「美味しんぼ」再読備忘録2024‐2025「牛鍋の味」‐第五巻「青竹の香り」第6話‐
アフリカの詩人であるアマル・ジャルー氏と夫人が来日し、東西新聞社文化部が接待することになった。場所はスキヤキの老舗「牛松」である。
谷村部長が感想を聞いているが、100%の賛辞ではなさそう?。アマル・ジャルー夫妻がどれくらいの日本通かはわからないが、やはり生卵につけて食べるのがかなり抵抗ある、味付けが醤油に支配されすぎる、各自取り分けたものを調味料を使い、香り、味に変化をつけられない食べ方、ってのは、外国人には難易度が高いと思われる。
すると、隣の座敷から声がして…
なんという偶然か?隣の座敷に海原雄山も代議士の田谷氏と堀町社長に招待されて「牛松」にスキヤキを食べに来ていた!って、(・3・)アルェー?確か海原雄山って…
「政治家嫌い」じゃなかったっけ?。どうなの?。ま、ともかく雄山がスキヤキを食べてみて…
さらに続けて容赦なくぶった斬る。
田谷氏と堀町社長が慌てて、じゃシャブシャブを、と勧めて試してみるも…
この場面を忠実にアニメ化してしまったので、このアニメ版第23話「牛鍋の味」は欠番回らしい。
その後、さらにひと悶着ある。松垣という男が「店を返せ」と怒鳴り込んできた。松垣の付き添いはあの三谷さんであり、主人の竹下に門前払いを喰らわされたので、松垣の店で事情を聞くことになる。
松垣の両親、つまり「牛松」の本当の持ち主は松垣が放蕩している間にボケてしまって、番頭だった竹下に店を乗っ取られたという。余談だが、栗田さんのおばあちゃんがボケた話「舌の記憶」もアニメでは欠番回になっている。ボケた、呆け老人はTV業界では禁忌のようだ。
竹下はずる賢く抜かりがないようで、裁判を起こしても勝ち目はないらしい。途方に暮れる松垣さん。松垣さんの牛鍋屋だから屋号が「牛松」なのか!ってのは置いといて…
さて、魯山人風スキヤキとはこのようなものらしい。
似たような作り方を池波正太郎のエッセイでも見たことがある。池波正太郎も魯山人風スキヤキをなにかの文献で見て、試してみたのかもしれない。
この魯山人風スキヤキを再現している方々のなかで、砂糖が入るとクドいので普通のスキヤキは好きでないが、この魯山人風スキヤキは砂糖を使わないのでスッキリとしており好きだ、と評している人が結構いらっしゃった。
でも…
普通のスキヤキの割り下っていわゆる「江戸の味」じゃないのかな?どうなんでしょう?。
そして士郎の改良版「魯山人風スキヤキ」であるシャブスキーも再現している方がいらっしゃるので動画置いときます。
物語はこのシャブスキーを使って店が繁盛しだし、山岡の提案通り、商売で見返してやる事が出来そうだというところで終わるが、この話の最大の見どころは「魯山人風スキヤキ」でも「シャブスキー」でもなく、
このラストシーンであることに文句のある人はいないであろう。デレた雄山。(´∀`*)ウフフ。
さて、士郎はスキヤキとシャブシャブは雑誌やテレビなどで話題にもならず、若い人に心も掴んでおらず、高級志向の人にもそっぽ向かれているので、将来性がない、と危惧してたようだが、それってどうなの?現代でも充分人気あるし、やっぱゴチソウと定義されているように思うけど?。
ゆるキャン△の犬山あおいちゃんのおばあちゃんもこう言っているので間違いない!
ただし、こういうご意見もある。スキヤキは焼肉にその地位を奪われたのだと。確かに!。
プロの料理人からすると「すき焼きのお世話には高い技術が必要で、それを仕切れる熟練の仲居さんは店にももう僅かしかいない」という問題もあるのですね。
しかし、最近では、こういうインバウンドの観光客、若い女性客を狙ったちょっと良いお肉を使ったお一人様向けのスキヤキチェーンも生まれてきているのだ。野菜なしで肉だけの調理の提供に絞ることで高い技術が必要という部分を解決しているのかどうなのか?。
まあ「すきはな」はあの悪名高い「いきなりステーキ」系列とのことでいきなり炎上したらしいが、日本人は最初から完璧を求めすぎているともいえるので、問題点を見極めて改善し、先行しており歴史もある「ちかよ」との差別化がキチンと出来れば、良いと思うけどね。
さらに牛丼屋チェーン店でも冬の名物としての「牛すき鍋」はしっかりと定着しているようにも思える。「スキヤキ」は健在といって良いのではないだろうか?
「シャブシャブ」も「しゃぶ葉」など食べ放題のお店が最近流行っているそうだし、「スキヤキ」「シャブシャブ」は現代でもちゃんと生き残っていると言えるのではないかな?
あ、ちなみにこのYouTubeチャンネルも非常にオススメです。還暦過ぎたオッサンがオッサン向きのファーストフードチェーンを食べレポしてるだけの動画ですが、非常に中毒性が高いです。(つづく)