The Snow Child レジュメ
こんにちは。翻訳者の最所篤子です。アクセスしていただきありがとうございます。おそらくツイッターの「破れかぶれで公開するレジュメ」というツイートを見てこちらへ来てくださったのかと思います。ご興味をもっていただき、ありがとうございます!
10年以上も引きずっている作品とは、2012年のピューリッツァー賞フィクション部門最終候補作。これまでにいくつもの出版社に持ち込み、会議で検討していただいたこともあります。しかし残念ながら「文学作品は難しい」ということで今に至っています。
私は持ち込み作品の翻訳を手掛けることが多く、刊行された13作中、じつに9作が持ち込みです(うち2作品は重版になりました!)が、お蔵入りになった作品は数えたくないほどあります。諦めることには慣れているのですが、この作品だけはもう少しジタバタしたくて、こんなこと(レジュメの公開)に踏み切りました。
なにしろ本当にすばらしい作品なのです。10年経っても古びていないどころか、女性の自立、孤独、孤立の問題、自然と共存する生活、エクステンディッドファミリーといった旬の内容が描かれています。あるいは世に出るのが早すぎた作品なのかという気がしなくもありません。
テーマの現代性、普遍性だけでなく、どの頁を開いても吸い込まれそうな美しい世界が広がります。ひとりで読むだけでは飽き足らず、おこがましくも自分の文でこの世界を再現し、多くの人に体験してもらいたい、そんな欲張りな思いを温めています。
以下に作品情報を載せました。詳しいシノプシスは添付ファイルをご覧ください。
ご興味をお持ちの方からのご連絡を心からお待ちしております。このページ最下部の「クリエイターへのお問い合わせ」や、ツイッターのリプライやDMをお使いいただければと存じます。
どうぞよろしくお願いいたします。
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The Snow Child (仮題:『スノーチャイルド』)
作成者:最所篤子
【原書の情報】
■タイトル:The Snow Child
■著者:Eowyn Ivey(エオウィン・アイヴィー)
アラスカ在住。地元紙Frontiersmanの記者として10年間勤務。本作はデビュー作にもかかわらず、2013年ピューリッツァー賞フィクション部門最終候補作に選出。
■総ページ数:388 ページ
■発行年:2012年
■出版社:Regan Arthur Books/Little, Brown and Company
■紹介文:希望を探して移り住んできたはずのアラスカの地で、冬の闇に呑みこまれそうな中年夫婦の心を救ったのは、雪の夜に現われた幼い少女だった。毎年春になると姿を消し、初雪と共に帰ってくるその子は、親になりたかった二人の願いが作り出した幻影なのか。アラスカの苛酷で美しい自然の中で、夢ともうつつともつかない少女の成長を見守りながら、夫婦はいつしか孤独という文明の病から立ち直っていく。めぐりゆく自然と人のつながりが生きる歓びを思い出させてくれる、大人のための童話。
■レビュー
“The Snow Childの不可思議な魅力は、一見した通りの単純なストーリーではないところにある。物語は読者の予想を大きく裏切る方向に流れていく……悲劇的で、幻想的な結末は胸に焼きついて離れない。しかし、最も心に残るのは生命の歓喜を高らかに謳いあげる数多の場面である”――ワシントン・ポスト
“予期せぬ場所で愛を見出だす炎と氷に満ちた物語”――サンデー・タイムズ
“この素晴らしいデビュー作に独特の雰囲気を与えているのが、アラスカの苛酷な自然美である”――タイムズ
■シノプシスはこちら:
■試訳はこちら:
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