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オバケの英語 【ネタバレあり読書感想文】オバケの最期の願いを
★★★★★
Amazonでレビューしたものです
ニューヨークで38カ国5000人に教えたカリスマ英語教師と日本人小説家が出会って生まれた、どこにもなかった英会話上達本が、新装版になりました。
楽しく読むだけで、本場の英語の発音が身につく奇跡のレッスン。
魔法のように簡単に「クチビルの動き」を教えてくれるので、 練習すれば英語が「聞こえて」「話せる」ようになります。
1.英語の発音本で一番よかったおすすめ本です
それほど短くない私の人生で、それなりの数の英語の発音本を読んできましたが、一番のおすすめがこちらの本になります。
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”胸を打つラストを読み終えた時、
あなたの発音はネイティブに近づいている。”
私の持っている背表紙のアオリ文ですが、これ以上にこの本を表した文はないと思います。
最初買って人に貸したら返ってこなくてもう一冊買い直しました。シクシク。。。
2.CONTENTS
01 オバケと出会った夜
POWER OUTAGE
02 オバケの訓練が始まった
A GAME OF POOL
03 言葉を離れて何ができる?
MOVIE STAR
04 ちくわ大作戦
MY RIVAL
05 オバケはずっとでかい口
CAPTAIN MIKE
THE MOST BEAUTIFUL WOMAN
06 曖昧母音は英語の根っ子
THE KILLING
07 中口母音で頭も良くなる
CAREER DAY/ELEGANT DREAMS
08 サヨナラからの始まり
3.ゴマで覚える英語の発音
この本は、ストーリー仕立ての内容となっており、日本人で単身ニューヨークに渡るも英語が全くできるようにならず困り焦っていた僕が、オバケのリッキーに出会って夜に英語の発音を教わるようになる、という内容です。
全ての英語の発音を網羅している訳ではありませんし、その単元の発音を重視した例文はちょっと微妙です。
しかし、この本を読んで、私は、英語の子音というのが体で理解できました
(少なくとも本人はそういう気がしています)。
普段我々日本人は、子音と母音を意識して日本語を発音しません。少なくとも私はしていません。「た」がローマ字でtaと表記されるとしても、tとaを分けて発音はできず、「た」という1音で発音します。そしてその時に口や唇の動きを意識することもありません。
英語は特に子音が重要であり、日本語にない発音も多くあります。
全く日本語とは違う、日本語にはない口や唇の形や動きをしないとできない発音も多いです。
多くの発音の本は、口を横から輪切りにした絵を示しています。もちろんそれも必要だと思います。
が、自分の口の中で自分の舌がどうなっているのかなんて、見えませんし、わかりません。
この本では、ゴマを乗せて吹き飛ばす、という形式で、わかりやすく発音の仕方を指導しており、英語の、特に子音の発音について、イメージをすることができました。
こうだったのか。。。
まさに、目から鱗でした。
4.リッキーの最期の願い
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この本の第一刷は、2004年6月16日。
私が今持っているのは、2007年2月8日の第五刷になります。
Amazonで確認すると、2015年に新装版が出ているようで、表紙が黄色になっていました。
内容は確認していないので、私が持っているものと同じか違うか変わっているのか不明です。
オバケのリッキーは人間でした。
ニューヨークで確かに生きて生活をしていたのです。
そして、亡くなりました。
死んでオバケになった彼は、その無念を、僕に、そして我々に託しました。
この本が最初に刊行されてからそろそろ20年経とうとしていますが、残念ながらリッキーの無念は晴らされていないままです。
今もおそらく英語は国際語として一番使われている言語であり、コミュニケーションを取るために覚えるのに最適な言語でしょう。
しかし、我々日本人はこの20年、英語でコミュニケーションを取れる人口割合がどのくらい増えたでしょうか。
そして、世界はリッキーのようなオバケを今この瞬間も生み出し続けています。
この本は英語の発音の本です。
しかし、なぜ発音ができた方が良いのか?
それは人と人がコミュニケーションを取るためです。
ではなぜ、コミュニケーションを取るのか?
とてもとても大事なことを教えてくれた本です。
彼の無念は果たされないままなのでしょうか。
それは我々次第でしょう。
著者:ドリアン 助川 (著), クレイグ・ステファン (著)
出版社 : 宝島社; 新装版 (2015/1/17)
発売日 : 2015/1/17
言語 : 日本語
単行本 : 221ページ
ISBN-10 : 4800236924
ISBN-13 : 978-4800236920
寸法 : 15 x 1.4 x 21 cm
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