残りの検査前日まで
11日の検査初日が終わると、母とは楽しい時間を過ごしました。
翌日は20年近くお世話になっているタイマッサージやアロマオイルトリートメントを行うモトコさんに家まで来ていただいて母に施してもらいました。
モトコさんとはこんなやりとりをしました。
私「そろそろお戻りになった頃でしょうか?
本日はありがとうございました!
母は気持ちよかったし、お話も楽しかったようで満足そうでした。
これで心残りはありません笑笑
ところで野暮なことをお聞きしてもいいですか?
来週、母はCTと骨シンチの検査を予定しているのですが、骨シンチって素子さんもお受けになりましたか?
注射以外の痛みはないのか、安全性も不安だけど、リスクばかりに目を向けていてもよくないとは思うのですが、ご存知のことがあれば教えていただけますか?
今日はお疲れ様でした!!
まだお仕事は続くのでしょうが、今夜はごゆっくりお休みくださいね。」
4月12日 PM 4:25
モトコさん「こちらこそ有難う御座いました。
高級なワインも頂いてとても嬉しいです。
私の時は乳房部分限定の癌とわかっていたため骨シンチは受けず術後抗がん剤、放射線、ホルモン剤治療の一年後に他の箇所に拡がっているか調べるとの話でした。途中で勝手に医者から離れたの受けていないのです。
医師もあまりすすめたくなかった気がしますが広がったガン細胞はそれが一番明確になる様でした。」
PM 4:59
「全身骨部分に癌細胞があるかどうか明確になると言う事はかなり強烈なんだと感じました。
お母様には娘には言わないで、と言われたのですが胸のシコリはかなり心配な感じです。」
PM 5:05
モトコさん「素人ながらに思うのは胸のシコリから膿や血が滲み出ている状態なので骨シンチは受けた方がいいかもしれません。
もし自分の母だったら、、と考えます。
お母様にとってはお辛いかもしれませんが検査で事実を確認しこれからの方向をその時々選択肢を広げて親子関係を大切に過ごしたいと思います。
「切ったからって良くなるわけでもなくこのままでいい、何もしないししたくない、私の事より娘が旦那さんの周りにもっと良くして上げて家族幸せになる方が大切だ」と母ならではの言葉に納得しか有りませんでした。」
PM 5:21
モトコさん「こちらからも連絡しようと思っていました。行き過ぎる発言かもしれませんが一度どれぐらいの状態かだけでも把握した方がいいと思います。
又何か有れば連絡下さい。経験範囲で出来る事は致します。」
PM 5:27
私「血がにじみ出ているとまでは気づいていませんでした。
昨日見たときも医師も半年は大丈夫だと言っていたので。。
アドバイスありがとうございますm(_ _)m」
PM 5:32
モトコさん「お母様の上半身の下着をそっと見て下さい。胸の部分に滲んでいるご様子です。
心配かけない様にサッと隠されましたが、、
何とか良い方向に向かえば良いですね」
PM 5:36
私「それは乳首から出ているようです。漂白しようといつも思うのですが、毎回追われるように帰京し時間がなく。。」
PM 5:44
モトコさん「下着の膿の原因が気になります。でも医師はその事を認識しているのですね。」
PM 5:55
「検査は是非おすすめします。」
PM 5:56
私「膿は下着についていたものなのですね。了解しました。
ご心配くださり、ありがとうございますm(_ _)m」
PM 5:57
「膿までは認識していないように感じました。」
PM 5:58
モトコさん「お母様も人への気遣いが深い方ですから分かりづらいかも、
ゆっくり様子をみるしかないですね」
PM 6:02
4. 15 (Fri)
モトコさん「夜分すみません
お母様はいかがでしたか。
私自身立ち入り過ぎた忠告をしてしまったと反省しています。
ごめんなさい
良い方向に向かうといいですね。」
PM 9:47
4. 16 (Sat)
私「おはようございます。
そうですね、いつも客観的なモトコさんにしては熱いアドバイスだったので、それだけに感情に訴えるものが大きい状況なんだなと感じていました。
