神さまたちの遊ぶ庭
トムラウシでの1年の山村留学について綴られたエッセイ。
つい先日こちらのカフェにお邪魔した際、そこに置いてあった本。
気になって図書館で借りてきた。
私がカフェでお会いした、ますみさんも、なっちゃんも、ももちゃんも登場していてびっくり。
私はこの作家さんが子供の頃に山村留学した時の話だと勝手に思い込んでいたのだが、つい10年ほど前のことなのだった。
なっちゃんも、ももちゃんもまだ高校生や中学生。
実際に会った人が本に登場しているという経験は初めてだし、
トムラウシも好きでリピートしたから、本の中の場所も何となく分かって楽しい。
この本は読む前に現地を訪れてほしいと思ってしまった。
あの山の交流館とむらにもこの本は置いてあるから、あの地に赴いて買ってもらえたら、なんて。
著者の宮下さんの旦那さまがもともと北海道で2年間暮らすつもり(帯広で)だったのが、
『せっかく北海道に行くなら、大自然の中で暮らさないかってこと。』という一言を発したことから大きく転換する。
宮下さんは、戸惑い、
『じゃあ、子供たちに聞いてみようよ。』と反対してくれることを願って、3人の子供たちに託してみると、
『いいね。』
『おもしろそう』
『どうせなら、そういうところで暮らしてみたい』
と乗り気になってしまい、
一家五人、『カムイミンタラ』
神さまたちの遊ぶ庭
に引っ越しをして1年を過ごすことになる。
そこから始まる物語。
日記みたいな形式なのだが、
個性豊かな村民、子供たちと、
その子供たちへの宮下さんのツッコミが面白く、一気に読んでしまう。
私も住みたくなってしまった。
思わず調べてしまったが、留学してくれる子供がいないわ😢
移住してみたい。
しかし職もなければ大自然で暮らせるものか見当もつかない。
ともあれ、トムラウシでの一年を楽しく読ませてくれる一冊。
この本の終わりに、
『それから』という山村留学から2年後の春のことが書かれている。
そこに出てきたなっちゃん。
カフェで話していたことがやっと繋がった。
『先生になろうと思って教育大学に行ったんです。』。
それがどうして、山の交流館とむらの管理人さんになったのか、また訪れて聞いてみたい。
美味しいガトーショコラもまた食べたい。
『羊と鋼の森』で有名な宮下奈都さんのトムラウシ暮らしのエッセイ、読書の秋にいかがでしょう。