スマホで5chやトレード、オークションをチェックしてしまう。あるいは仕事・プライベート問わずメールやLINEを起動するのが怖くて億劫になることがあるが、こういう特性は営業職としては明らかにマイナスだろう。
S型(Sense:感覚)
営業職は感覚型の方が優秀なことが多い。その理由は営業職が短期的利益を追求するポジションだからで、目の前の業務を捌く能力、今すぐ結果を出す能力を強く求められるためだ。
ライブ感・間合い
まずS型は今その瞬間の解像度に優れている人、ライブ感に優れた人が多い。スポーツや格闘技でいう「間合い」と「当て勘」に優れている人が多いのだ。
相手との距離の詰め方、本題の切り出し方、アプローチの仕掛け時、そういった距離感とタイミングの見極めがうまい。あるいは身だしなみ、表情の変化、身振り手振りなどの非言語・視覚情報によるコミュニケーションが巧みだ。またアドリブやマルチタスクに強く、失敗した場合の気持ちや意識の切り替え、立て直しも早い。
この特徴はSP型の人によく見られる。お客様へのプレゼンはスポーツ感覚なので、運動神経の高い人(≒動作性IQの高い人)は基本的には営業職もうまくやることが多い。企業が体育会系を重宝するのはそれも理由と思われる。
作動記憶・処理能力
S型には高い作動記憶や処理能力を要求されるシーンにおいても強みを発揮する。特に営業職は事務職以上の事務処理能力の高さを求められるため、S型の長所を発揮しやすい。代わりに言語能力や抽象的思考能力は程々で良いので欠点も気になりにくい。
営業職の仕事は非定型業務がほとんどで、その都度やるべき事務処理が異なるためだ。どの連絡や手続きが必要で、申請や稟議を誰に対して行うのか自分で考えねばならず、提案書もパーツの使い回しがあっても基本ワンオフだ。雛形も規格が統一されていないければゼロベースで作る。
そして営業職は外勤(外回り)があるため、夕方帰社して疲れているコンディションで片手間かつミスなく完了させる必要がある。間違えがあればそれだけ仕事が増えるし、顧客へのレスポンスが遅くなるし、上司の評価も下がる。
これを出来るのはSJ型の人たちで、彼らはミスや間違えが少ない。特に大企業においてはミスをしないことが最重要なので、この特性がとても有利に働く。
ノイズ・マルチタスク耐性
また営業職は外出が多いため、ノイズが多い状況、マルチタスクが求められる状況での連絡や確認を必要とする場面が結構ある。営業職は外出先で電話・メール・チャットアプリ、最近ではスマホからZoomやTeams会議に参加することすら求められる。
雨風の激しい状況・両手がふさがってる状況でもスマホ着信に気付く能力、騒音下でも相手の言葉を正確に聞き取る能力、重要情報を即座にメモれる能力を持ち、どのような状況でもSNSやメールを常にチェックできる人は営業職として優れている。この辺は器用さやマルチタスク耐性といった動作性IQも絡んでくるかもしれない。
また電車・車での移動中、お客様との商談中、食事休憩中、仕事によっては土日や深夜でも連絡が来るので、会社スマホに常時注意を払う必要がある。これはINFJの筆者にはできない芸当で、考え事に耽ったり集中したりすると、記憶からすっぽ抜ける瞬間がどうしても出てしまう(鬼着信や大量の未読LINEがあり後で青ざめるパターン)
T型(Thinking:思考)
営業職は思考型の方が有利であることが多い。理由は契約を受注して利益を上げ、実績を作るのが営業職の仕事だからだ。自分の要求を押し通し、権利や優位性を確保するしたたかさが求められる。有能な営業職は多くがエゴイストだ。
営業の本質は「利益誘導」だ。どんなに繕ったとしてもその本質からは避けて通れない。顧客に高く売りつけ、協力会社に安くやらせて差益を稼ぐ。その稼いだ利益を会社に納めて、組織に対する貢献と存在価値をアピールする。これを1か月単位でひたすら繰り返す仕事だ。
