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再掲 三題噺「手紙 石 投げる」

拝啓、寒い日が続きますね──

そんなありきたりな文頭でペンを走らせた手紙。
お世辞にもうまいと言えない文章と、つたない内容。
毎日、書こうとすればするほど、思いつく言葉が減っていく気がする。
電子メールが主流になったご時勢、手紙なんてアナログな交流は不便極まりないものだ。
一度相手の手に渡ると、読み返すことができないのだから。
出したメールを読み返したことなんてなかったけど。
そんなことを考えるようになっただけでも、進歩といえるのかもしれない。
そもそも国語とか作文とかは苦手なのだ。苦手なことを率先してすることも、得意ではない。
だけど、やめられないのだ。
どんなに苦手でも、無駄だといわれることでも。
届かない手紙を書き続け、決まった場所にひっそりと隠すように石を重石に乗せて置いておく。
差出人にだけ、わかるように。
返事がない、届くはずのない手紙を、僕は毎日書き続ける。
昨日書いた手紙をいつもの場所、いつもの石から取り上げ、今日の手紙を置いてまた石を置く。
昨日の手紙は、焼却所に放り投げた。

よくわからないんですけど美味しいもの食べます!!