茶室の没入体験から得た学び
都内某所で、非日常な不思議な体験をしてきました。
はじめに
先日TNXR経由でお茶会の話題が上がりましたが、イワケンさん経由で、私も茶室を体験させていただく機会があったので、今回はその体験レポート記事です。
一期一会
私はIwakenLabのイベント掲示板にあったこのお茶会に軽率に興味ありを押し、イベント参加するに至りました。そこには「一期一会」と書かれた掛け軸と茶室、そしてvisionProをかけてる先生と、そのミラーリングを見ているイワケンさんの姿がありました。二人は長緒の結び方を空間ビデオを用いてより直感的に学べる方法を模索されてました。(茶道というと厳かな雰囲気があり緊張してましたが、先生がvisionProをかけて「これやべー」となってる様子が初見だったので、緊張ほぐれてったのを覚えてますw)
伝統
その後、お菓子を頂き、お茶を頂きました。その間にもいろいろな事がありました。(これらを表現するだけのボキャブラリーの無さを呪いつつも、VRと同じく"体験しないと分からない"類のものなので、ぜひ体験してみることをおすすめします)
茶道の中では、客側の所作を含めて多くのお作法やマナーがあります。例えば茶事の際に写真を取ったりとか(※今回は許可を取らせて頂き撮影しています)
ただ、宗凱先生や野中さんは「茶の文化を知ってもらう」であったり、「お客さんに楽しんでもらう」という、本質的な観点のもと、茶室の美しさを画として残すことを認めたり、茶室に生成AI絵の掛け軸やQuestコントローラーを飾ったりと、柔軟な世界であることを教えて下さいました。
伝承ではなく伝統
方法論ではなく、本質的なおもてなしのあり方を探り、アップデートしていく思考。大変勉強になりました。
様式美とバトル
後半のお話の中で、様式美の話や亭主と正客のバトルの話が印象的でした。
亭主は茶事の主催者、正客は招かれるお客さんの代表のような人の事ですが、会としては他の相客が話について行けてなくても、この2人の間の会話が盛り上がれば成功であるとのこと。
そこが盛り上がるために、亭主はあらゆる場所に意味を持って気を配るし、正客はもてなしを細部まで観察・堪能し、その気配りに気づき、会話を弾ませる。例えばそれはその日の掛け軸の選定であったり、お茶碗の選定であったり、いけてある花やその水の量であったり。
ふとXRにかえってみても、こうした気配りや粋な計らいというのは在ると思います。場面転換時の暗転であったり、移動時にさり気なく再生される足音であったり。
ただ正直、XRの体験会では、一般層に広く体験してもらうことを重視して、分かりやすいコンテンツにレベルを落としたり、こだわりポイントをこちらから説明したりという場面が、往々にしてあると思います
(=茶事に例えれば正客よりも相客を大事にしているという状況。また、自分が気を配った観点を自ら種明かししていってるという状況)
どちらが良いという話でもないですが、もてなしとリアクションの没入体験として在るべき姿は、茶事の様式の方が勝っているなと素直に感じました。(以前そういう課題感をもとに生まれた展示者同士の体験会があったり、IwakenLabのゲスト会などもゲストに楽しんでもらうのが1番の達成項目だったりするところからも、自分は茶室と現状のXRの没入体験の違いとして、この点が一番印象に残りました)
日頃見えていない景色や気遣いに目を凝らす。
「在るべき姿」の追求を止めない。
そういった姿勢が、今回の茶室体験を通じて私が得た学びです。
おわりに
今回、私の視点で茶道の世界を言語化してみましたが、あの情報量を表現するには、私のボキャブラリーがまだまだ足りないなと感じましたし、その情報量の中から何を切り取るかというのは、本当に人によって異なると思うので、そういう意味でもぜひ自分の身体で体験してみて下さい。
私も時々茶道の世界と日頃の世界を行き来しながら、見えてないものを観に行く姿勢を強めていきたいと思います。
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