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【多文化共生って?】あなたの周りを見渡して、地域で出来ることを考えよう!

この記事は、周南市の魅力をPRする周南市市民ライターの活動として発信しています。

「多文化共生」と聞いて何を思い浮かべますか?

「外国の人に日本の文化を紹介したり、一緒に行事を楽しむことかな?」
「共生って何だろう?」

2024年(令和6年)7月6日、周南市において「多文化共生講座」が開催されました。
なぜ今「多文化共生」が必要なのか、外国人が実生活で困っていることは何なのか、そして私たちがどのように行動することが「多文化共生」につながるのか。

講演とワークショップの様子をご紹介します。

多文化共生講座ってなに?

私がこの講座に興味を持ったきっかけは、周南市から発信されたXの投稿でした。

「多文化」や「共生」という言葉は知っているけれども、実感を持って心に響く言葉ではありません。

今回は講師の先生による講演とワークショップが行われます。

「どのようなお話が聞けるのか、ちょっと出かけてこよう!」
Xの投稿を見て、勢いで申し込みをしました。

どうして多文化共生が必要なのか?

講演会の様子

なぜ今「多文化共生」が叫ばれているのでしょうか?

民族や人種を超えて相手を理解する大切さは、分かります。

しかし「共生」という言葉からは、「交流」とは違うニュアンスを感じていました。

日本の抱える人口減少問題

日本の人口が年々減少していることは、周知の事実でしょう。

周南市でも1985年の167,302人をピークに、2024年5月現在では135,555人まで減少しています。
減少率は19%にも上るのです。

人口が減少し高齢化が進むと、労働人口も減少していきます。
世界的な傾向として、労働力は人口が多い地域から少ない地域へと移動します。
足りない労働力は、人口の多い地域から働き手として助けてもらわなければならないのです。

中国や韓国、シンガポールなども人口減少社会へ突入する中で、社会基盤を支える労働力は世界中で取り合いとなる未来が予測されます。

外国人を受け入れ共に生活を送るのが「共生」

実際に日本で暮らす外国人住民の数は増え続け、周南市では総人口の約1.22%を占めています。

この数値ではピンとこないかもしれませんが、2%を超えると街の中で暮らしを営む外国人を見かけるようになると言われました。

NPO法人 多文化共生マネージャー全国協議会 副代表理事の高木和彦さん

「今の時点で周南市であまり外国人を見かけないのは、『すみ分け』で暮らしているからでしょう。街の中で多く出会う比率まであと一歩というところです」

日本で暮らす外国人と共存していくためには、一人一人の意識の変化が必要です。

「働く場所として、日本を選んでもらわなければならないのです。農業や漁業、製造業などはすでに外国人頼みです。長く地域で暮らしてもらうためには、多文化共生の地域づくりは欠かせません」

私にとって他人事だった「多文化共生」を、自分事として理解した瞬間でした。

外国人と日本社会の「3つの壁」

それぞれのグループに分かれて考えます

今の日本社会でなぜ「多文化共生」が必要なのかを理解したところで、現実に起きている問題点が示されました。

  • ことばの壁

  • 制度の壁

  • 心の壁

この「3つの壁」が外国人と日本社会の間に横たわっています。
先生からは、3つの壁を取り除くために必要な取り組みも紹介されました。

ことばの壁はコミュニケーション支援

ことばの壁を取り除くためには、コミュニケーション支援が必要です。

  • 行政の情報が多言語に対応しているのか?

  • 日本語を勉強する場所が提供されているのか?

  • 自治会の仕組みを外国人に説明ができるのか?

周南市の国籍別の外国住民数で一番多いのは、ベトナム人です。
最近ではネパールからの留学生も増えているそうです。
でも確かに、ベトナム語やネパール語の情報を生活の場で見かけたことはありません。

言葉がわからないと、生活に必要な情報や行政サービスを受けられないのです。

制度の壁は生活支援

私たちは決められた制度を活用しながら、日々の暮らしを営んでいます。
日本語を母語としている私たちでも、「制度」の説明は難解です。

  • アパートを借りる時に必要な手続き

  • 入学や進学時の手続き

  • 社会保険についての知識

どれも体験というノウハウがあるから「なんとなくわかる」のではないでしょうか?
習慣が異なる外国人でも理解できる手助けが必要なのです。

心の壁は多文化共生の地域つくり

居住する外国人の数がまだ2%以下の周南市では、「すみ分け」をしているのが現状です。

出会ったことがないから自分には関係ない。
そんなことはありません。

災害時などの緊急時には、地域で助け合って困難を乗り越えなければならないのです。

「今あるシステムに外国の人にも入ってもらう。地域の行事に参加してもらうために声をかける意識が大切なのです」

ワークショップで意見を出し合おう!

