洋楽道先案内人ピーター・バラカン
ラジオパーソナリティー。幅広い音楽の知識。洋楽の道先案内人。なんとも心地いい声と優しい語り口。曲については、音楽面のみならず、時代や社会的背景を基に語ってくれる人。言葉で表現するならばそんな人物像です。いかにも英国人。偏見ではありません。敬意をこめて。
昨日、寝る前に、過去のラジオ番組(YouTubeで)を聴いた。バラカンさんはゲスト。女性パーソナリティーからの質問に、
「日本に来て、男性言葉と女性言葉があることに驚いた」
「会社で男性が話す口調がキツくて嫌だなと思って、自分は使わないようにしようと思ったので、それが影響しているのかもしれません」
と自身の話し方について答えている。もし、僕のこの文を読んでくださっている方。聴いてみて下さい。ラジオ愛についても語っています。面白いです。
外見。見た目はどうだろう。
例えば、私、小4で。落ち着いた知的な外国の紳士を書けと担任の先生に言われたら、バラカンさんに激似の人を書いたと思う。まだ少年Aはバラカンを知らない。
いや、ひょっとしたら、ニック・ボックウィンクルを書いた可能性の方が高い。余談だが、ニックは「相手がワルツを踊れば私もワルツを踊り、ジルバを踊れば私もジルバを踊る」と自身のレスリングスタイルを音楽に例えていたというエピソードを読んだ。いい例えばなし。米国のマッチョと英国の紳士が音楽で繋がった。
*ボック・ウィンクルかボックウィンクルか、【・】の入れどころを確認する為にWikipediaを調べてみたら、いいエピソードが。余談の余談だが。
まさに僕にとって道先案内人的な一冊。なにかのきっかけでヴァン・モリソンを聴き始めていた時で、バラカンさんが大のヴァン好きと知って購入した。
経歴。著者近影。
こんな感じでアルバム1枚にだいたい1ページを使って紹介している。「フットルース」と「ビバリーヒルズコップ」のケニー・ロギンスを『くまのプーさん』のケニー・ロギンスに変えてくれた。影響大。
せこせこと図書館に通い、蔵書から出してきてもらったな。コピーしてホッチキスで留めて。『まめっ』。
*個人で楽しんでいました。みなさん、図書館は宝の山です。
『まめっ』
次回来館の準備はぬかりない。久しぶりに見たわ、リクエストカード。
5部構成。
やっぱり、バラカンさんが音楽の世界に引き込まれていったであろう60年代、70年代が分厚い。
それぞれの副題でわかります。
60年代『ロックがいちばん熱かった時』
70年代前半『名盤がひしめく黄金時代』
70年代中盤以降『東京で音楽の仕事を始めた頃』
80年代『ポッパーズMTVの時代』
いま見たら、80年代選アルバム、激渋。
90年代『ロックはルーツを掘り下げ始めた』
「うひょぉー」僕の90年代感がバラカンさんの副題と重なってる。(嬉しい。バラカン先輩のおかげかな)
90年代で最後になります。ヴァン・モリソンしかり、60年70年代に登場したミュージシャンが年を重ね再びシーンに戻ってきた。あるいは、再注目されているという現象が起きてますかね。実力者ですから。
ルーツの音楽をやってみたり、進化したり、そのミュージシャンを慕う後輩と一緒に歌ったり。色々に楽しめるものが多い。そういう時期だったように振り返って思います。(ここ!ここ!ここを副題のくだりより先に書いていた!)
今も増刷されているのかなぁ。本屋で確認してみたいと思います。10年前に買っているから、結構最近のことだなと思った。
人それぞれ、心の音楽、心の曲があると思います。曲とともに思い出がある。恋人、家族、友達。ドライブ。ラジオ。あのころ遊んだ場所。バラカンさんはそんな人です。僕にとって。
ブルース・スプリングスティーンの『ライブ特番「ボーン・イン・ザ・USA」ツアー』を深夜にやっていました。
「何故こんなに多くの若者がブルースに熱狂するんでしょうか。ブルースの曲に出てくるダンスパーティーは日本のティーンエイジャーの文化にはないでしょう。ただ、そこにある若者の悩みは、世界中の若者、日本の若者も同じように持っているものです。だから、これほど多くの人にブルースの歌は支持されているのだと思います」
そんな風に言ってくれました。
番組の最後、1分程度の短い時間で。
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