ちりぬる......を.... ママンの読書 「チムニーと女の子......。」
いろはにほへと
ちりぬる....を......
......
松の葉が
格子をつくり
訪れたのは 白い 静寂 ......
格子模様 の 向こう側
しんしんと、真っさらな 雪が降り始めていた。
しんしんと.... 音無川 の その向こう..
今まで 訪れたことのない? その場所で....
見たことのない 角度から
見たことのない 景色を
松の葉が 作る 格子模様
覗く 白い 世界
まるで 初めて 雪を 見たような 感覚
初めて?
いえ、
それでいて
懐かしいような ......
ここ の 奥が 安堵する....
白い子山羊を抱いて
松の葉の連なる 格子 の 向こう岸
深く 白く 重なっていく
砂は進んで 降りて 上がりて
繰り返し
いろはにほへと
ちりぬる....を......わかよたれそ ....つねならむ....
松の葉が 格子の窓を
曲がらないと 見えなかった 景色
曲げてみないと 現れない 線(みち)が そこに
トーネットの曲げ木椅子
ゆるりと 蒸気で温めながら ....
松の葉の 格子の 向こう ....
ポルカドットが 降り注ぐ
松に 梅木に 真綿のパフヲ....
この 紐の....
.... ひねり紐の
しんしんと....暮れていく
いろはにほへと.... ちりぬるを......わかよたれそ.. つねならむ
うゐのおくやま..けふこえて....
雪と 松が 池の跡
松木 も 梅木 も .... 灰みの石も ....
" 梅が実 を 松葉に水面に 鯉 跳ねる...... "
うす桃色の 絨毯を 灰み混ぜあい 夢の中
まどろみ ぬくもり
こころの色
葉桜に 風薫るかと
いつの間にやら
銀杏 金糸雀(カナリア)
南天紅葉 皆して 頬染めしのち
松に 衣と
真綿 の 暖を ......
いろはにほへと ちりぬるを..
わかよたれそ .... つねならむ......
うゐのおくやま けふこえて あさきゆめみし..
ゑひもせす...... 南無阿弥陀仏。 いつの世も愛と平和を……。
梅の実の 種の中こそ 実りあり......。
雪解けの
紫黒 の 夜から 白すみれ
子ヤギを 抱く カシュクールのワンピース が
しずかに 微笑む 月白の 朝
......。
****
ママン、ママン ったら、
また 今日も うたた寝....
いつも 途中で....
うふふ....( ちゃんと 栞紐 挟んでるわ...... )
バウワウ! バウワウ!
(あらっ、ピート君 起こしちゃったかしら? ウフフ.... フフ ...... )
「 はい、 じゃあ これを..
クロワッサンを どうぞ・・・・・・。 」
犬のピート君は クロワッサンが大好き……。
チムニーと女の子 ママンの読書 より
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「 ひかり 」通りゃんせ。 / Bleu_oui = Bleu_trois_poisson 2020