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マネジメントは、いかに相手に寄り添えるか、聴く力を持てるかと言うこと。

私は高校卒業の資格で郵政省初級1種を受験したわけですが、幸い転用試験という枠に入れたので、郵政局という部署で、図らずもマネジメントを実践する機会を得る事ができました。

当時の郵政省の試験は、初級・中級・上級乙種・甲種と分かれており、

  • 初級・・・高校卒業程度

  • 中級・・・短期大学・大学卒業程度

    • 郵政の場合、A職・B職があり、B職が郵便内務など交替制勤務を行うこともある、A職は一般の行政職と同じ

  • 上級乙種・・・大学卒業程度

  • 上級甲種・・・大学卒業程度

であり、いずれも人事院の試験でした。

他にも郵政局採用の試験があり、こちらは郵政外務員試験と言うことで人事院の試験ではなく、採用年齢も40才までの枠でした。

私は、高校しか出ていませんでしたので、採用試験は初級を受験することとなりました。

初級・中級では採用後は郵便局であり、郵政局に転用するには別途試験を受けることになり、それが先ほど書いた転用試験というものでした。

転用試験の話は過去にも何度かしていますが、過去問なし、合格率などの発表も一切なし、なおかつ年1回で、採用枠も公表なしという訳で、ある意味運が味方するような試験でした。

さて、郵政局というところは本省の直轄する地方組織であり、当然その配下に郵便局がぶら下がるというわけで、直接住民行政などの分野で携わるわけではありませんが、郵政行政を通して、国民に奉仕すると言うことになります。

もちろん、そんな高尚な理論で業務に当たっていたわけではなく、むしろ郵便局から転用組では有るけれど、郵政省の直轄する地方機関まで上り詰めたと言う感覚の方が強かったですね。

当然、そこでマネジメントの基礎を実践することになるわけです。

と言っても、実際に現場の職員を指導したりするわけではないですが、間接的に自分たちが考えた施策などを通じて、郵便局を管理していくわけですから面白みもある反面、難しさもありました。

マネジメントなんて、本当にテキストに書いてある内容をそのまま実践しても上手く行くわけないですし。

マズローの欲求5段階説を基に、説明しようとしても、言うことを聞く人は何をしても聞いてくれますし、反面反発する人は何をしても当然のことながら反発してくる。

そこで思ったことは、型に填めようとするとそれに対して、反発する人は少なからず居るわけで、それをわがままと捉えるか否かだと思ったわけですね。

なにがしかのクレームが入るとき、そのクレームが誰に向かって、どこに向かって発せられたものなのかと言うことをまず知る必要があると思ったわけです。

これも以前にも書きましたが、それまでの在庫報告を止めて、不要なものを定期配給しないという方法に変更したのもこうしたクレームをクレームとだけしか受け止めずに、どこに向かってのクレームだったのかという点を分析したからと言えると自分では考えています。

実際、担当課に配属になったとき、最初の年は前年に引き続き同じ方法で踏襲したのですが、時間がかかる上に入力ミスも多い、それでいてどこかしこから、忙しいのに郵政局は報告事項ばかり増やしてくると言った声が臨局(郵便局に訪問)する度に聞こえてくる。局長にしてみれば30前の若造に何を言っても関係ないと思っているわけですが、こちらとしては気になる。

だからこそ、なんとかできないかと考える。

現場で働く人が少しでも楽になるように考えるのが郵政局の仕事だと上司からよく言われたものですが、それが実践できていないのであれば、私一人からでも実践しようと言うことで変えていったわけです。はやら

それまでは定期配給という名目で、送付していた。

郵便局の保管庫が溢れようが溢れまいかお構いなしだったわけです。

そこで、、マネジメントいわゆる管理方法を変えた、いちいち棚卸しさせて報告させるのではなく送って欲しいか、欲しくないか。

働き方改革をした話

そんな形に切り換えた訳です。

郵便局の仕事は激減しました。

OCR用紙、多いときには10枚以上に個々の枚数を数えて報告する。時には別の箱に入れてあったりしてその分が計上されていないなってこともありました。
局によっては返納せずにこっそり捨てていた【もちろん違法行為なのですが】ので、毎年送られてくる量が増えてくるなんていう場面もありました。
結局、「みんなで大家さん」ならぬ「みんなで無駄使い」ををしていたわけです。時間も金も。

そうして無駄な時間を少しでも減らしてということを実践したのでした。

マネジメントとは人の管理だけではないです、時間の管理も経費の管理もですよね。

そして、マネジメントというのは申し訳ないですが、自分で実践して身につけていくしかないですよね。

後、マネジメントで最も大事なことは、聞く力を養うこと、たんに聞くだけではなく、拝聴すると言う意味を持つ、「聴く」ということ、何が一番困っていることなのか、さりげない雑談の中から見つけ出すことも大事なのではないでしょうか。

そんな気がするのです。

元、郵政OBの呟きでした。

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