見出し画像

Paris2024セレモニー観察記と「革命」の足音

パリ五輪、無事に(とは言えないか?)終わりましたね。
開会式直前にテロが起きたり、選手村にエアコンが無くて暑いとか、メシがマズイとか、トライアスロンの選手がセーヌ川を泳がされて具合が悪くなったとか、審判の質が悪いとか(誤審が多かったらしい)、いろんな批判はありつつも、とにかく終わって関係者は胸をなでおろしているところでしょう。

https://youtu.be/xtlvuPxNKWI?si=KymqmIAk0CW3bQ1h

↑公式のオープニングセレモニービデオ。
レディガガやセリーヌ・ディオンの歌唱がちょっとだけ見られます。

問題の箇所が編集されている公式のビデオを見ると、改めてあの場面がなかったら「かっこよく決まった開会式」だったのに残念だなぁと思いました。



公式オープニングフルビデオ鑑賞しました。

こちらは長いですが、公式のフルビデオのようです。

再生開始から4分頃になって、今回の開会式の本編が始まります。

橋の欄干にポツンと座っている羽を付けた男性がアコーディオンを演奏するなど、ディティールは細かいです。

21分頃からレディガガがフランス語の歌を歌ってます。

セーヌ川沿いにもピンクの衣装のキャストやピンクの飾りがいっぱいで、フランスらしいキュートな演出。女の子の夢がいっぱいみたいな。
演出家は開会式セレモニーと同じ男性ですけどね。

36分頃にフレンチカンカンのダンス。見ていて楽しかったです。

オペラ座の怪人のパルクールは、38分頃からのノードルダム大聖堂の修復やヴィトン工場潜入やセーヌ川沿いのバレエダンサー(男性)と群集ダンスパフォーマンスは見ごたえがありました。
でもちょっと長い(苦笑)

47分頃フランス革命からのマリー・アントワネットの首が歌うシーン。

コンシュルジェリーから赤いテープが巻き散った後数分間は、一気に倒錯ムードです。Gijira(ゴジラ)の演奏はかっこよかったですけどね。

感想はこちらの記事にて↓

銀の帆を掲げた船で歌っているのは、メゾソプラノ歌手のマリーナ・ヴィオッティ(Marina Viotti)、曲はオペラ『カルメン』からセギディージャ。

57分頃のAya Nakamuraの歌とダンス、かっこよかったです。

1時間10分頃、ルーブル美術館からモナ・リザが脱走。
雨の中びしょ濡れでピアノを弾く男性(あのピアノ、壊れちゃったんじゃないか気になります)

Alexandre Kantorow

ピアニストは、アレクサンドル・カントロフAlexandreKantorow

「リストの生まれ変わり」と評され、2019年の第16回チャイコフスキー国際コンクールで第1位、金メダル、グランプリを受賞している。

1時間24分頃、セーヌ川にミニオンの潜水艦が出現。
1時間27分頃、屋上でフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」を歌う女性。
メゾソプラノ歌手Axelle Saint-Cirelアクセル・サン・シレル
素晴らしい歌声でした。

1時間42分頃、謎の貴公子、ポーランドのカウンターテナーのヤクブ・ユゼフ・オルリンスキJakub Józef Orlińskiが、ラモーの「Les Indes Galantes」のアリアを歌い、ブレイクダンスを踊る。
この人も美しい声でした。イケメンでもあった。

1時間53分頃、フランスのラッパーRim'Kが「King」を歌う。
1時間55分頃、パリコレ・ファッションショーのようにランウェイを歩くドラァグクイーンたち。
金髪ロンゲ髭面のドラアグクィーンは、キモイけど悪くない(笑)

2時間39分頃、青いディオニュソスおじさん Philippe Katerineが登場。
よくわからないけれどアンニュイな歌「Nu」を、優しい声で歌っていました。

若いダンサーによる「心筋炎ダンス」と言われたダンス。激しいダンスで、それはそれでかっこよかったです。
でも長い。たぶん10分以上踊っています。あれじゃあ、ホントに倒れてもおかしくない。

2時間44分頃、「イマジン」と今度は燃える?ピアノ。
歌っている女性は、シンガーソングライターのジュリエット・アルマネットJuliette Armanet、ピアニストはソフィアン・パマルトSofiane Pamart

2時間48分頃、メタリックな馬とジャンヌ・ダルク?~開会宣言
3時間33分頃、エッフェル塔インスタレーションはクールでかっこよかったです。

3時間48分頃、聖火最終ランナー
3時間58分頃、セリーヌ・ディオンの『愛の讃歌』歌唱。

セリーヌの後ろのピアノもびしょ濡れですね。

オープニングセレモニーでは、『最後の晩餐』の件でキリスト教を軽視しているとキリスト教会から強い非難がありましたが(私も「やっちまったな」とは思いましたが、そこまでになるとは思わなかったです)、楽器を雨に濡らすことにも批判があったようです。



