【使える!伝わる!英語でひと言!Vol. 8】
英語で伝えるのが難しいとか、苦手だからと敬遠している方がいたら、まずはそんな「思い込み」を解き放って頂きたい。意外と知っている単語だけでシンプルに伝えることができるものです。知らないのは「使い方」。仕事のなかで、プライベートで、さっと使えて伝わるひと言を紹介します。
★今日のひと言★
We identified the cause of the problem.
問題の原因を特定しました。
今回は冠詞(the, a/ an)についてです。冠「かんむり」と言う漢字が付くように、名詞の頭に乗せます。他の欧州言語にはもっと細かい区別もありますが、日本語には無いので感覚的にわかりづらいですよね。しかし聞き手とっては冠詞の有無で理解に差が出ます。ここでは使い方をおさらいして、明瞭な英語を目指しましょう。
《Theは"THE"、唯一無二のそれだよ「それ」!》
既に話題に上がっていたものを話す時は、the「それ」を冠詞として名詞の前に付けます。(メーカーという勤務先の特性上、製品開発で例えさせて頂きますが、ご了承下さいませ。)
例えば同じ製品の中にも問題といえばA(作動ONせず)もあったし、B(作動ONするが応答せず)もC(応答異常)もあったとします。(実際そんなに出たら完全な不良品ですが…。) そのうちのA(作動ONせず)という問題の原因について調査し、原因a(異物混入)を特定することができました。原因b(破損)でも、原因c(部品不良)でもありません。そのa(異物混入)が原因なのです。
まさにそれだよ、それそれ! といった感じの時に、theが付きます。
とある問題(作動ONせず)が見つかったという段階なら、 a problem です。複数の製品で発生していても同じ問題A(作動ONせず)であったなら一つの問題としてとらえます。
(1) We found a problem on the screen.
(その)画面上で、(何か一つの)問題を発見しました。
(2)As a result of investigation, we could identify the cause of the problem.
調査の結果、(そのAという)問題の(そのaという)原因を特定できました。
(3) We will take countermeasures to prevent problems.
これから起こり得る不特定多数の問題を防止するために、(いくつかの)対策をとります。
他の問題もあるかもしれないので、複数形の problemsとします。そして問題の対策内容が了解済みで「この対策をとります」と言うなら、the countermeasure または this countermeasure です。しかし未だ対策がはっきりしていないなら単数で a countermeasure くらいにしておくのが無難かもしれません。
《無冠詞: 何もつけない》
大文字で始まる固有名詞ではない。でも冠詞が付かない場合とはどんな時でしょうか。よくあるのが建物や手段などの前に前置詞 (to, from, at, by など) があり、その建物や手段自体には焦点がおかれない場合です。
(4)「学校へ行きます。」と言いたい場合
(4-1) I go to school.
「学校へ通っています。」
つまり私は学生です。
(4-2) I go to the school.
「(その特定の)学校へ行きます。」
保護者がPTAで行くのかもしれません。
(5)「子供たちはベッドへ行った。」と言いたい場合
(5-1) Kids went to bed.
「子供たちは寝た。」
夫婦間で、自分たちの子供とわかっているので the は不要。日本式の布団かもしれないが、ベッドへ行ったことよりも就寝したことが話しの焦点。
(5-2) Kids went to the bed.
「子供たちは(その)ベッドへ行った。」
(5-1)と同じで、自分たちの子供。theがついてbedに焦点が置かれているので、新しい特別なベッドかな?
(5-3) The kids went to bed.
「(その)子供たちは寝た。」
まとまったその特定の子供たちが、眠りに就いたことを言いたい。子供に焦点が置かれていて、物語の一文のよう。
(5-4) The kids went to the bed.
「(その)子供たちは(その)ベッドへ行った。」
特定の子供たちが特定のベッドへ行った。修学旅行などで就寝時間後の見回りをする先生同士の会話みたい。
《会話の方が、書くより簡単!》
顔を合わせてのコミュニケーションでは、人は相手の表情やジェスチャー、言葉のイントネーションといったものからほとんどの意思疎通をするそうです。つまり、あまり冠詞などにこだわらなくても、雰囲気から内容はわかるということなんですね。むしろ書いて伝える方があなたの表情が見えないため、冠詞によってとんでもない誤解を生むのかもしれません。
(6) bike「自転車」に無冠詞、所有代名詞 my、定冠詞 the、不定冠詞 aを付け、意味をはっきりさせる。
I can get there by bike①, but my bike② was broken yesterday.
I will take a bus today instead of the bike③. I will buy a new one④ in this weekend.
「そこへ自転車①で行けますが、昨日、私の自転車②が壊れてしまいました。
その自転車③の代わりに、今日バスを使います。今週末、新しいの④を買います。」
① 手段としてどの自転車でもよく、1台でも2台でも関係ありません。by の後の手段に冠詞は不要です。
② 壊れたのは「私の自転車」なので、そこをはっきりさせます。
③ 既に「私の壊れた自転車」を特定しているので、the(その)をつけます。
④ bikeが何度も登場するので、bikeの代名詞としてoneを使いました。 new one(bike)「新しい自転車」が1台欲しいので、aをつけます。
《“THE Chocolate”》
使い方として正しいかは別として、日本の某有名製菓会社であるM社に、こんなネーミングのチョコレートがあります。こだわりの一品だそうですが、「これが(真の)チョコレートです!(他はチョコレートとは呼べない!)」というように、私は受け止めてしまいます。ごめんさない、M社さん。でも…
I love this chocolate.
I also like the other chocolates.
Basically, I like chocolates!
このチョコレート大好きです。
(M社の)他のチョコレートも好きです。
基本的にチョコレート(というもの)が好きなんです!
by あきりんご🍎