やさしく解説 甲状腺疾患の診断と治療: 甲状腺を専門としない医師のために 【読書感想文】 猫を撫でるように甲状腺を触る
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Amazonでレビューしたものです
1.甲状腺とは
甲状腺とは、人間の喉仏の下ぐらいにある臓器です。
この甲状腺で、甲状腺ホルモン(T3,T4)というホルモンが合成され、そこから血液中に分泌されています。(fT3,fT4)。
甲状腺ホルモンは全身の組織に働きかけているホルモンです。血液中に一定の濃度に保たれており、多くても少なくてもいけません。
脳の下垂体という部分から、甲状腺刺激ホルモン(TSH)という別のホルモンが出ており、甲状腺ホルモンの量をコントロールしています。
甲状腺の病気には、このホルモンの異常、炎症、腫瘍などがあります。
2.目次
序章 甲状腺疾患をシンプルに考えてみよう
ポイントは”3つの指標”
第1部 もしかして、甲状腺疾患?ー”疑う”ことから始まる検査・診断ー
第1章 甲状腺疾患を疑う手がかり
甲状腺疾患を見つけることの重要性
第2章 甲状腺検査値は、こう読む!
検査値の読み方を間違わないために理解すべきポイント
第2部 あなたの患者さんはどのパターン?ーフローチャートで診断しよう!ー
フローチャートで診断しよう
第3部 整理しておこう!ー各疾患の基礎知識ー
各疾患の基礎知識
第1章 甲状腺中毒症を生じる疾患
第2章 甲状腺機能低下症を生じる疾患
第3章 甲状腺に痛みが生じる疾患
第4章 甲状腺に結節を生じる疾患
第4部 いざ、実践!ーバセドウ病、無痛性甲状腺炎、橋本病の治療ー
第1章 バセドウ病の治療
第2章 無痛性甲状腺炎の治療
第3章 橋本病の治療
第5部 専門医が診るべき甲状腺疾患とは?
第1章 甲状腺専門医にまかせた方がよい病態
第2章 緊急性のある病態
第3章 他科の専門医との連携
3.猫と甲状腺専門医による読みやすい解説
こちらの本。表紙もさることながら、中身もかわいいニャンコと鈴のイラストが乗っており、フォントも丸っこくて、医学関係の本には珍しく読みやすい本でした。
「潜在性甲状腺機能異常」について詳しく解説されており、勉強になりました。
TSHの数値によって、潜在性と顕性の区別がなされ、潜在性の場合は妊娠や年齢によってすぐに治療するか、1ー3ヶ月後に再検査で治療を開始するか、が異なるので、その都度検討が必要そうです。
TSH 0.1-0.3 潜在性甲状腺中毒症
TSH 5-10 潜在性甲状腺機能低下症
それにしても、全部検査すると保険が切られてしまうのはどうにかなりませんかね。。
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