印象に残った選手

ちゃんと観た競技はほとんどないですが、Xでキャッチした注目選手は意外に多かったです。
中には下手に話題にすると、あとでややこしいことに巻き込まれそうだなと思った「触るな案件」もありました。
女子ボクシングのイマネ・ケリフ選手は、トランス女性じゃなく戸籍も女性。しかし、染色体に異常が出る病気で「男性」と診断されているという。

無課金おじさん

トルコのユスフ・ディケチ選手(51歳)
元国家憲兵隊曹長。

外国の方が「プロのスナイパーみたいだ」と言うので見てみたら、ほんとにそうでした。国家憲兵隊って結構な闇がありそうじゃないですか(汗)

日本では、誰が言い出したのか「無課金おじさん」。
普通は、専用レンズ、アイカバー、イヤープロテクターを装着するのですが、ご覧の通り、何もつけていません。
百均で売っているような小さな耳栓だけ。装具にお金がかかっていないから「無課金」ということのようです。

上の写真の左の方は金メダルのセルビアのアルノビッチ選手。

無課金おじさんは銀メダルでした。
射撃はペアなので、無課金おじさんのペアはタルハン選手(女性)です。

無課金おじさんと呼んでいるのは日本だけでしょうけど。
ファンアートなるものが出現し、大変な盛り上がりになりました。
猫好きで子煩悩なところも好感度UPしたようです。

昔からトルコの人は親日家と言われていますが、日本を腐すような国の選手でなくてよかったなぁと思いました(苦笑)

射撃では、ほかに韓国の女性選手Kim Yejiさん(左上)もかっこいいと人気でした。


最高の笑顔

閉会式の日に表彰台に上がった金メダルの、女子陸上のシファン・ハッサン
選手(オランダ)。
観ている人も幸せな気分になる笑顔ですね。

北口選手、「なんて朗らかで気持ちがいい、笑顔が素敵なお嬢さん」と思ってた。金メダル、おめでとうございます。


クロージングセレモニーの様子

クロージングの動画から目に付いたところをピックアップします。
6分頃からパフォーマンスが始まります。

謎のゴールデンボイジャー*黄金の航海者

約20,000個のビーズを縫い付けた衣装のゴールデンボイジャー。
私は寝起きでこの画像を見て、一気に目が覚めました(笑)

いったいこれは何なんでしょうね。
五輪関係者と思われる人のポストには、バスティーユ広場にある7月革命記念柱の頂上に立つ「自由の精霊」をインスパイアしたようなことが書かれていました。

この記念柱は、1830年の7月革命を記念して建てられました。像は金色の天使のような姿をしており、自由と革命の精神を象徴しています。

うーん、似ているのは金色だけでは?(汗)

衣装デザイナーのケビン・ゲルマニアKevin Germanier氏(スイス出身)は、NASAの1977年-ボイジャー宇宙ミッションのゴールデンレコードに触発されたと言っているそうです。

ますますワケがわからなくなったのは、私だけでしょうか(苦笑)


ボイジャーのゴールデンレコード

ボイジャーのゴールデンレコードは、1977年に打ち上げられたボイジャー1号とボイジャー2号に搭載された金メッキの銅製レコード。
このレコードには、地球上の生命や文化を紹介するための音声や画像が収録されています。

主な内容
音楽: 世界各地の伝統音楽やクラシック音楽が収録されています。
自然の音: 鳥のさえずり、波の音、風の音など、地球の自然の音が含まれています。
挨拶: 55の異なる言語での挨拶が収録されています。
画像: 人間や動物、風景、建築物などの画像が含まれています。

このレコードは、地球外知的生命体に向けたメッセージとして設計されており、地球の多様な文化や自然を紹介することを目的としているそうです。


つまり、ゴールデンボイジャーはエイリアンの宇宙旅行者ということみたいですね。だから昆虫みたいな顔になっているのでしょう。
(“蛾”と言っている人もいた)

足をクロスにするのは「十字架」の意味があるのですが・・・エイリアンと十字架ってどうなの?

ゴールデンボイジャーの中の人は、アーサー・カドレArthur Cadreというダンサーでした。

練習風景がUPされています。


サモトラケのニケ

豊満なニケ像が下から上がってきました。

*****

勝利の女神ニケを表現している「サモトラケのニケ」は、1863年にエーゲ海のサモトラケ島で発見された、紀元前2世紀頃に作られた大理石彫刻です。
現在はフランスのルーヴル美術館に所蔵されています。

この彫像は、翼を広げて船のへさきに降り立っている姿を描いているそうです。台座の船の部分はロードス島で採掘された大理石とのことでした。

サモトラケのニケ
想像図

ニケはアテナの随神としても知られており、アテナの化身とされることもあります。
アテナは知恵と戦略の女神であり、彼女とニケの関係は戦争における知恵と勝利の結びつきを象徴しています。

ニケはローマ神話のヴィクトリアと同一視されているので、AIに訊いてみました。

はい、そうです。ギリシャ神話の勝利の女神ニケは、ローマ神話ではヴィクトリアとして知られています。
どちらも勝利を象徴する女神であり、翼を持つ女性の姿で描かれることが多いです。
ニケがスポーツや戦争における勝利を象徴するのに対し、ヴィクトリアは特に戦争の勝利や死に対する勝利を象徴することが多いです。

*****

ステージは世界地図の形になっており、ややポチャッとしたニケ像が現れたのはイギリス(ブリテン島)でした。なぜ、イギリス?
ゴールデンボイジャーは、ニケをうっとりと見つめているようでした。


灰色の人々?

