『MinuteGlass』ゲーム紹介
今回、フリーゲームクリエイターゆきみや先生の処女作『MinuteGlass』の先行プレイとゲーム紹介を担当させていただきました。
『MinuteGlass』公開ページ:https://www.freem.ne.jp/win/game/26418
本記事ではゆきみや先生へゲーム制作への思いや『MinuteGlass』に関する少し踏み込んだ質問をさせていただき、より多くの皆様にゆきみや先生の世界を覗いていただければと思います。よろしくお願いいたします。
とある宇宙旅行の最中、少女リリアンの船は故障してしまいました。
助けもない、酸素もない、残されたわずかな時間の中で、彼女はどう行動するのか。何を得ようとするのか。そして、いくつもの可能性を経て、リリアンが辿り着く結末とは。それはあなたの選択にかかっています。
これはひとり大きな宇宙に放り出されてしまった少女とあなたの、とてもちいさな冒険譚。不思議で可愛いSF探索をお楽しみください。(ふりーむ!紹介文引用)
『MinuteGlass』は宇宙旅行ができる、キャラクターも人間が更に進化した姿をしている等、私たちには現実味がないほど未来の様子を描いたSF世界です。しかしドットで作られた背景は白や灰色を基調としたどこか懐かしいカラーリングで、非常に短いプレイ時間の中でもそのレトロで温かみのある不思議な世界観にのめりこむことができます。
それでは、ゆきみや先生への質問も含めて私の感じた『MinuteGlass』の魅力を追って紹介していきたいと思います。
Q.ゲームを作る側になろうと思ったきっかけは何ですか?
A.きっかけは昔プレイしたフリーゲームです。『Ib』『霧雨が降る森』『りるれふ』『魔女の家』といった著名なフリーゲームにのめりこみ、ゲームって個人でも作れるんだな、自分も作ってみたいな、と思ったのがきっかけです。
ゆきみや先生が挙げられたのはノベル化されたものやSNSでも二次創作が盛んな作品で、私も知っている有名なゲームばかりでした。これらはホラー要素や考察に重点を置いたフリーゲームで、いくつかのエンディングが用意されていることも特徴的です。『MinuteGlass』の探索を繰り返しながら主人公に起こった出来事を深堀りしていくシステムは、フリーゲームにおいて王道でありながらプレイヤーを飽きさせない魅力的な要素なのでしょう。
Q.いつ頃からゲームを作っているのですか?
A.主にビジュアル面でゲーム制作の協力をしたことはありましたが、システム作りやシナリオを考えたのは今回が初めてでした。「MinuteGlass」を作り始めたのが一年前なので、本格的なゲーム制作はその頃からになります。
一年前と聞いて、私は少なからず驚きました。ドットを用いたフリーゲームは私もいくつか見てきましたが、ゆきみや先生のゲームはドット特有の硬さを残しつつも、きめ細やかで柔らかい印象があります。非常に少ない人数でも初心者でもクオリティの高いゲームを作れるのは少し前の年代にはなかったことだという驚きもありますが、かなりの短期間でこのゲームを作られたゆきみや先生のセンスにも感心させられました。
Q.ゲーム制作の中で特にこだわっていることは何ですか?
A.見ていてわくわくするようなマップ・背景にこだわっています。マップや背景は世界観を一番示せる部分なので、細かい要素をたくさん入れて、隅々まで見たり、歩いたりするだけでも楽しいと思ってもらいたいです。最近アニメーションの作り方が分かってきたので、積極的に取り入れています。
私自身プレイさせていただいて一番感動したのは遊び心溢れるマップです。収納のある天井へ装置を使って張り付いたり、ミニゲームもシンプルな操作ながらコツが必要で、つい夢中になってしまいます。特におまけのステージのアニメーション背景は圧巻です!ぜひ最後までプレイしてみてください。
さて、ゲームには欠かせない要素である世界観やシステムについて紹介させていただきましたが、最後にBGMについても触れさせていただきます。BGMを担当されたのは、多くの企画や同人作品で作曲・編曲をされているゆめ先生です。
「ゲームのストーリーと設定資料を見たら、秒速で曲が降ってきました!」というゆめ先生に、『MinuteGlass』のBGM作成でこだわったポイントをうかがいました。
『MinuteGlass』はストーリーの深さ、宇宙船のイメージの美しさ、そしてキャラクターの可愛さの全てが印象的でした。メロディラインである反響音強めのピアノソロは、広大な宇宙にたった一人という孤独感をイメージしたので、和音にはせず単一音にすることで寂しい響きにしています。「もう帰れない」という悲壮感を表現するのはとても難しかったですが、共同制作者であるもちのもふさんの協力もありスッと悲しみが差し込んでくるコード進行に仕上げることができました!
『MinuteGlass』の世界観は一曲のメロディで構成されています。
こちらは私が初めて拝見したゲーム制作の様子です。このツイートから『MinuteGlass』を知り協力したいとお声かけさせていただいたのですが、私にとってもこの曲は印象的でした。宇宙という無限に広がる可能性は温かみを感じますが、同時に漠然とした恐怖も覚えます。そんな宇宙を舞台にしたゲームの世界を表現するためにはゆきみや先生のドットはもちろん、ゆめ先生の曲も重要ですが、たった一曲でひとつの世界を表現できてしまうのかと驚きました。
私もテストプレイを兼ねて何度も遊ばせていただいて、『MinuteGlass』の魅力を堪能させていただきました。ゆきみや先生のTwitterアカウントは制作途中の様子やキャラクターデザイン等も掲載されているので、ぜひゲームと合わせてご覧ください。
「ここを調べたらどうなるだろう」
「次はこうしたら何が起こるだろう」
「これを知ったら次に自分は何をするだろう」
ひとりの少女の死から好奇心が止まらなくなる『MinuteGlass』、あなたはどこまでこの世界を覗いてみるでしょうか。
『MinuteGlass』公開ページ:https://www.freem.ne.jp/win/game/26418
ゆきみや先生 https://twitter.com/yyyyukkkke
ゆめ先生 https://twitter.com/coolskeleton076
渡莉鴉 https://twitter.com/Ra_jasmine_ven