その成果は「数字」という客観的指標で評価され、「ノルマ」という形で義務を課せられるが、それを毎回達成できる人は出世するしそうでない人は出世しない。なのでこの仕事は良心や感受性、共感力といった諸々の感情機能が鈍い人の方が向いている。私情を挟まず機械的に淡々と業務をこなせる人の方が結果を出せる点はトレードと同じだ。
テイカー気質 ≒ 外向的思考(Te)
営業職は突き詰めると、利己的で冷徹な合理主義者ほど向いている。顧客に対しては値上げ提案を行い、協力会社に対しては価格据え置きを迫る。その利ザヤを大きく取れる人ほど優秀な営業マンということになる。
自分を評価してくれる上司に対しては常にイエスマンを振舞い、無能な上司は虎視眈々と下剋上を狙い、部下に対しては手柄は取り上げミスは厳しく追及・叱責をする。もちろん利益誘導するだけではヘイトも集まって仕組みが長続きしないので、自分が損しない程度に各方面に根回しは行うこともセットだ。それも織り込んでの合理的振る舞いとなる。
そうやって他人の持つ利益を自分のもとへ移動させ、自分が得する結果、優位となる状況を作り出すことができる人を「テイカー」というのだが、この傾向を持っている人は営業職として優れている。(逆に「ギバー」は利益誘導を使命とする営業職には向いていない)
P型(Percieve:知覚)
営業職は柔軟型の方が向いている。なぜなら契約を受注で来るかどうか、数字が達成できるかどうかは最後まで分からないため、計画など意味をなさないためだ。着地点が見えなくても行動できる探索思考を持った人の方が有利な仕事だからだ。
営業職は突発的対応が非常に多い。クレーム対応然り、業者のミスしかりだ、会社の無茶振り然りだ。いつだって準備不足で、割り込み、差し込みも頻繁にあるため、いっそ身構えず出たとこ勝負で状況に順応できる人の方が良い。着地点は進みながら見えてきたところにその時設定すればいい。
仕組化や情報共有による再現性の確保は本来真っ先にやるべきなのだが、忙しい営業職の現場では顧みられることは少なく、属人的かつ実力主義な風潮になりやすい。そのため営業部門は組織というより個人商店の集まりといった雰囲気になりやすく、結果オーライとなりがちだ。営業職はこうした環境上の理由からもP型が活躍する職種といえる。
もうひとつ。営業職はかなり個人主義的な仕事だ。チームワークや連帯感はあまり必要なく、P型のように個人プレーが得意な人の方が向いている。上司や同僚に対する気遣いは必要ないし業務改善も必要ない。やったとしても数字が稼げないと無駄に終わるし、やらなくても数字さえ取れれば喜ばれる。あくまでも結果(数字)がすべてだ。
そういう仕事なので、中途半端に組織志向を刺激されて利他性や改善思考を発揮したり、再現性を確保しようとしてもそれはノイズにしかならない。「人のことよりもまずは自分のことをやりなよ」となるのだ。そういう意味では営業職は一般的感覚とは少しズレた仕事といえる。
2.心理機能で見た場合
心理機能でみると、Se(外向感覚)か、Te(外向思考)+Si(内向感覚)を持っている人は営業職向きだ。つまりST型+ESFPというところになる。あとはESFJ、ENTJあたりもいけるだろう。
視覚的情報処理に優れるSeユーザー
まずSeユーザーは前述の通り「間合い」と「当て勘」が強い。気持ちの切り替えが速いのもよい。
この点INFJが営業を行うと、言葉の「意味」にとらわれがちだ。きちんと説明できているか。意味が通じているか。齟齬や誤解はないか。そこを注目するあまり空間情報や視覚情報がゴッソリ抜け落ちてしまう。そして失注や解約があると引きずる。内省してしまうことでさらに腰が重くなってしまう。