ニケに気を取られている間に、灰色の全身スーツの数人が上から降りてきて、下に集まっていた同じ灰色の人々と大きなリングを持ち上げていました。

灰色→グレーgrayGray alien(エイリアン)という連想なんでしょうか。

左胸に光るバッジをつけていたと指摘する人も。

これはなんか、タロットの「運命の輪」のように見えましたが、英語圏では、「異次元ゲート」「悪魔のポータル」と言っていた方が多かったです。

持ち上げた輪っかは、吊り上げられて五輪のマークの一つになりました。

人間ピラミッド


アポロ讃歌

公式ビデオにはなかったシーン。

フランス系スイス人のベンジャミン・ベルンハイム氏が歌っていたのは「アポロの賛歌」。

紀元前2世紀半ばごろにギリシャの古代遺跡デルフィから発掘された石に刻まれた楽譜が元になっています。


ピアノ伴奏は、スイスとフランスの二国籍を持つピアニスト、アラン・ロッシュ氏。
空中に吊るされたグランドピアノで演奏する「垂直ピアノ」で有名な方だそうです。

***余談***

ちょっと待って~。
ロッシュRoche姓は、スイス・バーゼルの富豪で製薬会社ロッシュ(インフルエンザ薬タミフルの会社)のホフマン・ラ・ロッシュ家と関係があるかもしれません。

エフ・ホフマン・ラ・ロシュ

**その他の画像***


フェニックスと飛ぶ男

上の公式ビデオは、ゴールデンボイジャーのパフォーマンスの後は、フェニックスのライブ。

そのあと、ロサンゼルス市長にオリンピック旗を渡す式次第が進められる中、トム・クルーズが上空から現れました。
トム・クルーズのシーンは、ことごとく「申し立てにより削除」されているようです。公式ビデオでは16分頃です。

アメリカ国歌を歌うH.E.R.

トム・クルーズは、バイクでパリの街を駆け抜け、ジェット機にそのままイン。ハリウッドに向かうというミッション・イン・ポッシブルでした。

オリンピック旗は、次々にリレーされ、カリフォルニアへ。
ロングビーチでは、ビリー・アイリッシュとスヌープ・ドッグらのライブがありました。

再び、カメラはパリに戻り、閉会式会場で聖火を吹き消す儀式があり、最後にイズルトYseultが「My Way」を熱唱して、感動的なクロージングでした。

ゴールデンボイジャーの場面は不気味な印象でしたが、それ以外は普通の閉会式だったように思います。最後の「My Way」は感動しました。


閉会式時間のホロスコープ

5室(エンタメと自己表現)終わりで水星とメドゥーサと金星が合で、天王星&アルゴル(メデゥーサの頭)とスクエア。
双子座火星と木星は冥王星とセスキコードレート(135度)でした。

メデューサやらマリー・アントワネットやら、ふくよかなニケやら、首無しの印象が残ったパリ五輪でした。


2028年はロサンゼルス

ピラっているロサンゼルス中央図書館



本当に勝利の女神「ニケ」なのでしょうか?

ところで、あのぽちゃっとした像は、ほんとうにニケなのか?
ニケではなく夜の女王ニュクスだと言っている人もいるし、アストレア(名は「星のごとく輝く者」の意)と言う人もいます。

ニュクスは、ギリシア神話に登場する原初の神で夜の女神と言われます。ニュクスとはギリシア語で夜の意味で、夜の神格化。
「不和の女神エリス」もニュクスの子どもです。


アストレア

アストレアは、ギリシア神話に登場する女神です。

地上を農耕の神サートゥルヌス(土星)が統治した時代は、気候は常に温暖で、耕作せずとも自然は豊かな恵みをもたらし、人々が平和に暮らしていました(黄金時代)。
しかし、ユーピテル(ジュピター、木星)がサートゥルヌスから政権を奪うと、時代は白銀時代となり、世界に四季がもたらされ、人々は耕作を行わざるを得なくなり、寒暑から逃れるために住居に住むようになりました。
続く銅時代には、人類はついに武器を手にして争うようになり、鉄時代には地上にはあらゆる悪行がはびこりました。
鉄や金などの地下資源を手にするようになった人類は、文明や経済を発達させ、所有欲に駆られて土地の私有や海外遠征を始めたのです。

アストレアは、神々の中で最後まで地上に留まって人々に正義を訴え続けましたが、ついに欲望のままに行われた殺戮によって血に染まった地上を去って乙女座になりました。

ここから先は

2,228字 / 11画像

¥ 300

期間限定!Amazon Payで支払うと抽選で
Amazonギフトカード5,000円分が当たる

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?