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「バービー」を見ました。

この間、映画「バービー」を見ました。フェミニズム系の映画であるという事前情報を微妙に持って行ったのですが、その覚悟といいますか期待を越えてくる作品だったなと感じております。

以下に感想を書きますがネタバレしかないです。

あらすじなんですが、バービーランドとかいう不思議なメルヘン世界にバービーとそのボーイフレンドのケンたちがたくさん住んでいました。バービーランドは、権力者から何から何までみんなバービーで、ケンはちょっと雑に扱われていてそのことにケンはなんとも言えない気持ちを抱えているようでした。ある日、典型タイプのバービーに不調が起こり、その原因が現実世界での彼女の持ち主にあることが分かります。解決のために現実世界にやってきたケンは、男性主義的な社会や女性に対する暴力的な視線など、現実社会とバービーランドとの差に衝撃を受けます。なんやかんやでバービーは自信の不調の原因である母娘を見つけバービーランドヘと招待しますが、バービーランドはケンが現実から持ち込んだ男性社会の理論を受け入れたケンダムとなっており、バービー達はケンらによって洗脳されてしまっていました。なんとかケンからバービーランドを取り戻したバービーは、バービーランドを飛び出して現実世界へと行き、最後に婦人科を受診する場面で映画は終わります。

以下に気になった点を書きます。

映画全体をざっくり見ると、フェミニズム映画だなと思いました。ただアメリカは日本よりもこういった議論が進んでる見たいな話をよく聞く割にはそういった点は感じられなかったかなと思いました。こういうテーマの映画がめちゃくちゃお金をかけて作られている点は進んでいるとか、日本のフェミニズムがどんな段階とか僕がよく知らないだけとか要因はいくつかありそうですが。また、ただのフェミで終わらせていない点がよかったなと思いました。自分らしく生きていく的なメッセージもあった気がしますし。

バービーランドについて。バービーランドが冒頭では夢の国みたいな感じだったけど、物語が進むとバービーとケンという性別に分かれた男性優位、女性優位な社会なんだよって見えてくる映画の構成はおもしろいなと思いました。ケンダムから戻ったバービーランドはあの後どうなっていくんだろう……。ケンを下っ端の公務員にならしてあげてもいいよ、みたいな感じだったし、バービー優位だったのが次第に平等に向かっていくんですかね。個人的にはバービーが残って社会をよくしていく、みたいなオチになるかと思っていたので、現実社会に出ていくのはびっくりしました。ただバービーが出ていったあの国は元のバービーランドに戻るだけなんじゃないかなあ、とか思ってしまいますけど。

バービーとケンって何? 僕はバービーとケンは何も知らない人の隠喩なのかなとか思いました。だから、外の現実社会を知ってしまったバービーはバービーランドには戻れないみたいな構図が成り立つのかなと。まあだとすると外の世界の女性の叫びを聞いた他のバービーたちがそのままなのは不思議な気もしますが。そこに関しては、実際に外に出たかどうかが関係しているのかね。バービーは外の世界で自分が女性のシンボル的なものではない、夢や希望を与えるだけの存在ではないことを知ってしまったわけですし、そういうところが関係しているのかなあ。それからこの解釈だとケンも説明しづらいですね。

最後の婦人科に行ったところはなんだろう。「なぜ婦人科に行ったのか?」これが一番解釈の分かれるところだと思います。映画の冒頭でバービーは自身に性器がないと話していましたし……。ここまでの描写からバービーが婦人科に行った理由は2つ考えられます。1つ目は性器を手に入れに行った。バービーは最後女性として社会の中で戦うことを決めたのだと思います。その決意を表すために女性になるという描写を入れたのかなというのが1つ目の解釈です。2つ目はなんか突然変異で性器を手に入れていて、普通に診察に来たというものです。こっちはよくわかんないですね。ただバービーランドから出たことが人としての成熟である的な考え方をすると、そういう見方ができるのかなあと思いました。

大体こんな感じですかね。映画としてみると冒頭のバービーランドで踊り狂っているところが最高にアゲだったので、そこだけでも見てほしいです。おもしろいよ、多分人は選ぶけど。


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