「岸辺露伴ルーヴルへ行く」【ネタバレ感想】大人のサスペンス・ホラーの完成を見た ー岸辺露伴祭り第4弾ー
うおおおおお
やられたーーー
原作より良かったーーーーーー!
超えてきたーーー!
(個人の感想です)
パンフレット売り切れ
やっと見に行けました。
映画「岸辺露伴ルーヴルへ行く」
仕事だなんだで金曜日初日には行けず、、、土曜日も行けず、、、
なるべくネット情報を見ないように頑張ってました。
やっとこさ行くことができました〜
長かった〜
私の行った回はレイトショーでした。
遅い時間で最後の上映時間で、お客さんはパラパラぼちぼち。
なのに、
パンフレット売り切れ!
がーん。
せっかく買う気満々で上映開始時間より早くに行ったのに。
結構物販も売り切れてたそうですね。
残っていたのはこちら。
欲しいけど、私不器用過ぎて本当にだめなんです。こういうクレーンゲーム?
お金と時間を無駄にするだけなの目にみえてましたし。まあその無駄を楽しむという案もありましたが(ジョルノじゃあないから)、そもそも最近電子マネーばかりで小銭をもっていませんでした。
仕方ないので、
パンフレット、
Amazonで買っちゃいました。
探したら売ってたので。
2400円は相場よりどうなのか。
っていうか、これ転売じゃない?
大丈夫?
・・・・・
パリ・ルーヴルまで行って、日本の怪異にぶん殴られた衝撃
ぎゃあああああああ
怖えええええええええ
目が、目がああああああああああ
スクリーンにどーん、、、
原作やその前の絵と同じ真っ黒な絵がくると思って油断したー
やられたーー
・・・・・
露伴先生らしからぬ遠く淡く美しい思い出で開幕。
なんだこの爽やかな感じ。
それから、いつもの2人へのヘブンズ・ドアーでの幕開け。
初めての方も多いでしょうから、説明は必要ですが、ドラマからBlu-rayまでみると何回みたかわからない。
毎度毎度お疲れ様です、ふたりとも。
お馴染みの展開で、妙な安心感をおぼえます。
作品に敬意を払わせる露伴先生。社会性ないし色々問題のある変人だけど、仕事と読者と作品の誇りと信念をもつところは立派だし、好きですね。ブレない。
色に凝る露伴先生。
流石に漫画のことでは素直だし熱心ですね。
まさかこれが二重の伏線になるとは、、、
骨董屋でゲットしたカタログから、オークション、モリス・ルグランの黒い絵を手にするやりとり、手に入れてから巻き込まれる事件、そして怪異。
原作だとモナリザから昔の記憶を思い出して、いきなりルーヴルに行っちゃうけど、こちらの流れの方が段階を踏んでてついて行きやすいですね。なんか悪いことが起こっている上に、人が死ぬ怪異の怖さにも最初に触れるし。
そして、
ルーヴルへ行く。
いいなあ、ルーヴル美術館。
しかも客なしの貸切。
写真ではたくさん見たことあります。
外観とかモナリザとか。
あの三角ガラス有名ですよね、当初は議論になったとか。
学生時代美術部員だった身としては、死ぬまでにいきたい美術館の一つですよ、メトロポリタンと並んで。
いけるかなあ、行きたいなあ。
しかし、そんなルーヴルの印象も、Zー13パートでぶっ飛んでしまいましたよ。
幻覚が見えるのも怖いけど、見えずに目の前で人が、次々と狂って倒れて死んでいくのも怖いよう。
トドメに、
どーーーーーーん
ぎゃあああああああああああ
ババアはすべてを知っている?
戻って、
過去パート。
すごい雰囲気のある日本家屋。
温泉宿?
