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インバスケット演習サンプルその20:指導に従わない部下

今回のサンプルは、上司からの指導に従わない部下がいるというケースです。

問題内容

貴方はある製造機械メーカーの舞鶴工場 新任製造課長です。前任者の机を確認してみると、組立斑に長年勤めている田代さんから提出された始末書が置いてありました。

〇〇課長
飯塚班長より始末書提出を指示されましたので、筆を執りました。
「2M以上の高所作業時には安全帯を付けるように」との指導内容ですが、長年この作業に携わる私からすれば作業の邪魔になるだけであり、全くもって不要と考えます。その為、今後も着用は致しません。
単なるルールの押し付けではなく、作業効率をアップさせて会社の生産性向上に努める事こそがマネージメント職の責務ではありませんか?そこの辺りをきちんと考えて頂きたい。

<始末書に貼られた付箋>
こんなふざけた内容の始末書は見た事がありません。私が何か間違っているのでしょうか。どのように指導すべきか、ご指示頂きたく。 飯塚

田代さんの前衛的な始末書に対して、飯塚さんはかなり腹を立てている様子。この二人に対し、貴方はどのように対処すべきでしょうか?

次のアクション例

  • 飯塚さんの気持ちを一旦受け止め、感情のまま行動しないように落ち着かせる

  • 本件の問題点を整理し、指導方針をまとめるよう飯塚さんへ指示
    ①高所作業(2M以上)に関する法律では、どのような措置が要求されるか
    ②社内の業務規程や作業マニュアル等で、どのような墜落防止措置が規定されているか
    ③安全帯の着用が、本当に組立班の作業を妨げているのか

  • 安全衛生担当部門に、上記①~③についてアドバイスを求める

  • 田代さんに過去注意指導を行った事例があるかを確認
    指導歴があっても改善が見られない場合、人事部門へ内密に相談

飯塚さんが怒る気持ちも良く分かりますが、感情に任せて言い合いになるのは本末転倒ですね。将来のマネージメント候補として、飯塚さんにも部下の指導経験を積んで貰わねばなりません。

高所作業時の墜落防止措置は法律で定められており、単に動きにくいからという個人的な理由で無視は出来ません。きちんと理由を示した上でも指導に従わない場合、人事を交えてもう一歩厳しい対応を検討する必要があります。

一方で田代さんの言い分通り、今の作業要領が安全帯を付けたままでは到底出来ない内容になっている場合、作業要領の見直しが必要です。文面の印象だけで「田代さんが悪いだろう」と決めつけるのは危険ですので、十分に御注意下さい。

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