復職訓練(リワーク)施設はどんなところだったか 通所編-メンタルヘルスのマネジメント

大きな喪失があって自分という木が時間をかけてメリメリ倒れるような経験をしました。仕事の過労も加わって、会社を休職した経験があります。今思うと心身の不調を感じる力が貧弱でした。その際喪失経験時からお世話になっていた精神科医に勧められて、うつ病で復職訓練(リワーク)施設に通いました。短期間ですが自立訓練(生活訓練)という支援を受けました。このような社会の仕組みをお休みするまで知りませんでした。
今回はリワーク施設でどんなことを行なったか記載します。コロナの頃のため今は少し変化があると思いますが、リワークがどんなところか分からず不安な方や、知人や家族のために情報を探しておられる方の情報の一つになれると幸いです。

◼️通所期間ー最短で終えたい
民間リワークは最大で2年間在籍が可能のようでした。復職に至らないまま2年間を終えてしまう方もおられました。会社を退職になってしまう期限が近くなり、慌てて入所し、私以上に急いでいる方もありました。自立支援での通所中はアルバイトなどもできないので、収入的な面から期限感が出てくる人もおられるようです。
私はそういった期限感はないものの、なんせ早く復職したいと、最短どのくらいで復職できるかが気になっていました。大体最短で3ヶ月というところで、リワークのサービス管理責任者の方が最初の個別支援計画を立てて下さいました。
ただ産業医は、私は仕事だけじゃない喪失の要素や家族の要素があるので、3ヶ月はスパルタ。スパルタプランが出てくるところも問題の一つということで、もう少し余裕がある方がいいと言われました。結果3ヶ月半で会社の復職判定会を迎えるペースでした。説明会に行ってから職場に戻った日にちまでは4ヶ月半くらいです。私の所属する会社では、社内手続きや段取りがあるので、医師が判定した復職可能日から実際の着任は1ヶ月弱かかりました。

◼️復職訓練(リワーク)の内容
カリキュラムの内容は施設によっていろいろ特色があるようです。休職に至った理由や今後の目標、それに加えて現在の病状に合わせて、支援員さんと相談して選択するプログラムの計画を立てていきました。
私が通っていたリワークのカリキュラムには、主に次のような種類がありました。
・ビジネススキル系: プレゼン資料を作る、ニュースなどから要約を作るなど。グループワーク・対話が多く、ファシリテーションやチーム運営という裏目的を持って受けていました。調子が悪い人もおられたので、配慮しながら進めたり、相手の得意なことにスポットを当てたり、学びが多かったです。
・コミュニケーションスキル系: アサーション、ダイアログ、ディスカッション、グループワークなど。他の方と話して、自分が如何に食うか食われるかのハイプレッシャーな業務をしていたか痛感したり、学びが深かったです。
・心理系:幾つかのプログラムは、医師に回復度から受講許可をもらう必要がありました。自己分析/集団認知行動療法/疾病理解/自立訓練法などです。他にもコーピングについてグループで話し合って学びました。がんばるしか能がなかった私には、なかなか馴染みが無かった考えも多かったです。すごく大きな学びになりました。
復職可否の判定に向けて産業医が出している条件を満たしていく必要があります。私の場合は次のようなものでした。
1.体調のモニタリングと対処法
2.原因の振り返り
3.今後の仕事をどうやって行くか
1.2.についてリワークを通して学び、3.のプランを作って職場と調整しました。途中主治医や産業医と話して2.の状況についてアドバイスをもらいながら、支援員さんとプランを見直して行きました。

◼️リワークの負荷
プログラムの内容はもちろんですが、負荷の掛け方も計画します。オンラインでもいいから決まった時間に開始したり、朝から通所したり、終日活動したり、病気の状態や戻る職場・業務に合わせて無理にはならないけど、負荷にならしていく面もあります。
私は通所開始時点で生活リズム面ではほぼ問題がありませんでした。子どものお弁当作りが、私には生活リズムの基点としてうまく機能していました。負荷は上げるより、むしろ活動時間を終えたらすっぱりやめる、考えないことが大事でした。
私の所属する会社では、復職直後産業医のフォローを受ける期間はフレックスではなく定時勤務での勤務になります。しかしリワークの開所時間は遅めで、会社の始業時間とずれがありました。リワーク卒業近い頃は、リワーク近くの喫茶店で開所時間まで自習して過ごしました。コロナでオンラインが多かったので、オンラインが続く場合のメンタル調整方法や、コミュニケーションの取り方の工夫など、いろいろ試して自分の様子に耳を傾けて学びました。今でも学びに助けられています。

◼️よかったこと
別記事でもまとめましたが、自分についての理解が深まり、自分と上手にやっていけるようになったと手応えを感じました。不調の兆し発見のためのモニタリング方法と、不調に滑り落ちない/すぐ立て直す対処方法を得たのは宝です。
またリワーク卒業時に完璧を目指さず、安定したら現場に復職し、現場で周りと話しながら調整していったのも良かったです。リワークは現場と違いなあくまで通過点。復職するのは不安になる面もあります。しかしリワークの利用者同士や支援員、産業医や保健師、そして職場の人に素直に不安な気持ちを伝えながら、解決方法をすり合わせていけてよかったです。練習をいっぱい積み重ねていくことで、復職した後も無理なく働き続けるためにとてもとても大事でした。

◼️卒業後
おかげさまでその後はメンタル崩すことはなく、まる2年が経ちました。業務がすごく忙しい時もありますが、気をつけるべきことを気をつけて、波を乗り切っています。倒れるところまでいかなくても、気持ちよく働いていくために必要な知識だったと思います。とても感謝しています
そしてこういう時が危ない、と卒業前に聞いた事も役立っています。5年くらい経っても、気を緩め調子に乗って戻ってくる人があると。釘刺されておくの大事ですね。
リワークも支援員さんにも仲間にもとても感謝しています。ただ卒業後、何と無くその駅は行きたく無いし、卒業生の会の案内が来ても、食指が動きません。喪失についても同じですが、人間本当に辛かった時のことはモヤが掛かるように、記憶が曖昧でマイルドになるんだと思います。お天気がいい季節だったはずだし、早く復職しようと前向きではあったはずです。毎日学びがあり、前進し充実していました。ただ自分にとっては辛かった思い出なんだなと思います。

今回はリワーク施設でどんなことを行なったか記載しました。不安の中で行かれる方が多いと思います。少しでも過ごし方のヒントになると幸いです。

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