この点Seユーザーはもっとわかりやすく「見た目」から入る。声のトーン、目線、相手の呼吸のタイミング、相手の注意がゆるんだその瞬間に本題に入る、といった形で視覚的・瞬間的判断に基づき、テクニック・スポーツ的観点から営業行っているようだ。
会話の意味は「受注or失注」だけあればいい。相手が理解できなくても納得できなくても受注させれば勝ちだし、全部丁寧に噛んで含めて説明しても失注してしまえば負けなのだ。だから「意味」を重視しすぎるのは営業ではナンセンスといえる。
メラビアンの法則というのがあって、コミュニケーションは視覚情報が55%と過半数を占め、次に聴覚情報が37%で、言語情報はわずか7%しかしなないという。筆者の体感的としても有効だと考えている。なんせ世の中は70%以上の人間がS型なので、マーケティング的考え方をすると真っ向から否定することが難しい。
ファクトベースに優れるTe+Siユーザー
Teユーザーは数値・規則・仕様といった客観的根拠、Siユーザーは事実認識と時系列性に優れている。そのため会話に憶測や可能性は入らない。憶測や可能性がないので断定的表現で言い切りができる点が強い。
INFJが営業を行うと、仮説や憶測が無意識のうちに入ってしまい事実性がぼやける。また将来における失注・解約リスクや、履行不能リスクといった予見可能性を危惧するあまり、お客様に対してアクションを打てなくなる状況もよくあって、迷いや葛藤といったノイズになる。
Te+Siユーザーの思考からはこうした仮説や憶測、予見可能性は排除されるため、状況判断が速く迷いがない。後でできなくなったら、それはできなくなったその時に伝えればいいし、不利益となる情報は聞かれない限り話さなくてもいい。なぜ話さなかったのかと聞かれたら「聞かれなかったから」と返せばいい。告知義務がない限りそれで問題ない。
ついでいうと、営業職は上司・同僚ともにESTJ・ISTJ率が高いため、こうした思考回路を持っていると思考や波長が合うので話が早い。メール報告や稟議や申請の手間が少なくて済み、友好な関係性を築けることが多い。背景や可能性に惑わされず、今目の前で必要なこと「だけ」を迷いなくミスなく行う能力は営業職として重要な適性になる。
3.上記以外の存在:ESFJ
上記以外にはESFJも割と営業管理職には多い。理由は主機能Fe+補助機能Siの派閥形成能力の高さにある。
このタイプはESTJ程数字や結果にシビアではないが、客との関係性構築・および社内政治が異常に上手い。そのため結果的に営業職をうまくこなせ、また結果的に出世してしまう。Si補助機能ゆえにミスも少ない。
ESFJは一見社交的で優しそうに見えるが、内輪と外輪、敵と味方を明確に区別するタイプであるため一度嫌われると厳しい。特に持論を展開したり、意見することはやめておいた方がいい。立てたり従ったりしてやり過ごした方が良い。
たとえば未達・失注・解約といった場合は「君が失敗したことで上司や同僚に迷惑を掛ける」という感じで罪悪感を使って追いこんでくるので、ある意味ではESTJよりも怖い相手になる。フレンドリーさにだまされてはいけない(2敗)
4.まとめ
今回は営業職に向いているMBTIについて考察してみた。ESTPがトップ、次いでESTJという長い割には何のひねりもない結果だが、やはりそれだけSeまたはTe+Siが有用だということなのだろう。
ではINFJやINFP、あるいはHSP気質の人には営業職は無理なのか…と言われれば決してそんなことはない。筆者がその証明である。だから性格タイプを理由に安易に営業職をあきらめる、毛嫌いして避ける、選択肢から外す、ということはしない方がいい。
とりわけ文系男性の場合は選択肢が極端に狭まってしまい、無職・フリーターのリスクが一気に高くなってしまうからだ。こうなると非常に厳しい(経験談)
HSPの営業職サバイバルはそのうち書くと思う。参考になるかどうかはわからないが。