
貧血にはひじきが良いと言うけれど
貧血を食事で改善しよう思った時、ファーストチョイスは
レバー、ひじき、ほうれん草と言ったところでしょうか?
レバーは苦手だから、ひじきを選ぶ方って多いと思うんですよね。
私もひじき、大好きですもん。
日頃から、煮物やサラダ、豆腐ハンバーグや炊き込みご飯にと、ひじきを良く食べています。
でも、そのひじき。
ちょっと注意が必要な食材だってご存知ですか?
まずはひじきの弱点をお伝えする前に、スゴイところから確認していただきましょう。
ひじきの栄養成分
ひじきには鉄だけでなく、マグネシウムやカルシウムなどのミネラルや食物繊維が豊富に含まれています。
日本人が昔から食べていたひじきには、健康の維持・増進に必要な栄養素がたくさん含まれていることが良くわかります。
中医学からみたひじき
中医学的には、血虚・気滞・瘀血・陰虚などの体質にオススメで、肝腎要な肝と腎にはたらきかけます。
ひじきは血を補い、貧血や抜け毛、乾燥を防いでくれます。
血行を良くして水分代謝を高めてくれるのでむくみやしこり、しびれや痛みなどを和らげてくれるととらえています。
中医学的では黒い食べ物は腎に良いと言われています。
腎は、西洋医学の腎臓とちょっと違う「精を蔵し発育と生殖を主る」というはたらきがあります。うまれもった精と食べたものから作られる精。(精は生命活動の源のような意味)
なので、ちょっと虚弱な方や、赤ちゃんが欲しい方などは、腎のはたらきを良くしたいのです。
五臓のはなしになると、長くなるのでさらりと流してくださいね。
ひじきの弱点
さて、こんなに優秀なひじき。
唯一の弱点があるんです。
ご存じの方も多いかと思いますが、ご存じない方はぜひ知ってください。
それは・・・
ひじきの毒性です。
ひじきだけではなく、海藻類に含まれている「ヒ素」。ひじきはヒ素の含有量が他の海藻類に比べて多い。
だから注意が必要なのです。
でも、安心してください。
ちゃんと処理したらヒ素はほとんど減らすことができるので、食べ過ぎない限り問題は無いと言われています。
ヒ素を減らす方法
農林水産省のWebサイトや、先ほど貼っておいた日本ひじき協議会のWebサイトに詳しく載っています。
農林水産省のホームページから抜粋してご紹介しますね。
調理前のひと手間で
【水戻し(50%除去)】
水に30分→流水で20秒
【茹で戻し(80%除去)】
鍋で水とひじきを強火で加熱→沸騰後弱火で5分→流水20秒
【茹でこぼし(90%除去)】
水に30分→お湯に入れ強火で加熱→沸騰後弱火で5分→流水20秒
茹でこぼしでほとんど除去できることがわかります。
茹でこぼししても、ひじきに含まれる栄養素はほとんど減らず、7割は残っています。
詳しくはこちらのPDFファイルでどうぞ。
そうは言っても心配です
食品の安全性に関する国際規格で定められた、暫定的耐用週間摂取量は
0.015㎎/kg 体重/週
たとえば50㎏の方だとすると、0.75㎎/週になります。
農林水産省では、乾燥ひじき1㎏に含まれる無機ヒ素量は平均67gです。
これをグラム計算してみると
67㎎÷1.000g(1㎏)=0.067㎎(1g)となり、1週間に10gひじきを食べる生活を一生続けても、健康被害はないという計算になります。
水や茹でこぼしなどで戻したひじきの重さは約8倍になります
なので毎日大量に食べ過ぎない限り、心配はないということ。
小鉢程度であれば気にすることはなさそうです。
少し手間で面倒だけど、茹でこぼしするのが一番です。
さいごに
いかがでしたか?
職業柄、貧血気味の方にひじきをすすめることって結構あるのですが、必ず毒性があるということや茹でこぼしをしてからの調理を普段からお伝えするようにしています。
そうは言っても茹でこぼしって結構面倒ですよね?
なので私は乾燥ひじきを買ってきたら、一気に全部茹でこぼししちゃうんです。そして分割してジップロックで冷凍しちゃう。
そうすれば、冷凍したまますぐに調理に使えちゃうのでとっても便利ですよ。
ひじきは非常に栄養素が豊富で魅力的な食材。
毒があるならいいや!ではなく、上手に摂って欲しいと思っています。
こんな感じで助産師・分子栄養学アドバイザーの視点から栄養について書いています。
いいなと思ったら応援しよう!
