あんちょこは玉手箱。全身全霊のまなびの時間がここにある。
これをみると、当時のことがよみがえってきます。
このノートは私が助産師学生だった頃、臨床実習用に作った「あんちょこ」。
実のところ、この「あんちょこ」は作る予定なく、助産師学生のおとも的なマタニティアセスメントガイドという本を実習に持っていく予定でした。
改訂前の古いバージョンでしたが、この本です。
ポケットに入るサイズで、コンパクトにまとまっているので、実習に便利!と思っていたのですよ。
そしたら、実習先の臨床指導者(助産師)さんに
自分で作らなきゃ頭に入らないし意味がない
と、バッサリ。
そんなワケで、あわてて作ったあんちょこは、教科書や参考書、授業のプリントなど、分かりやすい図を縮小コピーして、無印のノートに張り付けて作りました。表紙には100均で買ったシールをとりあえず貼ったんですよね。
もちろん、自分でも書き込んでいます。
実習中にまなんだことも、このノートに書き込んでいます。
分娩進行をアセスメントするのに必要な視点に、所要時間を予測するための「フリードマン曲線」。
あんちょこのフリードマンに、鉛筆で時間を割り出そうしている苦労が残っていて、「あぁ、一生懸命だったな、私」と何とも言えない気持ちになるのです。
助産師学生の実習は、看護師学生の実習と比べ、はるかに濃密でした。
約4ヶ月にわたる病院実習は、分娩介助10件、ベビーキャッチ5件が必須です。(当時)
私の卒業した学校は、分娩第1期に重きをおいていたので、ただ件数を重ねればよいというワケではありませんでした。
分娩を担当した後は、そのまま母子が退院するまで受け持たせていただき、母子のケアを計画して実施するのも必須です。
毎日、毎日、変化を予測して計画を立てる・・・・分娩当番も回ってくる・・・・とにかく毎日必死でした。
実習メンバーで、母親学級の一部を担当させていただくにあたり、ものすごく準備を重ねたし、妊娠中期から妊婦健診に同行して、分娩介助・産後のケアまでを受け持たせていただく方もいたので、本当に毎日が濃密。
睡眠時間もほとんどとれないくらい、すべてをかけていたような時間でした。今振り返っても、よくやったなぁと感心するくらい。
そんな思いがすべてこのあんちょこにつまっています。
まなびは一生続きますが、
もう、あれほど全身全霊でまなぶことは一生ないでしょう。
かけがえのない時間を共に過ごした実習メンバーと、全身全霊で応えてくれた臨床指導者さん。
あれから16~17年経っているけれど
昨日のことのように鮮明に記憶しています。
しんどかったけど、楽しかったなぁ。もう二度とできないだろうけど・・・
今もう開くこともないけれど
このあんちょこは
私の学びの原点であり証。
少し落ちたときや、モチベーションが下がったときの支えになっています。
よ~し、頑張るぞ!