春の悪魔達
悲しくもないのに 景色が滲む
悲しくもないのに 涙が溢れる
悲しくもないのに 悲しくなってくる
何者かに思考を強制される
ああ、この両目をくりぬいてしまいたい
ああ、この鼻を削いでしまいたい
冬の澄みきった空気は徐々に失われ
地平線は霞かかる
ベテルギウスとシリウスもそろそろ退場
スピカとアークトュルスが舞台袖に控える
太陽の回りに 幾重もの虹の輪が現れる
悪魔が来る前触れだ 破滅をもたらす凶兆だ
我々は立ち向かわなければならない
あの悪魔達に
我々は克服しなければならない
あの小さな悪魔達を
スギ花粉 滅ぶべし
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