講演会のあとはワークショップで「3つの壁」を取り除くための支援を、自分たちの意見を出し合ってまとめます。

最初に出てきたのは実際のお困りごと

ワークショップの様子

私以外の4名の方は、普段から外国人の方と接点をお持ちだったCグループ。

最初に出てきたのは「どう接すれば良いのか分からない」という現場におられるからこそのお悩みでした。

仲間同士で集まってしまう

教会の集まりで外国人の方と出会う機会のあるAさん。
声をかけてみるけれども、相手は同じ国同士の仲間の輪から出てきてくれません。
「どうしたら良いのでしょう?」と問題提起からのスタートです。

ここからワークショップのテーマ「私にできること」と「みんなでできること」を考えます。

相手の国の言葉で挨拶をすることからスタートしては?

自分が外国で暮らし、現地の集まりで相手からされてうれしいことはなんだろう?

「やはり自国の言葉で挨拶をされたらホッとするよね」
「相手の国の文化を尊重していることが伝わるのではないのかな?」

ぽつりぽつりと出てきた答えを話していると、実体験に基づく意見も出てきます。

「実際に外国人に言語を教える時には、相手の国のことや習慣を調べてからコミュニケーションを取るよ」

さすが、皆さん普段から外国の方と接しておられる方ばかりです。

「私にできること」は今すぐにできること

意見をまとめます

出てきた意見をまとめると次のようになりました。

  • 相手の言葉で挨拶をする

  • 相手の国の文化を調べる

  • 相手のことを尊重してコニュニケーションをとる

  • 地域の行事に誘う

「みんなでできること」は少し難しかった

自分軸で考えられる「私にできること」は比較的簡単に答えを出せたのですが、「みんなでできること」は難航しました。

私には、「みんなでできること」は行政やコミュニティの仕事という意識があるからです。
自分がその立場に立ったつもりで考えなければ知恵も出てきません。

私たちのグループが出した結論は次の通りです。

  • 集まる場所をつくる

  • 相手の文化習慣を調べて知り、人にも紹介してあげる

グループごとの発表

発表の様子

話し合いの後は発表の時間です。
トップバッターだった私たちのグループ、なんとか時間内にまとめることができました。

出てくる意見はバラエティ豊か!

実際に外国人の方がいらっしゃるグループや普段から関わりが深い方々が参加しておられるグループは、意見もバラエティ豊かです。

Bグループの発表の様子

こちらのグループは「コミュニケーション支援」と「生活支援」という具体的な支援の内容から、「私ができること」と「みんなでできること」を考えておられました。

具体的な内容がとても参考になりました

Eグループには実際に外国人の方がおられ、出ている意見もとても具体的です。

当事者ならではのアイコンタクトやジェスチャーなどは、意識すればすぐに取り入れられます。

みんなでできることの「翻訳アプリを広める」では、皆さんがどのような翻訳アプリを使っているかというお話に広がりました。

私も紹介された「VoiceTra」は、その場でインストールしました!

発表するふじいさん

Dグループには同じ市民ライターをしているふじいさんが参加していました。
実はこのグループ、休憩時間もお互いに活発にお話しされている印象でした。

活発な意見交換

実際に困っている場面を想像して意見を出し合っておられたので、必要な支援とは何なのかがよくわかる発表でした。

「声かけ」から始まる多文化共生は地域を豊かにする

AグループからDグループ
EグループからGグループ

外国人が困っていることは実は日本人も困っていることです。
災害時に言葉が通じなくて避難が遅れてしまうケースなどは、隣近所との関係が希薄になった都市部では日本人でも起こり得る事例でしょう。

ちょっとした声かけや気遣い、勇気を出して誘った一言。
それが「多文化共生」を進め、地域を豊かにする未来へとつながるのです。

私たちが市民としてできる小さな「声かけ」は、外国人の方にとっては地域社会への大きな一歩となる可能性を秘めています。

そして外国人のための「多文化共生」は、私たちの未来をも変える力を持っているのです。

▲文章中の具体的な数値は、講演会資料を参照しています。


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