
「コントロールできないものがある」を受け入れる
去年の初夏の頃、子宝草の小さな赤ちゃん苗をいただく機会があり、はじめて子宝草を育てることになりました。
親株のまわりについている小さな赤ちゃん株。これを少し水につけて、根っこが出てから、土に植えかえて2つの鉢へ。
夏から秋へ、そして冬。季節は巡り春になった。
昨日、ふと気づいたら、葉っぱ2枚に、待望の赤ちゃん株がつきはじめているのを発見。しかも、赤ちゃんをはぐくみはじめていた子は、忘れられていた子でした。
忘れられていた子からのメッセージは、人も同じでコントロールなんてできないよって言っているように思えてならなかったので、ここに書き留めておこうと思います。
子宝草とは
子宝草は、多肉植物。子宝弁慶草、カランコエ、クローンコエ、マザーリーフとも呼ばれています。
名前の由来は、繁殖力からだと言われています。葉の周りに無数の子株が生えるのが特徴で、葉から落ちた子株が根付き、どんどん増えていくからだそうです。比較的育てやすい多肉植物のなかでも、丈夫で成長が早く、非常に育てやすいと言われています。
なぜ人気なのか
子宝草の人気の理由は3つあります。
・とても丈夫で育てやすいので初心者でも簡単に育てられる
・フリルをあしっているような可愛らしい葉っぱ
・子孫繁栄、子宝のお守り
特に、ベビまち・妊活女性の間では、子宝草を育てると赤ちゃんを授かるというジンクスがあるくらい、幸運の植物と言われています。「これで妊娠しました!」みたいなSNS投稿をたくさん見かけます。
育て始めた理由
妊活のサポートをずっと続けていた私。この子宝草を育てて、験担ぎにプレママさんにプレゼントしたいと思っていました。
以前のサロンはマンション。そして私もサロン以外に3つの仕事を掛け持ちしていたので、いくら育てやすい子だとしても、手が回らないかも・・・と思い、なかなか踏み切れませんでした。子宝草と出会いもなかったし、ね。
そして去年。父の認知症発症で、サロンを閉じ、実家へ戻った直後のコロナ禍。閉塞感から、たくさんのグリーンを育てはじめ、そのうちのひとつに、ようやくこのタイミングで出会った子宝草を育てはじめたのです。
いずれ、ここで、この場所で、仕事をはじめる。
それまでに子株をプレゼントできるようにと。
成長の過程
そこまで大きく育つとは思わなかった私は、小さな植木鉢にパラパラっと子株を植えました。その成長はすさまじく、夏の終わりにはもう植木鉢が「密」です。窮屈そうな葉っぱたち。これじゃいかんと、鉢を4つに分けて植え替えしました。
その植え替えがイマイチで、秋から冬にかけて、2つの鉢の子たちの元気がなくなり、室内でも屋外でも、日に当てても、葉っぱに勢いがなくなってしまいました。
あぁ、もうダメなんだ。ごめんね。と2つ鉢は屋外のベランダで放置。残った2つの鉢を室内で越冬させ、大きく育てていました。
現在もその2つの鉢の子たちは、元気で大きく成長中で、ちょっぴり「密」状態になってきているので植え替えを悩んでいるところです。
赤ちゃん株をつけた子
そして昨日。なんとなく、ベランダに放置していた植木鉢をのぞいてみたら、なんと、カラカラだった鉢の中でひとりだけ成長をつづけていた子がいました。その子が赤ちゃん株を付けはじめているではありませんか!
驚き以上のなにものでもありません。全く水やりもしなかったし、厳しい冬も屋外のまま。完全に忘れ去られていた子だったのです。
ものすごい生命力。あぁ、本当にごめんね。
逆に、屋内の子たちは、葉水や水やり、毎日声をかけたりと、それなりに手をかけて育てていましたが、大きくはなっていても子株はひとつもつけていません。
これって、何を意味しているのでしょう?
子育て・妊活へのメッセージ
子宝草の育て方や子育ても同じ。愛情をそれなりにかけて、大切に慎重に育てるより、おおらかにその子にまかせていいんだよとでも言っているように思えてなりません。妊活も同じで、頑張りすぎず、もっとざっくばらんでいいんだよって教えてくれているように思えます。
いのちのチカラってスゴイ。ヒトの想像なんかを軽く超えてくる。
まるでコントロールしようとしてもできないものがある。それに気付いて受け入れようねとでも言っているような・・・
自分の思い通りにならないジレンマがあったとしても、世の中は思い通りにいかないことの方が圧倒的に多い。特にヒトのココロやカラダなんて本当にそうだと思うのです。個別性・多様性を受け入れることもそのひとつなのでしょう。
人との関わりや暮らしの中で、気付いて学んでいくことの繰り返し。今回は強いお母さん子宝草から。私なりにメッセージを受け取りました。ありがとう。
この強い子の赤ちゃん株は、元気にたくさん育つでしょう。この赤ちゃんをまた育て、欲しい方にお分けしようと思っています。その子たちもたくさんの赤ちゃんをはぐくみ、いのちの尊さを教えてくれるに違いありません。
温室育ちの他の子たちも、ベランダに出してみたけれど、甘やかした分、どうなることやら。
だけど、手をかけすぎず、信じて待とう、見守りながら。
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