姉の気持ちも少し感じ取れたように思いました。
病院での検査や治療のデメリットの情報は少なく、だからといって躍起になってそれを探したりむやみに怖がるのもホドホドにしようとも思いました。
治療にしても生活にしても感情にしても、ちょうどいいところに落とすのが難しいですが、検査によってより現実的なものになると前向きに捉えようと思います。」
4月13日 AM 5:26
「母は昨日はかなり帰りたがっていましたが、写真を見たりして忘れさせるのに時間がかかりました。
その点では子どもと一緒ですね。
でも、一生懸命耐えているのはわかりはやはりそこは大人ですね。
アロマもとてもきもちよかったと言っていました。
ありがとうございましたm(_ _)m」
AM 5:29
モトコさん「丁寧なご返信有難う御座います。
流石です!素晴らしいお気持ちの整理をされたと拝読しました。
お母様は包容力や母性愛みたいなものが高く人としての魅力が溢れています。人を幸せにしてくれる雰囲気をお持ちで私自身がそうでした。
私はそんなお母様に魅了され少しでもKellyさんご家族とお幸せな時間を過ごして頂きたいと、つい感情が揺さぶられました。
素敵なお母様に会わせて頂いたのも長くお付き合いして頂いている事もKellyさんに改めて感謝致します。
色々なお気遣い有難う御座いました(^^)」
AM 8:29
いやいや、モトコさん、あなたが素敵ですよ。
この方とお付き合いしてきた意味がはっきりわかったような気がしました。
母も意外と落ち着いていて、私の夫や娘とも特に衝突することもなく、穏やかな時間を過ごせたと思います。
欲を言えばもう少し話しかけてほしいと思ったけれど、元々二人ともそういうキャラではないので無理にさせない方が得策と思い黙っていました。
母は5分以上歩くのはつらそうなので、近所のラーメン屋や産直系の市場に行ったりと狭いエリア内でしたが、子供の頃は食堂の仕事で忙しかった母とそういった時間が持てることがいまだに信じられなぐらいゆったりとした時間でした。
そして検査は明日になりました。
モトコさんとのやりとりで、すっかり検査に前向きになっていた私ですが、やはり不安は拭えずにいます。
Facebookの乳がん患者さんのグループに入れてもらい相談を投稿するということも今頃始めてしまいました。
新参者の私に様々な体験談を寄せてくださりありがたいことです。
中には6回も骨シンチ検査を受けている強者もいて、だからと言って安心というわけでもないですが、どちらかというと数十分もの間、認知症の母が圧迫感のあるドームの中で動かず耐えられるのか心配になってきました。
でも無理のない範囲でできうる限りの解決策を見出そうと決めたので、行くだけ行って、母が嫌がったら無理させずに帰ってこようと思います。
そんなやりとりをしているうちに、母の質問責めが激しくなってきました。
夜になると「家に帰りたい」が始まるのですが、いつも食事をしたり、お風呂に入ると落ち着くのですが、今夜は「自分がどこにいるのかわからない」、「自分が明らかに変だ」というのです。
認知症の人は新しい環境についていけない。
恐れていたことが起きたようです。
以前にも母の自宅でこのような混乱する姿を見たことがあります。
今回が初めてではありません。
明日の朝、何事もなかったように明るく挨拶してくれることを祈りながらこれを書いています。
切ないと思い一人涙したのが、何度か「誰もいないところに帰りたくない」と呟いたことです。
いつも気丈に「一人で大丈夫だから!」と啖呵を切る母が、そんな弱気を吐くのは珍しく、家に帰りたいと言う本能的な気持ちを我慢していたかと思うと・・・。
「このままここにいたいけど心と体がついていかない」と感じているとすれば、認知症とはなんと残酷な病状なのでしょう。
明日が早く終わってしまえばいい、と言う思いと、これから私はどうすればいいのかと言う迷いとで、今夜は長い夜になりそうです。
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