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【エッセイ】お祈りメールの無責任な優しさは凶器となり、私の精神を削った
テーマ:就活しんどかったけど
アニメ化もされ大人気の漫画「薬屋のひとりごと」に登場する羅漢という男。彼は人の顔の区別がつかず、周りの人間は誰しも顔が碁石に見えるという。男は黒、女は白。
私も当時就活生は碁石くらい皆同じに見えていたし、きっと採用活動をする側の大人達も、たくさんの碁石を並べて、より傷の少ない綺麗な石を選りすぐっていたのではないかと思っていた。
傷の多い碁石は弾かれる。弾かれて落ちて割れる。欠ける。砕ける。
私は見栄えも中身もスカスカで汚い碁石だった。そう思うしかなかった。
こんなふうにネガティブ全開だったからどこにも受からなかったんでしょうね。わかってますよ。
でもなんだかんだ、最近になってようやく落ち着いて、地に足のついた生活を送れるようになってきた。30歳で初めてもらったボーナス。これが社会人かァ!!という感動と同時に、新卒の子達は1年目からみんな当たり前にもらってんだよな、という落胆が押し寄せ、せっかく訪れた喜びの一部をかっさらっていった。
ほらまたそうやって!根暗が!
でも根暗が出てもいいんですよ。無理せず、根暗には根暗の居場所があるって割り切れたら、案外何事もなく生きていけるんですよ。
それに気付くのに随分時間がかかってしまったけれど、身の丈を知るというか、良い意味での諦めができるようになってくるのが30代なのかもしれない。
かがみよかがみ公式LINEにて「編集部で話題になった今週の1本」と題して、このエッセイを紹介して頂きました。公式から自分のエッセイが送られてきてびっくりした〜。そしてTwitterでも!ありがとうございます。やっぱりなんだかんだネガティブな内容の方がウケがいいんだよな。あと、自分が気に入ってるやつほどウケない。なんでや。
それでは最後に一曲。
色鮮やかに見えてしまうのは
美しさより醜さばかり
傷ついたふりはしたくないけど
悲しい言葉で人は振り向く