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「くろがね堅パン」のために歯を大事にしてる話


キャッチコピーが「健康はアゴから」なお菓子なんて前代未聞だと思います。
「くろがね堅パン」のことです。


これが「くろがね堅パン」です


知っていますか?「くろがね堅パン」。
福岡県北九州市のスピナから販売されているお菓子です。
もともとは当地にあった官営八幡製鉄所の工員さんのおやつとして開発されたビスケットのようなものです。
北九州市民のソウルフード的な位置づけで、JR小倉駅の売店とか、九州以外でも成城石井のお店で売っていたりします。

中身はシンプルなビスケットです。


この「くろがね堅パン」、その辺のお菓子と何が違うって、とにかく、ただひたすら堅いのです。
ビスケットなのに、尋常なく堅い。
まず噛めない。
前歯では無理。
奥歯に挟んで、気合を入れて、全身の力を込めて、ようやく砕くことができるレベル。
先に割っておけばいくぶん食べやすくなるけど、手で割るのも相当気合がいる。
両手で、真ん中から全体重をかけて、ようやく半分に割れる。
場合によっては、袋に入ったまま、ぶんなぐったり、地面にたたきつけて細かくする。
それでも、1袋5枚入りのうち、端っこの2枚以外は無傷だったりする。

噛んでいると、まるで小石でも噛み砕いているんじゃないか、って音がガリガリボリボリと響く。
Youtubeの配信動画で咀嚼音をヘッドホンなんかで聞くASMRっていうジャンルがあるけど、ヘッドホンなんか必要ないくらい威勢がいい音が響く。
僕はこの記事を書きながら自宅の2階で堅パンをボリボリ食べていたら、奥さんが1階から「すごい音するけど、何を食べてるの?」って聞いてきた。
それくらい堅い。


パッケージに、普通のお菓子にはあまり書かれていない注意書きが書いてある。



製造しているスピナも「堅い」ということは自覚していて(そりゃ、「堅パン」なんて商品名ですしね)、パッケージに「たいへん硬い商品ですので、歯の弱い方はご注意下さい」なんて注意書きをしている。
ただ堅いことを反省したり、ましてや改善したりする気はないようで、積極的に堅さを推してくる。
ウェブサイトには「お子様のアゴの発育、歯ガタメに」とか「災害に備えての非常食、保存食に」とか利用シーンも書いてあるけど、こんなもの乳児に食べさせたら歯が折れるし、災害時にこれを出されたら、災害とは別の困難に立ち向かうこと請け合いである。
一応、「コーヒー、紅茶、牛乳等に浸すとやわらかく召し上がることができます」なんて攻略法も書いてあったりする。


ちゃんと「イージーモード」も用意されてます


でも、「くろがね堅パン」には、その堅さを乗り越えてでも食べたい魅力があるのです。
なにより美味しい。
その「やるか、やられるか」的なハードロックな硬さと、ほのかな甘さとミルクの風味が優しく包み込むような味とのバランスに、ついつい、バリバリと、何度でも食べたくなるのです。


無印(プレーン)のほかに、胚芽入りとか、あとチョコ、いちご、ほうれん草フレーバーなんかも揃ってます。


ところで、この記事は日本歯科医師会が主催する「#いい歯のために」というキャンペーンで、歯の健康に関することがテーマです。
さっきから堅パンのことばかり書いて恐縮だけど、堅パンが大好きだからこそ、堅パンを美味しく食べるために、僕は健康な歯を保ちたい。
幸い虫歯こそなかったけど、慢性的に歯肉炎だし、口臭も気になっています。
これではいけない、堅パンに負けるわけにはいけない。
そう思って、歯の健康をいちから考え直しました。


まず歯磨き習慣を改めました。
毎食後というよりも、寝る前と、起床直後の歯磨きをするようにしました。これは、寝ている間に口の中の唾液が少なくなって、菌が増殖しやすくなるのを防ぐため。
起床後にも寝ている間に増殖した菌をすぐに除去する目的で歯磨きをするようにしました。
これだけで口臭がだいぶ改善しました。

デンタルケアの切り札がこの歯ブラシです。


そして、歯ブラシも変えました。
これが一番大きい。
銀座の歯ブラシ専門店で見つけた、馬毛の歯ブラシを使うようになりました。
馬毛の歯ブラシは、なんといっても、ポリエステルよりも柔らかい。
だから歯のエナメル質を傷つけないらしい。
実際使ってみると、最初は毛が固く感じるけど、なじんでくると芯がしっかりしているのに手触り(歯ざわり?)が柔らかくて、磨き心地がとてもいいのです。
それに、普通の歯ブラシの毛先の太さは0.2mmくらいらしいけど、馬の毛の太さは0.1mmにも満たないはず。
個人的な主観になるけど、柔らかくて細いぶん、歯と歯茎の境目に密着できているのかもしれない。


正直、まだ「馬毛の歯ブラシ」が作られているなんて、思ってもいなかった


これに加えて、歯間ブラシと、マウスウオッシュも使いはじめました。
おかげで、以前は身体が疲れたりストレスが罹ったりすると、歯茎から出血することがあったけど、現在ではほとんどなくなりました。歯肉炎が改善しているようです。もちろん、引き続き虫歯もないままです。


こうして、くろがね堅パンのために歯を大事にしていると、他にもいろいろいいことがある。
さっきも言ったように口臭は気にならなくなるし、それに、「歯を綺麗にする」って、どちらかというと生活習慣の話だということに気が付かされる。
いい歯を心がけることって、いい生活を心がけることなのかもしれない。

もちろん、堅パンが食べられるほど歯が丈夫なら、世の中のたいていのものは食べることができるのです。
「健康はあごから」(改めて思うと、このキャッチコピーは消費者を煽っているようにしか見えない)ではないけど、これからも「健康は歯から」の気持ちで歯を大切にしたい。




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