記事から 日本語教育、薬剤師、スポーツ指導、鉄道民営化 2024年5月13日

「外国にルーツがあり、母国語も日本語も十分に使えない「ダブルリミテッド」と呼ばれる状態の子どもたちがいる。」
「自動車関連工場の多い同市で暮らす外国人の数は当時から増加傾向にあり、来日した子どもたちが授業についていけず、次第に学ぶ意欲を失ってしまうケースも耳にしていた。」

移民で低賃金労働を補填することでその産業を存続させた(短期的利益)。
しかしその子どもたちが日本語を修得できなければ、彼らをケアしなければならないのは結局は日本社会なのだ(長期的損失)。
それを防ぐには、子どものうちに十分な日本語教育を与えることが必要だ。しかし、移民労働力の受け入れには熱心でも、彼らの子どもたちへの教育体制を予め整えることは不十分だったようだ(目先の利益しか見ていなかった)。

日本の社会・国家が「オイシイ話」に乗った帰結と言うべきだろう。
そして深刻なのは、そのオイシイ話の犠牲が子どもたちであるということだ。

できることは、今からでも日本語教育への資金と人材育成を拡大していくことだろう。それは自治体財政を圧迫するかもしれない。増税にもつながりかねないことだろう。しかし子どもたちの将来がかかっている。
構図としては、低賃金産業のツケを市民全体が払う形になる。教訓とすべきであろう。

ストア薬剤師
「現場の薬剤師には一定の売上目標が課されているケースが多く、利幅が大きな要指導医薬品や第1類医薬品、栄養ドリンクなどをより多く売るように言われているケースもあります」
売り上げが増えれば給料も上がるのは道理だ。
「また夜勤についても近年では24時間営業や深夜営業のドラッグストアが増えており、薬剤師にとっても夜勤は珍しくなくなりつつあります。」

病院薬剤師
「病院薬剤師は医師が書いたカルテを直接見ることができ、日々、医師や症状が重い患者さんと接するため、より専門性が求められる」
「病院だと積極的に利益を追求するということはやりにくく、経営面での利益率は低くなりがち。」
売り上げに乏しければ、給料が抑えられるのは道理だ。

責任
「ドラッグストアの社員といえども薬剤師は独立した存在として、ミスはすべて自分で責任を負わなければならないため常にリスクを背負っています」
「薬剤師がミスを見落としてそのまま患者さんに処方してしまった場合、その責任は薬剤師が負うことになり、個人で大きなリスクを背負っています。」

「とうとう(暴力で)やり返しかけました」「その瞬間、コーチが大きな声でその子の名前を呼びました。ベンチのほうに来るよう手招きし、やってきた子をくるりとコート側に向けさせると、その背中を抱きしめながら試合を見せました。
しゃがんで頬を近づけ、指差ししながらアドバイスもしていました。10秒ちょっとの短い時間です。その子が落ち着いたと見極めたのでしょう。コーチは「さあ、行っておいで」というように背中をトントンとたたいて、コートに送り出しました。私は感心しました。なるほど。後ろから抱きしめるのかと。とてもいいものを見せてもらった気がしました。」

人間に対する理解の深さが当意即妙の指導を可能にしているのだろう。
一朝一夕にできることではない(正当な対価が支払われるべきだ)。

「JRが営利企業になったことで、駅舎内スペースの商業施設としての活用など、利用者の利便性向上につながった面もあるが、不採算路線は切り捨てられることになった。」
「そもそも、鉄道ほど公共性の高い事業がそれほど巨額の利益を上げる必要が本当にあるのだろうか。」
「もはや詮ない議論かもしれないが、本来、利益を還元すべきは株主ではなく、国民だったのではないか。上場企業でなければ、株主還元など考える必要はなく、自社の従業員にしかるべく分配した後に、残る利益を使って通勤、通学の定期代を安くして国民の懐を助けたり、長距離運賃を下げて地方への人の移動を活性化させたり、社会のためにできることはいくらでもある。」


・民営であれば利益は上がる。しかし国民への還元がない。
・国営であれば国民への還元が可能となる。しかし還元するための利益が上がらない。
このようなトレードオフの関係があるのだとすると、どちらを選ぶかは価値観の問題だったのだろうと思う。


不採算路線からの撤退は、生活の足が奪われるという点でより重大な問題だ。
しかし、自治体に不採算路線を支える力がない。

「消滅可能性自治体」などと言われるが、地域における生産の機会も消費の機会も細くなった結果、人口が流出し、自治体が不採算路線を支える力をなくしたということだろう。

では国が支えるか否かという論点はあろうが、現状では否という状況であろう。

地方自治に求められること、できることは、身の丈に合った地域・政策をデザインするということに帰結するのかもしれない。


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