パトランプ

だって、そこに人は集まっている。

トゥモローゲートに訪れるインターン生が

課題に取り組む中で

「強みが見つからない」

という声が、オフィスでよく聞こえてくる。

ボクは小声で、かつ心の中で

「ガンバレ…」って思いながら

約10年前、制作でペーペーだったジブンの声が、

そのまま10年の時を超えて

やってきたかのような感覚になる。

どうやら「強みが見つからない病」

10代や20代の社会人が必ず通過する

登竜門みたいなものらしい。


ボクが知る限り

この門をくぐり抜けるのは、

まぁまぁ苦労する(個人差あり)。

なんせ数十年かけていたかどうかもわからないくらいの

色眼鏡(偏見)という存在に気づき、

それを潔く、外さないといけないからだ。

(これがなかなか外せない)


結論から伝えるけども

「強み」とか「弱み」なんて、

その人が勝手に決めているものだ。

ある人にとっては

「強み」は「弱み」かもしれないし、

「弱み」は「強み」かもしれない。

その事実に気づくことが、まず大切な一歩になる。

そして、次。


じゃあ、なんでこの病に、みんな侵されるのか?


この問いに正解はないけれど、ボクの考えは、


ターゲットとかペルソナに踊らされるからだと思っている。


よく課題が提示されるときに

「求める人物像」とか「購買層」みたいな話が

まっ先に出てくると思う。

もうこの時点で、無意識のうちに

ガッチリ色眼鏡を装着させられているのだと思う。

従順に

「担当の人がそう言っていたから、守ろう、守ろう」

「ターゲットの視点からズレちゃ、いけない、いけない」

なんて感じで、ガッチリ縛られているのだ。


つまり、ここから見えてくることは、

「強みが見つからない病」に病原菌があるならば

その病原菌の格好のターゲットは、

「めちゃくちゃ素直な人」だってことだ。

与えられた色眼鏡を、知らず知らずのうちに

すっと装着しているのだ。

だから、じつは気に病む必要がない。

キミは素直なんだから。

でも、ビジネスの中では、

その病からは抜け出さないといけない。

そんなときは繰り返しになるが、

色眼鏡(偏見)を潔く外すのだ。


もうちょっと具体的に言うと、

ターゲットやペルソナを、いったん忘れてみること。

その状態で、

企業や個人の良さを見つめ直してみることだ。

「強みはあるよ~!」って

ナビゲーションはいつも教えてくれている。

だって、いま

キミが採用をサポートしたいと思っている会社には

「働いている人」がいる。

キミが販促をサポートしたいと思っているモノには

「ファン」がいる。

その働いている人や、ファンは、

なぜその会社やモノに集まっているのか。

その一点だけを、純粋に見つめたらいいのだ。

取材しないと、

その理由とやらにはたどり着けないかもしれないし、

一度その商品を食べてみたり、使ってみたりしたら

集まる理由がわかるのかもしれない。

いったん、ジブンの実感を収集してみて

信じてみるのだ。


企画やキャッチコピーを考えるときに、ざっくり

【①課題の洗い出し・設定→②ターゲット設定→③訴求点の決定】

みたいな形で考えるかもしれない。

でも、もし何も強みらしいものが

見つからなくて迷ったら

この過程の逆を歩んでみよう。

もしくは、①とか②とか

順番を気にすることなく考えてみよう。

ジブンが足や肌で感じたことが、

その指定されたターゲットに本当に届くのか。

再考してみよう。

何度も調べて、調べて、調べても、

その実感が変わらなかったら

きっとキミの「実感」は当たっていると思う。

あとは、それを信じて、

自信満々で提案したらいいだけだ。

(間違っていたら、ごめんなさい。)


犯人が、なかなか捕まらない事件がある。

そんなとき、

誤った犯人像に踊らされていないか、

捜査を見直す必要がある。


それとおんなじことを

クリエイティブでもやったらいいと思うのです。

行き詰まったら、思い切って捜査をやり直そう。

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