短い詩1
私は海のある街に住んでいます。
家から歩いて10分。少し時間はかかるけれど、そこに海はあります。
私はしばしば「海に行く」と言って、出掛けます。砂浜に座って海を眺めます。砂浜を走ります。私は海ではなく砂浜にいます。でもその時、私は"海"にいます。
砂浜から見る海。海岸沿いの家の窓から見る海。高い山の上から見る海。海を見ているとき、私は"海"にいます。
色んなお魚さん、色んな海のいきもの。私は味わいます。海を味わっているとき、私は"海"にいます。
暖かい南風が吹いたとき。
自転車のチェーンが錆びたとき。
水の音を聴くとき。
私という存在。
そこに、海。