よく見つけてきますよね、こういう建物。
露伴でも、露伴先生でも、露伴ちゃんでもない、露伴くん。
まだ真っ白なキャンバスみたいな17歳。
なにわ男子、心配していたけど、それほど違和感なかったのでホッとしました。
ぎこちなかったりぎくしゃくした印象をうけたけど、若い初恋の戸惑いととれるし。
奈々瀬さんは、原作だと、急に逆ギレしたりいなくなって戻ってくる、精神不安定な周りを振り回す系のお姉さんて感じだったけど、(荒木作品では普通かもしれないが)
なんとか自分の絵で人が死ぬのを失くそうと、実家筋に頼り、絵を遠くに売って効力を失くそうとした、でもそれでまた古物商が死んでしまいショックで、、、となんとか話が繋がりました。
でも、
過去パート1番の衝撃は、
おばあちゃん!
ばあちゃん再現度ばねえ!
絶対全部知ってる!このババア!
わかって協力してる!!
わかって惚けてる!!!
流石、岸辺露伴の祖母って感じ。
こういう人生の荒波を乗り越えた一筋縄でいかないババアって、いいですよねえ。
格好いい。
ほのかな初恋から、死を超えて絡み合う夫婦愛への昇華
最後の謎がとける、
江戸パート。
京極夏彦の「嗤う伊右衛門」を思い出しました。
夫婦愛と、お互いがお互いを破滅に追い込んだことへの後悔。
二人で絵の中に囚われてしまったんですね。
蜘蛛の糸によって。
絵を追求する絵師の夫が、愛する妻の美しい黒髪を描こうとした。
ただそれだけだったはずなのに。
どうしてこんなことになってしまったのでしょう。
美しい美人画は、夫婦の命と涙と後悔が染み込んだ、黒い黒い呪いの絵になってしまった。
妻を死なせた後悔が、
病になり黒い樹液を見つけた後悔が、
見るものすべてを後悔に巻き取り、殺す。
美しく描かれるはずだった妻の絵。
その絵を、自分を見て、狂い倒れ死んでいく人々を、
妻は、どんな思いで見ていたのでしょう。
あの怖い黒い絵が、悲しく美しい絵に見えてきました。
17歳の露伴少年は似ていたのでしょう。愛するあの人に。
だから打ち明けた、秘密を。
だから巻き込んだ。
でも、その時の少年では、彼女は守れなかったんでしょうね。守りたかったけど。
時をへて、
経験を重ね、実力と自信をつけた、
大人になった露伴だったから、解決できた。
夫婦の無念を、後悔を、愛を受け止め、怪異から解き放つことができた。
40歳越えの”一生露伴”
だから描ける大人の話ですね、これは。
少年ジャンプではないわ。
「ルーヴルへ行く」で、ルーヴルを霞ませ、ルーヴルを超えてくるとは。
やられたー
漫画家と担当編集のバディの安心感
そして、
今に戻るわけですが、
その前に触れられたもう一つの過去。
そんなことがあったとは、泉くん、、
強い人ですね、泉くん。
そして優しい子だ。
小さい頃に悲しい別れを経験して、シングルマザーか再婚家庭かで育ったら、色々あっただろうに、それでも、いつもあんなに明るく振る舞えるなんて。
能天気なアホの子だとおもってました。
ごめんよ、、泉くん、、、
彼女は黒い絵に自分の先祖を見たのだろうか。
お父さんに会えたのだろうか。
後悔ではなくて。
ほいほい危険に怪異に足を踏み入れていく、危なっかしい露伴を、明るい泉くんが明るい方へつれて行ってくれる。(といっても最初に怪異に巻き込まれてたのは、泉くんのせいだったけど)
露伴先生があちら側にいかないように、第二の山村仁左右衛門にならないように、しっかりこちらに引き留めていてくださいね、泉くん。
淡い実らなかった初恋の思い出から、今に戻ってきた岸辺露伴。
奈々瀬さんのお礼を手に、これからも漫画を描いていくことでしょう。
いつものように戯れ合う二人に、
ルーヴルから、過去から戻ってきた安心感を感じました。
大丈夫でしょう、これからも。
きっとこの二人なら。
・・・・・
素敵な映画化でした。
満足です。
俳優さん監督さん脚本さん、、関係者全てに感謝と労いを。
そして、
作品に敬意を。
お疲れ様でございました。
(あえて言うなら、
バキンちゃん声だけだったのと、泉くんの唐突なフランス語ができるのが説明なかったのが残念。
細かいところが気になると夜も、、、
すみません。)